- オンライン
12/18水13:00〜15:30
アクセス解析とは、自社運営サイトの訪問履歴(アクセスログ)を調べて、ユーザーの属性や行動などを分析することをいう。
Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールを用いるのが一般的だが、他にもSEO会社が有償で提供しているツール(ヒートマップツールやSEO分析ツール)を使う方法もある。
アクセス解析ツールで確認できる事項はたくさんあり、目的に応じてさまざまな分析が可能である。いろいろなことができるからこそ、「具体的にどこを見ればいいのか、何を分析したら良いか分からない」という担当者も多いのではないだろうか。
そこで今回は、アクセス解析とは何か、どんなことができるかという基本的な部分から、実際に「Googleアナリティクスで見るべきポイント」「Googleサーチコンソールで見るべきポイント」まで詳しく解説していく。
Googleアナリティクスのアクセス解析ポイント |
❶ PV数が多いコンテンツを把握する ❷ CVページまでの導線となるページの現状を把握する ❸ 直帰率・離脱率を把握して改善する |
Googleサーチコンソールのアクセス解析ポイント |
❶ Google検索からの流入が多いキーワードを把握する ❷ 各キーワードのCTRを把握・改善する ❸ 各キーワードの掲載順位を把握・改善する |
また、記事後半では、KGIやKPIの設定方法や、Google以外のアクセス解析ツールの活用方法も解説していく。
「アクセス解析って何?どこを見たら良いか分からない!」という初級者から、具体的なゴール設定まで知りたい中上級者の方まで、アクセス解析について理解したい方はぜひ参考にしてほしい。
目次
アクセス解析とは、自社運営サイトの訪問履歴(アクセスログ)を調べて、ユーザーの属性や行動などを分析することをいう。
例えば、以下のようなことを可視化・分析できる(ほんの一例)。
アクセス解析ツールで確認できる指標は多岐に渡り、さまざまな分析が可能である。そのため、アクセス解析ツールに慣れたら、「具体的に何を分析・改善したいのか」を定めて目標を明確にすることが大切になる。
「分析して終わり」では意味がなく、より良いサイトに改善するための施策に活かすことが重要である。
アクセス解析することで具体的に何ができるのか、4つに分類して解説していこう。
❶ サイト訪問者の特徴を把握できる ❷ サイトの現状や問題点を発見できる ❸ 売上アップにつながる情報を発見できる ❹ 実施施策の効果を検証できる(期間比較) |
▼
分析した結果をサイト改善に活用
なんとなく画面を見ていれば分かる初心者向けの解析方法から、より具体的な分析方法まで分類して紹介していく。
サイトに訪れるユーザーの情報を解析することで、サイト訪問者の特徴を把握できる。
サイトがどの属性のユーザーに支持されているか、どの画面サイズで見ているユーザーが多いかを分析することで、さまざまな施策に活用できる。
例:自社が想定していたターゲットと実際のユーザーのボリュームゾーンにズレがあるなら、
❶もっと想定ターゲットへ訴求していく施策を打ち出すのか
❷ターゲットを変更するのか
どちらかを決めて、今後のマーケティングに活かしていくのが良い。
サイトの今の状況を把握したり、サイトや個別のページの問題点を発見したりできる。
現状から目標値を設定したり、問題のあるポイントを見つけ出して改善策を考えたりする施策につなげることができる。
例:セッション数(訪問数)は多いのに1回あたりの閲覧数が少ない場合、回遊されていないことが分かる。サイト内を回遊しやすくする仕組みを構築し、記事の質を上げて他の記事も読みたいと思わせる工夫が必要になる。
アクセス解析の結果を見ることで、売上アップにつながるような情報を発見できることもある。
想定していた路線に戻すのではなく、ユーザーのニーズに沿う形に軌道修正することも大切である。
アクセス解析では、現在のサイトの状態を見るだけでなく、過去と比較することもできる。これを利用すると、実施した施策の効果が出ているかを検証することが可能だ。
例:Googleでキーワード広告を行う前と後で、どの程度コンバージョン数やCTRが変わったかを比較する、など
この後具体的なアクセス解析方法を説明していくが、アクセス解析でよく使われる専門用語を頭に入れておくと理解しやすい。そのためここでは、いくつかの専門用語を簡単に説明する。
アクセス解析において「セッション」とは、ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の流れを1かたまりにしたものをいう。
また、セッション数とは、一定期間中に、訪問から離脱までの一連の流れが何回あったかを指す言葉である。
