株とFXの違い みんかぶ編集室 児山将 2022.08.17 (2022.07.13公開) FX入門知識 目次投資をするならFXか株か?投資対象の違い投資対象の数変動要因値動きの違い金利差の受け取りの違い資金効率(レバレッジ)の違い取引時間の違い株とFXではどちらが良いのか? 投資をするならFXか株か? FXを始める時にFXか株かということで悩んだ人もいると思います。筆者もそうでした。結局初期投資の額が少なくて済むFXからスタートし、今もFXをメインに取引しています。 今はFXだけでなく、株式やCFD、オプション(外為オプション)から仮想通貨までありとあらゆるものを取引しているので、それぞれを客観的に見れるかと思います。 まずは、分かり易くカテゴリ別にまとめてみました。 カテゴリ FX 株式 投資対象 通貨 企業 投資対象の数 50通貨 4,000社以上 変動要因 金融政策など(マクロ経済) 企業業績(ミクロ経済) 値動き ~年間30%程度 ~年間100倍も有り得る 金利の受取時期 毎日 年2回 レバレッジ 25倍 約3倍(信用取引) 取引時間 平日24時間 9時~15時(昼休みを除く) 投資対象の違い FXは為替に投資 FXはもちろん為替に投資しますので、各国の通貨というよりも、その国に魅力があるから投資するという意味合いもありそうです。国債や金利の高利回りに投資したいという人も多そうですね。 ある意味、為替は世界に股をかけて投資をしているといえそうです。 株は企業に投資 一方、株のほうは企業ということになります。サラリーマンの方にとっては、投資する株式が仕事柄日常的に関わりのある企業があるかもしれませんし、自分の好きな商品を販売している企業かもしれません。 そういった意味では、株は非常に身近な世界に投資しているといえそうです。 為替はマクロ経済、株はミクロ経済という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。 投資対象の数 FXは10カ国程度 FXは通貨に投資するのですが、実際に投資できる通貨はせいぜい10か国くらいです。世界の基軸通貨である、米ドル、日本円、英国ポンド、欧州のユーロ、カナダドル、高金利通貨として人気の豪ドル、NZドル、南アフリカランドと一般的にはこれら8か国の通貨へ投資できます。これらに加え、最近では香港ドル、シンガポールドル、人民元、ノルウェークローナ、超高金利のトルコリラ、メキシコぺソを売買できるFX会社もあります。 しかし、上記で補足した通貨はマイナー通貨と呼ばれており、流動性(売買量)が小さく、安定しておりません。銀行や証券会社のディーラーもほとんど売買することはありませんので、個人投資家は手を出さない方が無難でしょう。 関連記事 – 通貨の種類と初心者向き通貨ペア 株は約4,000種類 一方、株式取引での投資対象は日本株では約4,000種類もあります。そのため、裏を返せば銘柄を絞り込むことが大変だということでもあり、株の取引ツールにはスクリーニング機能が備わっているものもあります。 しかしながら、その中には大化け銘柄となる株がいくつもありますし、自身の得意分野に絞れば、目安として、投資対象の数は一気に20数銘柄くらいにまで絞ることができるでしょう。 変動要因 FXは金融政策や経済に依存 FXの変動要因は、その国や地域の金融政策や経済に大きく依存します。その為、ニュージーランド中央銀行が利上げをするとニュージーランドドルが大きく買われますし、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和をするとなると、ユーロが大きく売られることとなります。 【為替の主な変動要因】金融政策、GDP、インフレ率(CPI)、雇用情勢、個人消費 株は企業業績に依存 一方、株の方は企業業績が大きな変動要因になります。その為、決算が予想以上だと連日ストップ高になります。そして、関連会社も株価もつれ高になることがあります。 また、グローバル企業だと海外の株式市場の変動にも連動しますし、為替が関係してきますから、例えばドル円が円安方向に振れると、トヨタやマツダなどの企業の株価は上昇します。同様に、材料を海外から輸入している企業だと、原油や小麦の価格にも大きく影響します。 【株価の主な変動要因】企業業績、為替、海外市場、商品価格、関連会社の業績 値動きの違い FXにはレバレッジと流動性 ドル円は1980年代は360円でしたが、今は100円程度です。一時80円台もありましたから、4分の1というわけですが、これには相当大きな流れがあります。基本的に1日の値動きは1%程度ですし、余程大きな出来事があったとしても3~4%程度しか動きません。1年でみても最大30%程度の値動きとなります。