- オンライン
12/18水13:00〜15:30
302リダイレクトとは、Webページの一時的な転送を指す。301リダイレクト(恒久的な転送)とともに、実務では利用することの多い設定だ。
本記事では、そもそも302リダイレクトとは何か?どんなときに使うのか?といった基礎情報から、実際の設定方法まで解説する。
「実務上、一時的にリダイレクトする必要性が発生した。
で、コードは302でいいんだっけ?SEOに悪影響はない?」
といった疑問は、本記事で解消できる。
なお、ドメイン移転など永久的に転送をかけたい場合には、302ではなく「301」が適応だ。本記事ではなく「301リダイレクトとは?SEOへの影響と転送の書き方・設定後の留意点」を参照してほしい。
目次
まずは302リダイレクトとは何か、基本の意味をしっかり押さえておこう。
冒頭でも触れたとおり、302リダイレクトは“Webページの一時的な転送”を指す。
「リダイレクト」とは、ユーザーがリクエストしたURLとは異なるURLへ自動的に転送することだ。
「302」はHTTPレスポンスステータスコードで、リクエストされたURLが一時的に移動されている場合に使用される。
HTTPレスポンスステータスコードとは、3桁の数字からなるコードでWebサーバーとのやり取りに使われる3桁の数字だ。
300番台が「リダイレクト」に関するコードになっている。
▼ HTTP レスポンスステータスコード
|
300番台のステータスコードは、以下のとおりだ。
|
出典:RFC 2616 – Hypertext Transfer Protocol — HTTP/1.1
このうち、実務でよく使うのは301と302の2つである。違いについて次章で見ていこう。
301リダイレクトと302リダイレクトで、ユーザーから見た挙動は変わらない。
違うのは「Googleなどの検索エンジンに、どう伝えるか?」である。
|
この違いによって、Googleのアクションは以下のとおり変わる。
リダイレクトの種類 | インデックスの書き換え | SEO評価の引継ぎ |
301(恒久的) | ||
302(一時的) |
検索結果画面では、301リダイレクトはURLが転送先のURLに更新され、302は更新されない。
このような特徴を持つ301と302を、どう使い分けたらよいのか。適応ケースを見てみよう。
まず「301:恒久的」の適応ケースとして、以下が挙げられる。
|
※1:
「URLの正規化」とは、wwwやスラッシュ(/)の有無など、同じコンテンツに対して複数のURLのパターンが存在するとき、1つの代表URLに統合することである。
詳しくは「URLの正規化とは?具体的な方法と正規化すべきケースを解説」にて解説している。
※2:
スペルミスなど想定される類似ドメインを取得して、UX向上およびブランド保護(フィッシング対策など)を図る場合にも、301リダイレクトが使われる。
たとえば、以下のようなケースが該当する。
【サイトリニューアルの必読記事】
次に「302:一時的」のリダイレクトはどんなときに使うのか、見てみよう。
|
事情はさまざまな可能性があるが、「一時的」に転送し、転送している事情が解消したら、元のURLに戻す予定があるときに、302を使う。
実務上は、コンテンツのA/Bテストや、新コンテンツのフィードバック収集のために、302リダイレクトが使われるケースもある。
302リダイレクトを使うとき、多くの人が躊躇するのが、
「SEOに悪影響はない?本当にない?」
という点だろう。
SEOと302リダイレクトについて、詳しく見ていこう。
結論からいうと、302リダイレクトによるSEOへの影響はない。
302リダイレクトでは、転送元のURLはGoogleにインデックスされたままで、そのURLが持つPageRankや評価は、そのまま維持されるからだ。
SEOへの悪影響を恐れて、404 not foundのエラーページを表示させたり、リニューアル中の不明な画面を表示させるよりも、302リダイレクトを適切に使ったほうが、よほどユーザーのためになる。
では「301と302を間違えて設定したらどうなるのか?」といえば、大局に影響はない。
Googleの解釈としては、
「301と302は、どのURLをインデックスに採用するかの違いだけ」
で、他に大きな違いはないからだ。
インデックスに採用されたURLにPageRankや評価は移るが、サイト運営者としてはインデックスに採用されたURLの評価が落ちなければよいわけで、実質何も問題は起きない。
このトピックは海外ユーザーにとっても関心が高く、たとえばGoogleのジョン・ミューラーのオンラインイベントやTwitterに、よく質問が寄せられている。
そのたびに、ジョン・ミューラーは、
「2つの違いは小さい、正しく使用したほうがよいが、SEO上の影響を心配する必要はない」
という主旨を繰り返し答えている。
具体例を挙げると、2019年12月の「Common SEO Questions – Holiday Specia」では、
「よく聞かれる質問である『301リダイレクトと302リダイレクトの違いは何ですか?』に答える」
として、以下の話をしている。
Well both send users onwards, the difference is subtle but small. A 301 is a permanent redirect, so the destination is what we keep. A 302 is a temporary redirect so we’ll come back to the start to double-check. They’re just different ways of redirecting. Use the right kind when you can but don’t worry about magical SEO dust. Both work fine.
