今すぐ弁護士保険を比較したい方はコチラへ▼ 弁護士保険とは、何らかのトラブルに巻き込まれて弁護士に相談や依頼をした際に、かかる費用(相談料・着手金・報酬金)を一部または全額補償してくれる保険のことです。 「弁護士への相談...
人気の弁護士保険3社を徹底比較!弁護士保険に加入する5つのメリットと選び方はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>弁護士保険とは、何らかのトラブルに巻き込まれて弁護士に相談や依頼をした際に、かかる費用(相談料・着手金・報酬金)を一部または全額補償してくれる保険のことです。
「弁護士への相談や依頼には、費用がものすごくかかる」というイメージがあり、ためらってしまう方も中にはいるかもしれませんが、弁護士保険の誕生により、これまでと比べて格段に相談や依頼がしやすくなりました。
例えば、身近な問題で近隣の騒音トラブルに遭い、不眠やストレスによる健康被害が出てしまった場合、弁護士に交渉や慰謝料請求訴訟を依頼すると、弁護士費用は最低でも10~50万円ほどはかかります。
相談はしてみたけど、かかる費用を聞いてやっぱり我慢するか引っ越しを考えてしまう人もいるでしょう。
もし訴訟を起こして慰謝料の支払いが認められた場合でも弁護士費用のほうが高くなってしまったり、負けてしまった場合はそれこそ全てが無駄になってしまいます。
そんな時に弁護士保険に加入していれば、月1,000~5,000円ほどで弁護士に相談・依頼することができます。
2013年に日本で初めて誕生した弁護士保険は、年々加入者数が増えてきており、現段階で少なくとも約20,000人となっています。
この記事では、人気の弁護士保険会社の比較結果をまとめた上で、弁護士保険のメリットや選び方についてもわかりやすく解説しています。
参考にご覧いただくことで、きっとあなたに適した弁護士保険が見つかるはずです。
日常生活を送る中で、トラブルや事件に巻き込まれてしまうことは誰にでも起こりえます。
2013年から2018年までの刑法犯罪件数、交通事故発生件数、消費者被害センターの相談件数、総合労働相談件数、離婚件数、いじめ件数の推移は下のグラフのようになっております。
刑事事件と交通事故、離婚の件数は右肩下がりですが、労働問題、消費者被害、いじめ問題は増加傾向にあり、2018年の合計件数は413万件超となりました。
しかし、そんなトラブルに巻き込まれたときに、弁護士費用が高いからとトラブル相手と直接交渉を行おうとすると、トラブルが余計に大きくなってしまったり、被害者なのにいつの間にか不利な条件を飲まされてしまう可能性があります。
一方で、弁護士が代わりに交渉をしてくれた場合は、自分が有利な立場で条件を提示できたり、面倒な法的手続きからも解放されたりします。
一つのプランで多くの法律トラブルがカバーできますし、相談料無料の弁護士を紹介してくれる保険会社もあります。
お金に対しての不安がなくなるので、弁護士に気軽に相談ができ、いざというときの強力なお守りになるのが弁護士保険です。
現在、弁護士保険の少額短期保険(※)を取り扱っている会社は日本に4社ありますが、そのうち3社で比較をしたいと思います。
(※)保険業のうち一定事業規模の範囲内で保険金額が少額かつ保険期間が1年(第二分野:損害保険については2年)以内の保険のみを引受ける事業者のこと。
商品名 | ベンナビ弁護士保険 | 弁護士費用保険Mikata | 弁護士保険コモン+(レギュラー) |
---|---|---|---|
販売会社名 | カイラス少額短期保険 | プリベント少額短期保険 | エール少額短期保険 |
保険料 | 2,950円 | 2,980円 | 2,480円 |
補償限度額 一般事件 (1事案) |
110万円 | 100万円 | 100万円 |
補償限度額 偶発事故 (1事案) |
330万円 | 300万円 | 100万円 |
通算限度額 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,200万円 |
不担保期間 | 一般事件:3か月 離婚:1年 相続:1年 労働:1年 親族:1年 賃貸借:1年 |
一般事件:3ヶ月 離婚:1年 相続:1年 親族:1年 リスク取引:1年 |
一般事件:3ヶ月 離婚:3年 相続:2 年 親族:1年 |