UU(ユニークユーザー)とは、サイトを訪れた一人ひとりのユーザーを指す。つまり、UU数は、サイトに訪れた純粋なユーザー数を示した指標である。
1人のユーザーが、1回のセッションで何ページ見ようが、毎日何度もサイトを訪問しようが、UU数は「1」となる。
PV(ページビュー)数は、計測期間中に累積で何ページ見られたかを表す指標である。
1人のユーザーが100ページ見ていた場合も、100人のユーザーが1ページずつ見ていた場合も、PV数は同じ100PVとなる。
ランディングページとは、ユーザーがサイトを訪問した時に最初に着地したページのことをいう。
例えば最初にサイトのTOPページを見たならTOPページがランディングページとなる。一方、Googleで「アクセス解析とは」と検索してこのページ(今あなたが見ているページ)を最初に見た場合は、このページがランディングページとなる。
直帰率とは、そのページから始まったセッションのうち、1ページだけ見て帰ったセッションの割合をいう。
ただし「直帰率が高い=悪いこと」とは単純に言い切ることはできず、ユーザーのニーズを満たすコンテンツだから直帰率が高いケースもある。
離脱とはサイトを離れることをいい、離脱率とは、そのページを最後に見て離脱したセッションの割合をいう。
離脱率・直帰率については「直帰率と離脱率とは?見るべきページと改善方法まで分かりやすく解説」の記事もぜひ参考にしてほしい。
無料・有料を含めて、現在さまざまなアクセス解析ツールがある。しかし基本的には、これからアクセス解析したい方はまずGoogleが無償で提供している以下の2つのツールを使えば問題ない。
Google アナリティクス | ✅一般的なアクセス解析が可能 ・サイトやページのPV数やユーザー数 ・ユーザーの属性(性別・年齢・居住地) ・コンバージョン数やCTR・直帰率や回遊率 ・その他さまざまな検証・比較が可能 |
Google サーチコンソール | ✅Google検索経由のアクセス解析が可能 ・どんなキーワードで検索されているか ・キーワードごとの検索順位やCTR ・他サイトからの外部リンクなど |
この2つのGoogleツールは、無料で使えるのに高機能なので使わない手はない。
さらに本格的にアクセス解析するなら、「8. 必要に応じて他のアクセス解析ツールを併用しよう」で紹介する別のツールも活用を検討してみると良いだろう。
ここからは、Googleアナリティクスを用いてアクセス解析する時のポイントについて解説していこう。
Googleアナリティクスで確認できる事項はかなりたくさんあり、「まずはどこから見れば良いか分からない」という方も多いかもしれない。そのような場合は、まずは「サイトの中でページビュー数が多いコンテンツがどれか」を確認してみよう。
具体的には、「行動」>「サイトコンテンツ」>「全てのページ」をクリックすると、ページビュー数が多い順に具体的なページ名を確認できる。
ページに何か問題があり改善する場合(滞在時間が短い、CVRが低いなど)にも、基本的にはページビュー数が多いページを対象にすべきである。なぜならば、PVが低い「あまり見られていない」ページを改善するよりも効果が高いからである。
そのため、ページビュー数が多いページを把握しておくことはとても重要である。
同様に「行動」>「サイトコンテンツ」>「ディレクトリ」でどのカテゴリのアクセス数が多いのか、「ランディングページ」でどのコンテンツから流入するユーザーが多いのかを把握できる。
ページビュー数が多いページと同じくらいに重要なのが、CVページまでの導線となるページである。
※CVページとは、購入ページや申込ページなど、ユーザーが何らかのコンバージョンを行うページのこと。
Googleアナリティクスでは、CVページのPVやCTRを確認するとともに、CVページへの送客が多いページがどこかを把握しよう。
具体的には、Googleアナリティクスの「ナビゲーションサマリー」で確認できる。
「行動」>「サイトコンテンツ」➡「すべてのページ」を表示させた後、CVページを選択し、「ナビゲーションサマリー」タブを表示すると、CVページの前によくアクセスされているページを確認することが可能だ。
▼バズ部の無料Ebookダウンロードページの前後によくアクセスされているページ
※この例では、CVページ(EBookダウンロードページ)に最も多く送客しているコンテンツは、トップページ、成功事例集ページ、DL完了ページということが分かる。
CVページへの送客数が多いコンテンツを突き止めたら、そのコンテンツを基軸にサイト改善を行おう。例えば、さらなる送客数向上を目的としたリライトを行ったり、新たなコンテンツテーマを発想したりすることができるだろう。
