アメリカではNew York Timesなど世界的にも名の知られた有力紙が大幅な収入減で悲鳴を上げ(紙新聞への処方箋)、地方ではドミノ倒しのごとく地方紙が倒産しているようだ。日本でも廃刊までは行かずとも経費削減のため夕刊を廃止した地方紙は多く、全国紙も遠からず同様の状況になるに違いない。新聞のみならず、雑誌等の紙媒体は軒並み苦境に立たされているようである。
アーティストのビジネスモデル
このところ、私的録音録画制度の見直しを巡るあれやこれやに少々足を突っ込んでいる。なかなかややこしい話なので中身についてはあまり触れないが、この問題に限らず結局著作権を巡る諸問題の本質にあるのは、どうすれば今後才能あるアーティストがアーティストとして食っていけるか、ということである。
フリーコンテンツ vs. Googleブック検索和解案
フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation, FSF)は去る9月8日、Google ブック検索(Google Book Search)訴訟の現状の和解案に反対する意見書を南ニューヨーク地区連邦地裁に提出した(FSFのプレスリリース、意見書[PDF])。
インターネットに対する楽観論と悲観論
インターネットが私たちの生活に影響を与えているということに関しては、もはや疑問の余地はない。問題は、それが良い影響であるか、悪い影響であるかということである。
FlashGotとSothink: ライセンス違反の一事例
「オープンソース」の二つの意味
最近、「オープンソース」という言葉の意味を巡る論争が再燃したようだ。混乱が生じるのは、「オープンソース」という概念自体に、性格の異なる二つの要素が詰め込まれているからではないだろうか。
テクノロジーの民主化とオープンデータの重要性
MySpaceに次いで世界第2位の規模を誇るSNS、Facebookの、Wall(掲示板のようなもの)への書き込みにおいて、「雇われた」(hired)という単語と「laid off」(クビになった)というフレーズが何回出現したかを数え、時系列グラフにした人がいる(The 463の記事)。Facebook用のアプリケーション、Facebook Lexiconを使ったものだ。自分でも調べてみたい人は、ここを見ると良い。
Last.fmとTechCrunchの100日戦争
紙新聞への処方箋
これまで社会に大きな影響を与えてきた報道機関、新聞の経営が、構造的に苦境に陥っていると囁かれて久しい。21世紀に新聞が生き残るためにすべきことは…あれを買うこと?
Wikipediaを巡る愉快な実験と不愉快な結末
去る2月、シカゴ出身のスコット・キルドール氏と南アフリカ出身のナサニエル・スターン氏という二人のメディア・アーティストが、Wikipediaに記事を執筆した。その記事は、既存の何かを説明しようとするものではなかった。むしろ、今までにないものを作りだそうという試みの一部だったのである。というのは、彼らは記事そのものをアートとして扱おうとしたからだ。彼らはそれを「Wikipedia Art」と呼んだ。
フリーソフトウェア/オープンソースに最も貢献した10人
「フリーソフトウェア/オープンソースに最も貢献した10人」(10 Individuals who have contributed the most to FOSS)という、何だかずいぶん怖い物知らずな記事をl2admin.comが書いている。そのうちカミソリ入りの手紙でも送りつけられないかと心配だ。
ウェブ開発ブームの終焉
読者の皆さんもご存じの通り、アメリカにおける昨年の金融危機に端を発して、世界は空前の大不況に突入しつつある。今後もそれなりに成長が見込めるということもあってか、IT産業の求人・雇用状況は製造業などの他業種と比べれば状況はややマシのようだが、それでも予断を許さないのは確かだ。首筋が寒くなってきた方もおられるだろう。
フリーソフトウェアから見たACTAへの懸念
最近FSFが力を入れているのが、ACTAへの反対運動である。
最近流行りのプログラミング言語
プログラミング言語の流行り廃りというのは、それ自体なかなか興味深い分析対象だ。少しだけ昔話をすると、私がコンピュータをいじり始めた十数年前は、PascalやQuick Basicあたりも広く使われてはいたものの、結局はC言語を学ばないとどうにもならなかった。私より世代が少し前の人ならばアセンブリも必修科目だっただろうし、少し後の人だと、もしかすると最初に触れた言語はCではなくJavaかもしれない。
インターネットは文学の敵か
New York Timesの記事でも取り上げられていたが、米連邦政府の文化振興助成機関、全米芸術基金(National Endowment for the Arts, NEA)が最近出した報告によれば、アメリカの成人のうち文学作品を読む人の割合が、調査開始以来25年で初めて増加に転じたと言う。しかも、最も上昇率が高かったのは18歳から24歳のいわゆる若年層だった。
気分はもう心理戦
最近のBBCの記事で、中国の「50セント軍団」(50 Cent Party, 50 Cent Army)について触れられていた。日本ではあまり耳にしない名称だが、すでにWikipediaのエントリにもなっており、海外のブログ界ではそれなりに議論の対象となっているようである。
スピーク・アップ!
とうとう2009年になってしまった。新年最初のコラムである。今年もよろしくお付き合いください。
ハッカーと懸賞金
オープンソース開発に懸賞金をかけると言うと、真っ先に思い浮かぶのがGoogle Summer of Codeだ。とは言え数年前にはGNOME(というかNovell)も似たようなことをやっていたし、他にもいろいろある。
なぜGNU/Linuxは普及しないのか
以前Netbookの話を取り上げたが、元々私が個人的に注目していたのは、Netbookそのものの可否よりもNetbookがGNU/Linuxデスクトップのコンシューマ市場へ本格的に進出する起爆剤になるかどうかであった。現状のNetbookの貧弱な処理能力ではWindows Vistaは重いし、かといってXPはもう古い。そこでGNU/Linuxの出番ということになる。
ライセンス両立性の罠
DjVu(デジャヴと読む)は、テキストや画像を含むドキュメント向けのファイル形式である。テキストと背景画像のレイヤー分離や高速な表示、圧縮率の高さを特徴としている。1996年、AT&Tで開発された。