無料サービス | ・初回60分相談料無料の弁護士紹介 ・1人の加入で家族も補償対象 |
・弁護士直通ダイヤル(1回15分) ・弁護士紹介サービス ・リーガルカード・ステッカー配布 |
・弁護士直通ダイヤル(1事案20分まで) ・弁護士検索サービス ・法律文書チェックサービス(1事案30分まで) |
公式サイト | ベンナビ公式HPはこちら | Mikata公式HPはこちら | コモン+公式HPはこちら |
ベンナビ弁護士保険は、2020年4月より営業を開始した株式会社カイラス少額短期保険が販売している弁護士保険です。
弁護士保険商品としては比較的最近出たものではあるものの、追加保険料0円で条件を満たす契約者の家族も補償対象となることが評価されているようです。
保険料の安さに比べて1事案についての保険金支払限度額が一番高いことや、不担保期間の短さ、相談料無料の提携弁護士を紹介してくれることも選ばれる理由となっているようです。
また、月額プラス450円で痴漢冤罪特約を付けることができ、痴漢冤罪トラブルに巻き込まれたときにトラブル後48時間以内の弁護士費用が補償されます。
※保険期間中1回、事件発生48時間以内の電話相談料・接見費用・弁護士の交通費を支払限度額内で実費を給付
ベンナビ弁護士保険がオススメの人
※当サイトを運営する株式会社アシロは、カイラス少額短期保険会社に出資しており、また、保険業務の委託を受けた代理店です。
プリベント少額短期保険株式会社は、日本で初めて弁護士保険の販売を始めた会社です。
参議院議員の丸山和也弁護士をCMに起用したことで、弁護士保険という商品が多くの人に認知されました。
日本弁護士連合会と連携した弁護士直通ダイヤルサービスがあることも好評となり、弁護士保険の販売数が伸びています。(2020年9月時点で保有件数17,000件)
また、加入者にはリーガルカード・リーガルステッカーを無料配布しており、ステッカーを車などに貼ることで、未然にトラブルを防ぐことにも役立ちます。
弁護士費用保険Mikataがオススメの人
エール少額短期保険株式会社は、2018年1月より「弁護士保険コモン」の販売を開始しており、2020年9月には補償内容をパワーアップさせた「弁護士保険コモン+」を販売開始しました。
弁護士保険コモン+は「ライト、レギュラー、ステイタス」の3つのプランがあり、プランによって1事案ごとの基本てん補割合、補償限度額、通算補償限度額が変わってきます。
補償対象のトラブルに変わりはありませんので、トラブルに巻き込まれたときにどれだけ補償してもらいたいかによって、選ぶことができます。
プラン名 | ライト | レギュラー | ステイタス |
---|---|---|---|
保険料 | 1,080円 | 2,480円 | 4,980円 |
補償限度額(1事案) | 30万円 | 100万円 | 300万円 |
基本てん補割合 | 着手金:100% 報酬金:0% |
着手金:100% 報酬金:50% |
着手金:100% 報酬金:100% |
法律相談料の補償限度額(1事案) | 11,000円 | 22,000円 | 55,000円 |
通算限度額 | 360万円 | 1,200万円 | 3,600万円 |
弁護士保険コモン+がオススメの人
弁護士保険には加入者にとって多くのメリットがあります。
トラブルに巻き込まれてから「あの時加入しておけば…」と後悔しないためにも、弁護士保険のメリットについておさらいしておきましょう。
弁護士への相談のハードルの1つとして、相談料の高さが挙げられます。
相談内容によっては元々相談料が無料の弁護士事務所もありますが、一般的に弁護士相談料の相場としては1時間1万円程度です。
1時間では解決しない場合も考えると、相談するだけでもそれなりのお金がかかります。
弁護士保険に加入すれば相談料が補償対象になったり、相談料無料の提携弁護士を紹介してくれたりすることもあるので、費用を気にせずに弁護士に相談できます。
当事者同士の話し合いだと慰謝料や示談金の額で揉めてしまったり、相手のいいように言いくるめられて安くされてしまったりする可能性があります。
交通事故の場合ですと、慰謝料金額の算出基準は「自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準」から決められ、弁護士が交渉した場合に使用される弁護士基準が一番高い慰謝料金額となっています。
