サムソン高橋「オネエタレント」は芸能界から消える…「危ういと思いながら」ryuchellの死が芸能界に残したこと、伝統芸能化したマツコ・デラックス

ダウンタウンの松本人志が、「週刊文春」との裁判に注力するため、テレビから姿を消した。30年以上、バラエティ界のトップに君臨し続けてきた松本の“不在”がテレビ業界に与える影響は大きく、各番組は千鳥、バカリズムなど実力派芸人を代役MCに立てるなど、対応策に追われている。
みんかぶプレミアム特集「芸能界再編」第4回では、『世界一周ホモの旅』(ぶんか社)などで知られるゲイライターのサムソン高橋氏が、かつて平成のテレビシーンで絶大な人気を博したオネエタレント界の今後を占う。
目次
日本芸能界史上初のカミングアウトと性転換
そもそもオネエタレントとは何だろう。
ここで安直に「オネエタレントの歴史」でググってみる。
まず出てきたのが美輪明宏。遊郭の近くで育ち原爆に遭い、裕福の後に貧乏に叩き落され、スターになった後に日本芸能界史上初のカミングアウトをして人気急落も幾度となく経験するも不死鳥のように甦ってきた、言わずと知れた米寿の大御所だ。
続いてはカルーセル麻紀。日本芸能界史上初のカミングアウトが美輪明宏なら、日本芸能界史上初の性転換は彼女。基本的にトランスジェンダーはオネエタレントに入れないほうがいいと思っているが、第一人者ということで許してもらおう。
そしておすぎとピーコ。映画評論家とファッション評論家の双子の彼らは、現在のオネエタレントのイメージに一番近かったのではないだろうか。40年以上人気を誇った彼らがほぼ同時期に認知症に倒れて引退状態になったのは、あまりにも哀しい幕切れだった。
美川憲一。長らく低迷状態だった彼を救い、90年代のブレイクに導いたのはオネエキャラのおかげ。ただ、彼は本人の語るところによると「実際は普通の男」だそうである。
日出郎さんごめんなさい、オネエタレントで成功した先人は6人だけです
最後にピーターこと池畑慎之介☆。名家を家出し六本木のゴーゴークラブで働いていた美少年のピーター・パン(当時の呼び名)が本格的にデビューしたのは、60年代の実験的ゲイ映画『薔薇の葬列』。それから女装・男装の垣根無く演じ続けている彼は、バイセクシャルを公言している。