訳:
どちらもユーザーを転送する、その差は微妙だが小さい。
301は永久的なリダイレクトだから、Googleは転送先のURLをキープする。
302は一時的なリダイレクトだから、Googleは転送元のURLに戻って再チェックする。
これらはリダイレクトの(技術的な)手法に過ぎない。
できるだけ正しい方法を使ってほしいが、SEOへの影響を心配する必要はない。
どちらでも(SEO的に)問題なく機能する。
2021年2月のTwitterでも、
「302のほうがSEOによいという主張があるのですが」
というTweetに対し、以下の返答をしている。
出典:Twitter
※リンクジュース…ページの価値を別ページに引き継ぐという概念
Googleがリダイレクトの種類を気にしていないのは、301だろうが302だろうが、結局のところ「実体」に合わせて解釈を変えるから、という理由もある。
本来は一時的な転送を意味する302であっても、長期的に使い続けると、Googleは、
「302で設定してあるが、実体は永続的に転送している、これは301だ」
と解釈して、301と同じ挙動をする(=302でもインデックスを転送先URLに書き換えてSEO評価を引き継ぐ)。
「長期的に、とは、具体的にいつから?」
という疑問については、ジョン・ミューラーが以下の主旨のTweetをしている。
「考え過ぎず、できればケースに合う正しいタイプを使ってほしい。
どのURL(source=302/target=301)がインデックスが使われるかだけで、あとはほとんど同じ」
出典:Twitter
302を設定していたらGoogleによって301と解釈され、インデックスの書き換えやSEO評価の引継ぎが行われた場合、今度は、
「では301は、どれだけ評価を引き継げるのか?」
が気になってくる。
これに関しては、以下のとおり考えよう。
301リダイレクトは、8割〜9割以上の評価を引き継げる、と捉えてよい。 ただし、完全に評価が引き継がれる保証はない。必然性がないのに、むやみやたらとリダイレクトを行うことは、(301リダイレクトであっても)推奨されない。 |
基本的には「そのまま評価を引き継げる」というのが、Googleの公式見解となっている。
ただ、私たち(バズ部)における知見を踏まえると、100%確実に引き継ぐと考えるのはリスクがある。
インデックスの書き換え後、まったく順位が変わらないこともあれば、変動することもあったためだ(ただし変動が301リダイレクトによる影響か否かは断言できない)。
詳しくは「301リダイレクトとは?SEOへの影響と転送の書き方・設定後の留意点」にて解説しているので、あわせて確認してほしい。
続けて302リダイレクトの設定方法を2つ、解説していこう。
1つめの方法は、WordPressプラグインを利用する方法だ。
WordPressで構築しているサイトであれば、プラグイン利用で、効率的かつ安全に302リダイレクトを実装できる。
リダイレクトのプラグインの選択肢は複数あるが、ここでは最もメジャーなプラグインのひとつ『Redirection』での設定を解説しよう。
WordPressの管理画面の[プラグイン]→[新規追加]から『Redirection』と検索してインストール→有効化する。
※注:WordPressにプラグインをインストールする方法がわからない方は、先に「WordPress プラグインのインストールと停止・削除・更新の方法」を確認してほしい。
有効化すると[ツール]メニュー内に[Redirection]が現れるので、クリックして設定をスタートしよう。
基本セットアップ画面では、項目の入力を求められるが、後からでも簡単に変更できる。Redirectionの機能をフルで使うためには、すべてチェックしておくとよいだろう。
次の画面でセットアップ完了をクリックすると、準備完了だ。