しかし、弁護士が介入しないと保険会社が決める「任意保険基準」が適用されてしまい、自分が望んだ慰謝料がもらえない可能性もあります。
保険というと様々なプランがあって、そのプラン内容にあったケースじゃないと保険が適用されないというイメージがあります。
しかし弁護士保険は、個人向けと法人向けでプランが分かれている場合があるものの、基本的に一つのプランで多くの法律トラブルに適用されます。
ただし、痴漢冤罪などは別プランになることもありますので、事前に確認が必要です。
弁護士保険は被害者のみではなく、加害者であっても適用されます。
しかし、故意に起こした事件や重過失のトラブル(暴力事件、窃盗、詐欺など)、または紛争相手がいない場合(自己破産、薬物逮捕など)の弁護費用は保険適用外になることが多いです。
弁護士保険の料金相場は、保険会社のサービス内容や保険金の上限金額によって異なりますが、月額500円~3,000円ぐらいですので、年間で考えても6,000円~36,000円程度になります。
それと比べて弁護士に依頼した際の費用相場は、内容によって大きく変わりますが、1事件あたり数十万円かかることも少なくありません。
数年で1回利用すると考えてもかなりコストパフォーマンスは良いと言えます。
相談料 | 1時間:1万円程度 |
---|---|
着手金 | 20万円〜50万円 |
成功報酬金 | 経済的利益の10%〜15% ※仮に慰謝料請求をして200万円を獲得した場合、成功報酬金は20~30万円となる。 |
弁護士保険の補償対象は大きく分けて「一般事件」と「特定偶発事故」の2種類に分けられます。
多くの弁護士保険がどちらにも対応していますので、以下に記載されているものは補償対象と考えてよいでしょう。
【一般事件】 | 【特定偶発事故】 |
---|---|
離婚トラブル 労働トラブル 遺産相続トラブル 隣人トラブル 男女トラブル 消費者被害 詐欺被害 インターネット被害 ストーカー被害 いじめ問題 欠陥住宅トラブル 医療過誤 etc. |
交通事故(被害者・加害者) 突発的な事故(人身・物損) 火災・爆発事故 接触事故(スポーツ事故) 上階からの水漏れ被害 etc. |
もちろん、ここに記載されているトラブルのみではありませんし、リスク取引(金銭消費貸借、投機取引、連鎖販売取引など)のトラブルは、対象外としている保険もありますので、まずは各社の資料請求をしてみると良いでしょう。
弁護士費用は依頼内容によって大きく異なるため、トラブル事例を元に弁護士費用と内訳を見ていきましょう。
自分が巻き込まれる可能性が高いトラブルでどれだけ弁護士費用がかかるのか、参考にしてみてください。
<トラブル内容>
普段から夫の行動が怪しかったため、問い詰めると不倫をしていることが発覚。子供もいるため離婚は考えていないが、不倫相手に慰謝料請求を考えている。
<弁護士費用と内訳>
着手金:100,000円
報酬金:140,000円
合計:240,000円
<トラブル内容>
「目標を達成してない」と社長から毎日生きてる価値がないかのような発言をされ、精神的に病んでしまい、心療内科からうつ病と診断された。その後退職を余儀なくされたが、社長の発言が許せないのでパワハラで訴えたい。
<弁護士費用と内訳>
着手金:374,000円
報酬金:418,000円
合計:792,000円
<トラブル内容>
信号を横断中に信号無視で突っ込んできた車にはねられ、足を骨折してしまった。加害者がこちらにも非があるかのような主張をしてきたため、話し合いは平行線に。相手が弁護士に依頼したため、こちらも弁護士に依頼したい。
<弁護士費用と内訳>
着手金:212,600円
報酬金:366,600円
合計:579,200円
<トラブル内容>
中学生の息子が、同級生から日常的な暴力を振るわれており、学校に通うこともできなくなってしまった。学校にいじめ問題の改善を再三求めたが全く改善が見られなかったため、加害者の保護者と学校に対して損害賠償請求訴訟を起こしたい。
<弁護士費用と内訳>
着手金:264,000円
報酬金:176,000円
合計:440,000円
弁護士保険がコストパフォーマンスに優れていて、いざというときに役立つサービスだということは分かっても、「結局どこの保険会社にしたらいいのか」と悩んでしまいますよね。