そのことから、FXはレバレッジという資金を有効に使うシステムが使えるのです。また、流動性があるという面では、買いたい時に買え、売りたい時に売れるというメリットがあります。 レバレッジについて詳しく 関連記事 – レバレッジを意識して取引しよう 株は銘柄によってはハイリスク・ハイリターン 一方株価は為替と比べると、尋常ではなく動きます。ガンホーは1年間で100倍になりましたし、アベノミクス以降IPO銘柄は非常に盛り上がっていますので、公募価格の2倍3倍になることも珍しくなく、よって1年に10倍になる株(テンバガー)もあります。もちろん逆に1年で価値が半分になってしまうこともあり、ストップ安になると損切りを行うことも難しくなります。このことから、銘柄によってはハイリスク・ハイリターンということになります。しかしながら、良い銘柄に巡り合えば、1年で投資資金が10倍になるという非常に夢があるのが株式投資です。 金利差の受け取りの違い FXはスワップ(ポイント) FXにはスワップ(ポイント)と呼ばれる金利差を受け取るまたは支払う仕組みがあります。これは、365日で割った金利差を営業日ごとに受け取る、または支払うものです。金利差を受け取る側になるには、金利の高い通貨を買いで保有します。金利差を受け取ることができ、またその金利差も投資資金に連動して25倍もらえることは大きな魅力です! スワップポイントについて詳しく 関連記事 – スワップポイントとは? -高金利通貨を買って利益を狙おう!- 株は配当金 一方株式には配当金があります。みずほフィナンシャルグループなどは4%程度の高配当利回りがあり、個人投資家にも人気の銘柄となっています。この配当金は、年に1回か2回(会社ごとに違います)もらえることができ、権利確定日にだけ持っていればもらえるという高いメリットがあります。もちろん、権利を獲得した直後に大きく売られる場合もあるので、リスクは高いですが、こちらも大きな魅力ですよね! 資金効率(レバレッジ)の違い FXにはレバレッジ FXのメリットにレバレッジがあります。これは、投資資金の25倍の金額を動かせるというFXの大きな魅力のひとつです。また、海外業者では100倍、200倍のレバレッジを使用できる業者もあることから、ギャンブルのようにトレードを行う人もいます。 レバレッジについて詳しく 関連記事 – レバレッジを意識して取引しよう 株は自己資金の3倍まで取引可能 逆に、株式取引は値動きが大きいことから、信用取引では自己資金の3倍までの取引を行えます。しかし、信用取引は「6ヶ月以内に清算の義務」があることと、お金を借りていることから毎日僅かながら「金利の支払い」が発生します。また、FXではほぼ皆無である追証が発生することもあります。 しかし、最近では無期限信用取引(一般信用取引)という返済期限なしの信用取引もあります。 (⇒松井証券:一日信用取引|信用取引の売買手数料はいくら取引しても無料。さらに、1注文あたり300万円以上の取引をすると金利も無料) 金融商品に適正であるレバレッジが使用できるということで、現状がちょうど良さそうですね! 取引時間の違い FXは平日24時間 FXは平日であれば24時間売買可能です。このあたりが、FXが主婦やサラリーマン、学生にも人気である証拠でしょう。FX会社やラジオ日経なのどの番組で、「雇用統計スペシャルイベント」などと題して、ビックイベントをカウントダウン形式に盛り上がるイベントも人気です。 株は9時~11時30分、12時30分~3時 一方、株式取引は前場は9時~11時30分、後場は12時30分~3時までとなっております。しかし、意外と知られていませんが、株式取引にはPTS(私設取引)と呼ばれる夜間取引があります。通常の取引時間が終わったあと、17:30~23:59(証券会社により異なります。)までに行われる時間外取引のことをいいます。また、デイタイムセッションという、8:20~16:00の間行われる取引もあります。 SBI証券では取引が可能です。売買代金はそれほど高くありませんが、日中の売買高上位のレバレッジETFなどは2,3億ほどの出来高があり、まずまずの盛り上がりをみせています。 株とFXではどちらが良いのか? 以上をまとめると、株とFXでどっちが良いか一概には言えません。 なので、ここは株とFXの両方を取引する私の意見を書いておきます。 投資の初心者は、まず以下のような流れで自身の投資商品を探してみてはいかがでしょうか。 少ない投資資金で資産運用をできるFXを始める。相場に慣れると、株式取引も行いどちらが自分にとって良いか相性を見定める。商品や先物取引など、さらに多くの金融商品に投資してみる。全ての金融商品を、状況に応じて投資し、ポートフォリオを組む。 参考になりましたら幸いです!