Googleアナリティクスで見るべき3つ目の指標は、直帰率や離脱率に関わる指標である。
直帰率とは、そのページだけを見て帰ってしまったユーザーの割合を示した指標のこと。直帰率が高いページの原因を分析することで、サイト改善につなげることができる。
Googleアナリティクスにログインし、「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」を開くと、セッション数が多い順に直帰率を確認できる。
ここで「並び替えの種類」プルダウンから「加重」を選ぶと、直帰率が高く、かつセッション数が多いコンテンツを洗い出すことができる。洗い出したコンテンツから優先的に、直帰率が高い原因と対策を考えていこう。
実は「直帰率が高い=悪いページ」と一概に言えるわけではなく、「早めにユーザーの悩みを解決したために直帰率が高い」という良いページもある。そのため、直帰率が高い理由を推測することが大切なのだ。
直帰率が高い時に考えられる原因 |
❶ ユーザーニーズを満たし納得して帰っている(良い原因) ❷ 検索キーワードとコンテンツ内容にズレがある ❸ 書き出しが魅力的でなくベネフィットが伝わっていない ❹ ページの読み込み時間が遅い ❺ モバイルから読みにくい(使いづらい)UXになっている ❻ 次に読むコンテンツへの遷移先がない ❼ 意思決定させるだけの魅力がない ❽ 琉入元とページにギャップがある |
さらに詳しく知りたい方は、「直帰率と離脱率とは?見るべきページと改善方法まで分かりやすく解説」の記事も参考にしてほしい。
離脱率とは、そのページまで見て離脱したPVが、そのページを見たPVのうちのどのくらいの割合かを示したものである。つまり、そのページから離脱したユーザーが多いか少ないかが分かる。
ユーザーは必ずどこかで離脱するため、ページごとの離脱率を気にしすぎる必要はない。しかし、CVに近いページの離脱率が高い場合は、CV率を下げている原因が隠れているかもしれないため原因を追究すべきである。
離脱率を見るべき「コンバージョンに近いページ」の例
・資料請求フォームの入力画面・確認画面(送信完了の手前)
・資料ダウンロードフォームの入力画面・確認画面(送信完了の手前)
・ECサイトにおけるショッピングカート・注文確認画面(購入完了の手前)
・会員登録ページの入力画面・確認画面(登録完了の手前)
・ページ内を回遊した後のLPや商品ページ
離脱率が高い場合に考えられる原因として、入力フォームが使いづらい、ユーザーの不安を取り除けていない、意思決定させるだけの魅力がないことが考えられる。
さらに詳しく知りたい方は、「直帰率と離脱率とは?見るべきページと改善方法まで分かりやすく解説」の記事も参考にしてほしい。
今度は、Googleサーチコンソールを用いてアクセス解析する時のポイントについて解説していこう。
Googleサーチコンソールでアクセス解析する時にまず見て欲しいのが、「ユーザーがどのキーワードでサイトに流入しているか」である。
具体的には、「検索パフォーマンス」をクリックすると「上位のクエリ」を確認できる。クエリとは、Google検索でユーザーが入力した語句のことである。
上位のクエリを見ることで、実際にユーザーがどんな言葉をGoogle検索に入力しているのかが分かる。ユーザーのニーズを再確認したり、想定していなかったニーズを発掘したりできるだろう。
Googleサーチコンソールでは、各キーワード(クエリ)のCTRも確認することができる。CTRは「クリック数÷表示回数」のことで、検索結果に表示されたあなたのコンテンツが実際どのくらいクリックされたかを示している。
例えば、1000回表示されているのに50回しかクリックされていない記事と、100回しか表示されていないのに50回クリックされている記事では、後者の方がCTRが高い。
CTRが低い場合(特に掲載順位は上位なのにCTRが低い場合)、「タイトルが魅力的ではない」などの原因が考えられる。
同様に、各キーワード(クエリ)の掲載順位も確認していこう。掲載順位は、検索結果で何番目に表示されているかを表している。
例えば「アクセス解析とは」というクエリの掲載順位が「2.7」の場合、指定した期間中の検索順位が平均2.7位だったことが分かる。
クリック数・表示回数・CTRが高いキーワード(クエリ)やコンバージョンに近いキーワードの中から掲載順位を改善したいコンテンツを選定し、リライト対象にすると良いだろう。
ここまでは、初めてアクセス解析を行う方向けに「とりあえず何を見たら良いか」を解説してきた。ここからは、本格的にアクセス解析を行う場合に準備すべきことを説明していこう。
本格的にアクセス解析を行うならば、具体的な目標設定が必要である。さらにいうと、最終的な体制目標である「KGI」と、中間目標となる「KPI」を設定することが大切なポイントである。