ここでは弁護士保険を比較するポイントについてご説明します。
保険を選ぶ際に一番気になるのは、毎月支払う保険料と補償額ではないでしょうか。
保険料でみると、弁護士保険コモン+が3つ(ライト、レギュラー、ステイタス)のプランから選べますので、まずは安く始めたいという人にはライトプランがおすすめです。
しかし、ライトプランは報酬金のてん補割合(保険金として支払われる金額の割合)が0%となっており、補償がされないプランとなるので、後々レギュラープランにしておけばよかったということのないように、加入前によく考えましょう。
通常プランの保険料で比較をすると、ベンナビとコモン+がほぼ同額となっており、Mikataが若干高めの料金設定となっていますが、補償限度額で比較するとベンナビが一般事件、偶発事故ともに一番高い金額となっています。
またコモン+の場合は、レギュラープランでも着手金のてん補割合は100%ですが、報酬金のてん補割合が50%になりますので、例えば着手金が20万円で報酬金が20万円だった場合の補償額は30万円となり、着手金と報酬金が合わせて事案限度額の100万円以下でも、満額の補償を受けられない可能性があります。
相談料については、Mikataとコモン+には弁護士直通ダイヤルサービスがありますが、これは補償とは別の付帯サービスになります。
ちゃんとした弁護士相談を受けた場合の相談料の補償については、Mikataとコモン+が1事案22,000円の補償上限となり、ベンナビは保険金の支払対象外の案件であっても初回60分は無料相談できる弁護士を紹介するサービスとなっています。
不担保期間とは、加入後に補償対象とならない期間のことで、弁護士保険以外の保険でも保険事故が起こることを知りながら保険契約をするアフターロスを防ぐためにこのような期間が設けられています。
せっかく弁護士保険に加入しても、不担保期間中にトラブルに巻き込まれてしまったら補償を受けることができないため、不担保期間は短かければ短いほど補償を受けられる可能性が高くなります。
一般事件でみると、どの保険も3ヶ月や特定の事件は最大1年となっていますが、コモン+は離婚トラブルは3年、相続トラブルは2年の不担保期間となっており、他の保険より少し長くなっています。
付帯サービスとは保険サービスに付随して提供されるサービスのことで、どんな無料の付帯サービスがあるかというのも選ぶポイントとなります。
まず、ベンナビの付帯サービスは、先ほども紹介しましたが初回60分無料で相談できる弁護士を紹介してくれます。
他の保険は、補償対象に相談料が含まれていたりしますが、金額に上限があるので、それを超えてしまった場合は自己負担となります。
また、付帯サービスではありませんが、自分1人の加入で家族(①配偶者、②契約者の65歳以上の親、③30歳未満の未婚の実子)も補償対象となるサービス内容となっていますので、自分の両親と奥さんと子供1人の家族構成でしたら5人家族が補償対象となるのもお得な保険だと言えます。
Mikataの付帯サービスは、弁護士直通ダイヤルサービスがあるので、トラブルに直面したときに保険会社を通さず、弁護士に直接電話して法的観点からのアドバイスを得ることができます。
しかし、弁護士直通ダイヤルは初期相談ということと1回15分と決められていますので、簡易的なアドバイスか弁護士に依頼するべき問題か否かの判断をもらう程度になるでしょう。
その他にリーガルカードとステッカーを無料配布しており、車や玄関に貼っておくことで、悪質な交通トラブルや押し売り訪問販売などを未然に防ぐ役割がありそうです。
参照元:プリベント少額短期保険株式会社
最後にコモン+の付帯サービスは、Mikataと同様に弁護士直通ダイヤルがあり、コモン+の場合は1回20分となります。
また、法律文書チェックサービスもありますので、契約書の契約内容や内容証明郵便を出すときに、電話かメール、面談でも相談が可能です。
ここまで3社の弁護士保険の比較と、メリットや選び方についてご紹介してきましたが、弁護士保険の良さが伝わりましたでしょうか。
【弁護士保険のメリット】 | 【弁護士保険を選ぶポイント】 |
---|---|
・弁護士への初回相談が無料(時間制限あり) ・慰謝料の増額も可能 ・様々な法律トラブルに対応 ・保険料が安くコストパフォーマンスが良い |
