今年度中の予防接種法改正案提出をめざして大詰めを迎えている厚労省の予防接種部会が29日、21回目の会合を開きました。前回までは定期接種の2類に入れる方針が示されていたHPV(子宮頸がん)ワクチンとHBV(B型肝炎)ワクチンを1類として扱う案が厚労省から提示されました。これで新たに法定化される7ワクチンのうち2類となるのは、成人用肺炎球菌ワクチンのみとなります。小宮山洋子大臣の誤答弁騒動をきっかけとして、政治による巻き返しが行われ、効を奏したものと見られます。(川口恭)
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近藤達也・PMDA理事長との対談の最終回です。
近藤達也・PMDA理事長との対談2日目です。
首都圏が台風に直撃された30日、日本がん免疫学会の緊急シンポジウム『がんワクチン治療の現状と臨床』を聴講してきた。急な開催で、しかも悪天候だったにも関わらず200人入る会場は9割方埋まり、いかに患者さんたちの関心が高いかを改めて痛感した。簡単に再現する。(川口恭)
薗部友良・VPDを知って子供を守ろうの会代表の(下)です。
医療上の必要性が高く、欧米で使われていながら国内では使えない医薬品を早く使えるようにしようという検討会『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』の第4回会議が3日開かれた。ワルファリンカリウムの小児への適応拡大、シクロフォスファミド水和物の全身性血管炎・全身性エリテマトーデス・多発性血管炎・ウェゲナー肉芽腫症への適応拡大、ゲムシタビン塩酸塩の卵巣がんへの適応拡大などが治験なしの公知申請で認められることになった。(川口恭)
薗部友良・VPDを知って子供を守ろうの会代表の(中)です。
70の患者団体が連名で13日、がんの適応外医薬品への保険支払いを認める方向で検討するよう求める要望書を、厚生労働大臣など宛に提出した。適応外使用の問題を巡っては、かつて日本医師会の力が強かった時代に、医師の臨床上の判断を尊重し支払いを認めるとした『55年通知』が厚生省から出されているが、最近では有名無実化しつつある。代わって今年から『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』が設置され、適応拡大後の保険適応という手続きの、時間や費用のかかる道へ誘導されている。(川口恭)
今月18日にヒトゲノム国際機構からチェン賞を授与され帰国したばかりの中村祐輔・東大医科研ヒトゲノム解析センター長は、最近、外国へ行く度に憂国の念を抱いて帰ってくることが続いているそうです。何が問題なのか、どうすればよいのか、聴きました。(聴き手・川口恭)
厚生労働省による「植民地支配」が問題になっている医薬品医療機器総合機構(PMDA)に対する事業仕分けが27日行われ、審査も安全対策もその事業は引き続きPMDAで行って規模も拡充するものの、計画的に現役出向者を減らして厚生労働省からの独立性を担保するなど、ガバナンスを抜本的に見直すようにとの結論が出された。(川口恭)
26日、医療機器に対する規制や制度が時代に則していないために患者の利益を損ね、また国内医療機器産業の成長も阻害されている、と日米欧の業界団体3者が共同で、新成長戦略「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」を所管する内閣府・厚生労働省・経済産業省の3府省に提言を行った。(川口恭)
行政刷新会議で明日から行われる事業仕分けの予行演習のような形で15日から行われている厚生労働省内事業仕分けに22日、薬害肝炎検討会でのアンケート以来、厚生労働省との関係に注目の集まっている医薬品医療機器総合機構が登場した。仕分け人から、厚生労働省の現役出向職員を減らすつもりがないか質問が出たのに対して、答えた現役出向の川尻良夫理事からは耳を疑う言葉が出た。(川口恭)
医療上の必要性が高く、欧米で使われていながら国内では使えない医薬品を早く使えるようにしようという検討会『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』(委員名簿はこちら)の1回目が8日開かれた。突っ込みどころ満載だったので、できるだけ丁寧にご報告する。(川口恭)
*なお、資料がないと意味不明の点も多いと思うので、最低限のものは掲載した。色の変わっているところをクリックすれば読めるようになっている。
新型インフル エビデンスないからこそオープンに議論を
村重直子・厚生労働省大臣政策室政策官インタビュー
(聞き手・川口恭)
先発品と有効成分が同じで価格が安い後発品(ジェネリック医薬品)の使用がなかなか進まない。厚生労働省は後発品の使用状況について追加の調査を実施する予定だが、「薬局に在庫がないから」という理由に落ち着くかもしれない。とすると、"犯人"は誰になるのだろうか─。(新井裕充)
2010年度の薬価制度改革に向け、厚生労働省は5月27日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)で、「後発品のある先発品の薬価改定の特例ルール」(特例引き下げ)を重要な検討課題とする方針を示した。薬価改定の頻度(2年ごとの実施)と、後発品の薬価収載(年2回)については、「引き続き注視していくことが必要ではないか」として、今回は対応しない意向を示している。(新井裕充)
最終回「お金の不思議」
組織存続の意味が変わるか。増える人件費は企業の手数料に依存
医薬品医療機器の審査、安全情報の収集・対策、被害救済という国民の生命に直結する業務を行っているのだから、当然運営費を国が負担しているのだろうと思いきや、「PMDAには、ほとんど国のお金は回っていない。ほぼ独立採算に近い」(PMDA職員)。
ここまではPMDAに関する「不思議」をお届けしてきたが、PMDAの中で働く人たちまでもが不思議というわけではない。「患者さんの役に立ちたい」という思いを熱く語るスタッフだ。
(2)「歴史の不思議」
薬害発生とともに改編された組織
国内で薬害が発生するたび医薬品行政にかかわる組織が改編され、そして今のPMDAがある。
薬害肝炎を受けて、薬害防止のために行政のあり方を見直す厚労省検討会の提言がこのほど出された。医薬品の承認審査について多くの紙幅が割かれている。しかし、承認審査の実務を行う組織がどこで、どのように担っているのか、国民に広く知られているとは言い難い。調べてみると、とても不思議な組織だった。(熊田梨恵)
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