KGI(Key Goal Indicator)とは、重要目標達成指標のことで、最終目標が達成されているかを計測する指標を指す。そして、最終目標を達成するための複数の中間目標が、次に解説する「KPI」である。
KGIには、曖昧な指標ではなく具体的な数値と期限を設定しよう。例えば、事業全体で設定するKGIなら「1年後までに売上高を1億円にする」、サイト運営の中で設定するなら「月間コンバージョン数を100件取る」などをKGIに設定する。
具体的かつ現実的な数値目標を設定するのがポイントである。
KGIを設定したら、次はそのKGIを達成するための中間目標として、KPI(Key Performance Indicator)を設定しよう。
例えばKGIが「月間の問い合わせ数を100件獲得する」なら、それを達成するためのKPIとして「月間PVで1万PVを達成する」「CV率を0.1%から0.2%にアップさせる」などを設定する。ここでも、期間を決めて具体的かつ現実的な数値目標を設定しよう。
なお、メディアのフェーズによって目標とすべきKPIの性質が変わってくる。例えばメディア立ち上げ期はコンテンツ数やクローラーの巡回数にこだわった方が良いし、長期的に考えるなら指名検索数や被リンク数に焦点を当てるのがおすすめだ。
さらに詳しく知りたい方は、「効率的に最大の成果を出すためのコンテンツマーケティングのKPI設計」もぜひ参考にしてほしい。
具体的なKGIおよびKPIを設定したら、目的を達成するための仮説を立て、必要な施策を考えよう。
例えば、PV(新規ユーザー)を増やすために、「新規記事を50本アップする」「キーワード広告を出稿する」など、具体的な計画に落とし込んでいこう。
施策実行後にはしっかりアクセス解析を行い、仮説の通りに目標を達成できそうか、施策実行前と比較して効果は出ているかなどを検証・分析することが大切である。
Googleアナリティクス・Googleサーチコンソールだけでも、サイトのパフォーマンスを十分に確認できる。しかし、さらに詳しくアクセス解析を行いたいならば、ヒートマップツールなどの他のアクセス解析ツールも併用するのもおすすめだ。
また、「Googleアナリティクスを使いこなすのが大変」と感じる場合には、自動レポートを作成してくれるサービスを活用するのも良いだろう。
概要を解説するので、必要に応じて導入してみると良いだろう。
ヒートマップツールとは、ユーザーの行動を色で可視化し、視覚的に把握できるツールのことだ。サーモグラフィーのように、ユーザーが熟読したエリアやクリックした位置を色で可視化してくれる。
ページの精読率(じっくり読んだ人の割合)や読了率(最後まで読んだ人の割合)も分かるため、改善すべきコンテンツの洗い出しや改善ポイントの発見に活用できるだろう。
※なお、読了率だけならGoogleタグマネージャーの「スクロール距離トリガー」を設定することでも計測できるので活用してみよう。
Googleアナリティクスは機能が多く、使う側が能動的に見たい指標を確認していく必要がある。そのため、「使いこなすのが大変」と感じる初心者の企業担当者もいるかもしれない。
そんな方には、Google提供ツールと連携して使える「SEO分析ツール」がおすすめだ。
Googleツールと連携できるSEO分析ツール
● FARO REPORT(Googleアナリティクス・サーチコンソールと連携)
● GArepo(Googleアナリティクスと連携)
● AI analyst(Googleアナリティクスと連携)
どのツールも、Googleアナリティクスやサーチコンソールと連携し、自動で分析レポートを作成してくれる。「どこを見ればいいか分からない」「アクセス解析に時間をかけたくない」という方は導入を検討してみてはいかがだろうか。
この記事では、「アクセス解析とは何か」について初心者にも分かるよう丁寧に解説してきた。最後に記事の内容を簡単に振り返ってみよう。
アクセス解析とは、自社運営サイトの訪問履歴(アクセスログ)を調べて、ユーザーの属性や行動などを分析すること。
➡アクセス解析することで、サイト改善に活用できる。
たくさんのアクセス解析ツールが世の中にはあるが、最初は「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール」を使えばOK。
必要に応じて他のアクセス解析ツールも併用すると、さらにサイト改善に役立てることができるだろう。KGI・KPIをしっかり設定した上で、目標の進捗率を確認しながらアクセス解析を進めていこう。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。