・保険料と補償額 ・不担保期間 ・付帯サービス(無料) |
【弁護士保険3社のおすすめの人】
ベンナビ弁護士保険 | 弁護士費用保険Mikata | 弁護士保険コモン+ |
---|---|---|
・ご両親とお住まいの18歳以上の方、配偶者やお子様がいる方 ・なるべく低額で多くの補償を受けたい方 ・全国どこでも相談内容に注力する弁護士を紹介してほしい方 ・毎日満員電車に乗っていて痴漢冤罪が怖い方 |
・弁護士直通ダイヤルを使いたい方 ・リーガルカードなどを利用してトラブルを未然に防ぎたい方 |
・色んなプランから自分に合ったものを選びたい方 ・一番安いプランで試してみたい方 ・弁護士直通ダイヤルを使いたい方 ・契約書などに不安を感じている方 |
ベンナビ公式HPはこちら | Mikata公式HPはこちら | コモン+公式HPはこちら |
誰でもトラブルに巻き込まれる可能性はありますので、いざ困ったときに専門知識を持った相談できる相手がいるのといないのとでは全く違います。
また、自分だけではなく家族も補償対象の保険もありますので、家族を守るという意味でも加入を検討してみてはいかがでしょうか。
人気の弁護士保険3社を徹底比較!弁護士保険に加入する5つのメリットと選び方はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>介護は子が親にする最後の恩返しといわれますが、実情は甘いものではありません。認知症ともなれば、「手に負えない」ことが多く、困り果ててしまいます。 高齢化が進むなかで、介護の必要性は高まっていますが、受け入れる側の体制は整...
犯罪を重ねる親の介護を拒否したい! 子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>介護は子が親にする最後の恩返しといわれますが、実情は甘いものではありません。認知症ともなれば、「手に負えない」ことが多く、困り果ててしまいます。
高齢化が進むなかで、介護の必要性は高まっていますが、受け入れる側の体制は整っていないようです。
介護について悩んでいるのが、50代男性のHさんです。彼の父親は窃盗などで犯罪を重ねており、つねに頭を悩ませられてきた存在。疎遠になりほとんど連絡もとっていませんが、最近病魔に倒れ、親戚から「息子に介護を頼みたい」と話していると伝えられました。
様々な場面で「ネック」となってきた父親の介護をすることについて、Hさんは強い抵抗感を持っており、関わりを持ちたくないと考えているそう。しかし周囲には「お前が面倒を見るべきだ」「子供としての義務を果たすべきだ」という声もあり、思い悩んでいます。
Hさんは介護しなければならないのでしょうか? あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお聞きしました。
高野倉弁護士:「自分で介護する必要はありませんが、経済的援助(扶養)をする必要はあります。まず、子ども自らが父親を介護する必要はありません。
これは、父親が犯罪を重ねていてもいなくても同じです。大人になった子どもには親を扶養する義務があります(民法877条1項)。
扶養の方法は、金銭的な援助が原則です。同居するなどして子ども自身が世話をする必要まではありません。介護保険を利用して介護サービスを入れる、施設に入所してもらい施設費を援助するといった方法が考えられます」
高野倉弁護士:「ただし、既に介護していた父親を何の手当もなく急に放置した場合には、保護責任者遺棄罪(刑法218条)に問われる可能性があります。扶養義務自体はなくならないとしても、親の不行状は扶養の内容に影響する可能性はあります。
親子間に「容易に融和できない対立」があり、その原因が親の「やや異常と思える程のかたくなな性格」にあるとしても、扶養義務自体は認められるとした裁判例があります(大阪高等裁判所昭和45年11月26日決定)。このような事情は、扶養として支払う金額を少なく定めるという方向に働きます。
なお、介護を受けるような状態にある人が犯罪を重ねるケースの場合、認知症を含む精神障害がないか、その影響で犯罪に及んでいるのではないかと考えてみることが必要です。精神障害が原因であれば、精神科病院や精神保健福祉センターなどでの治療によって状況が改善する場合があります」
仮に介護を拒否した場合、遺産相続はどうなるのでしょうか?