これで、Redirectionツール画面から転送ルールを新規追加できる入力フォームにアクセスできるようになった。
デフォルト設定は302ではなく301になっているので、歯車マークをクリックして、高度なオプションを表示しよう。
[ソースURL]の欄に転送元のURLを相対URLで、[ターゲットURL]の欄に転送先のURLを絶対URLで記入する。HTTPコードは「302」を指定しよう。
▼ 例:
ソースURL:/aaa.html ターゲットURL:https://lucy.ne.jp/bbb.html |
上記の例で設定した画面が以下のとおりだ。
WordPressを利用していない場合や、プラグインを避けたい事情がある場合には、サーバーの動作を制御するためのファイル「.htaccess」に、302リダイレクトの指示を記述する方法を選択しよう。
「.htaccess」は、サーバーのルートフォルダ(最上階層のフォルダ)にある。FTPソフトなどでダウンロードし、302リダイレクトの指示を記入して保存しアップロードする、というのが基本手順となる。
「.htaccess」に記述する命令文の書き方は、以下のとおりだ。
▼ 基本構文
Redirect HTTPコード 転送元の相対URL 転送先の絶対URL
▼ 例1:aaa.html→bbb.htmlへ転送
Redirect 302 /aaa.html http://example.com/bbb.html
▼ 例2:aaaディレクトリからbbbディレクトリへ転送
Redirect 302 /aaa/ http://example.com/bbb/
▼ .htaccessへの記述例
※注:こちらの方法は、先ほどのプラグインを利用する方法に比較すると、難易度が高い。「よくわからない」という方にはプラグイン利用を推奨する。
最後に、302リダイレクトを使うにあたって注意したいポイントをお伝えする。
「301でも302でも、Googleにとっては大差ない」ことはここまでに述べてきたとおりだ。
ただ、インデックスされるURLをGoogleの判断まかせにせず、サイト運営者でしっかり握りたい意図があるなら、302リダイレクトの使用はごく限定的にしたほうがよいだろう。
302リダイレクトが、Googleに301(恒久的)として扱われるようになるまで、どの程度の期間を要するのかは、誰にもわからない。
通常は数週間〜数ヶ月と考えられているが、数日の場合もないとはいえない。その前提を踏まえて、302リダイレクトの利用を検討してほしい。
302リダイレクトは、コンテンツのA/Bテストや、リニューアル前に新コンテンツの反応を得るためなどに利用されることもある。
ただ、これらはあくまでも変則的な使い方であり、数時間以内の短時間でリダイレクトを終えたいところだ。
Googleは、正当な理由があるリダイレクトは認めているが、不正なリダイレクトに対しては注意喚起している。
▼ 不正なリダイレクトの例
●検索エンジンには1つのコンテンツ タイプが表示されるが、ユーザーはまったく違うコンテンツにリダイレクトされる。
●PC ユーザーには通常のページが表示されるが、モバイル ユーザーはまったく別のスパムドメインにリダイレクトされる。
詳しくはGoogle Developersの「不正なリダイレクト」にて確認してほしい。
本記事では「302リダイレクト」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめておこう。
▼ 基礎知識
|
SEO上の影響は以下のとおりだ。
|
302リダイレクトの設定方法として2つを解説した。
|
302リダイレクトにおいては、以下に注意してほしい。
|
本記事を通して302リダイレクトの特性をつかみ、必要に応じて適切に利用していただければ幸いだ。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。