高野倉弁護士:「親(被相続人)の不行状は、相続に特別の影響はありません。子ども(相続人)は、相続したくなければ「相続放棄」の手続をすればよいということになります。
相続放棄は、親(被相続人)の存命中はできません。親(被相続人)が死亡し、相続が開始した後に初めて、家庭裁判所に申立てをすることで相続放棄をすることができます」
介護は由々しき問題です。Hさん以外にも、放棄したいと考えている人はいることでしょう。子は親を介護しなければいけないものなのでしょうか?
高野倉弁護士:「先ほど述べたとおり、子どもが『自ら介護をする義務』はありません。ただし、扶養義務として、経済的な援助をする義務はあります。
法的に『親子の縁を切る』ということはできないので、扶養義務はどうしても残ります。介護するかしないかの選択権はありますが、扶養するかしないかの選択権はないといえます」
子が親を介護するのは一般的なケースですが、「しなければいけない」という義務はありません。誤った認識を持っている人も多いと聞きますので、しっかりと覚えておきましょう。
*取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
犯罪を重ねる親の介護を拒否したい! 子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>子育てをしながら保険の営業として活躍するHさんは、会社から解雇通告を受けました。その内容に、憤りを感じています。 仕事中に子供が光熱 Hさんが解雇を通告されたのは3日前。営業の仕事中、突然学校から「子供が熱...
商談をキャンセルし子供の看病に向かった女性社員 会社の解雇処分に問題はあるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>子育てをしながら保険の営業として活躍するHさんは、会社から解雇通告を受けました。その内容に、憤りを感じています。
Hさんが解雇を通告されたのは3日前。営業の仕事中、突然学校から「子供が熱を出した」「念の為病院に連れて行く」と連絡がありました。
子供の様子が心配だったHさん。3時間後に商談を控えていましたが、契約に繋がるかどうか不透明なこともあり、電話で予定変更の連絡を入れ、病院に向かいます。
電話口ではとくに怒った様子のなかった商談相手ですが、「せっかく時間を取ったのにロクに理由も告げずに私的な理由で商談を断るとは何事か」と激怒。Hさんは上司に報告をしてなかったため問題になり、「クビだ。」と言われてしまいました。
Hさんは子供の高熱に取り乱してしまい、上司への連絡を怠ったことは自分の落ち度と考えていますが、「客に一応の説明をしているんだし、解雇は酷すぎるのではないか」と会社に抗議することを考えています。
この解雇は認められるのでしょうか? 琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。
川浪弁護士:
「会社による「クビの言い渡し」というのは、法律上、解雇の意思表示(労働契約の一方的解除)に該当します。この点に関して,解雇は,客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当といえなければ認められません(労働契約法16条)。
本件では、会社に連絡をせず、独断でお客様との商談をキャンセルしたことは適切な対応とはいえなかったと思いますが、このことだけを理由とした解雇は相当性を欠いている(処分として重すぎる)のではないかと考えます」
弁護士の目から見ても、この措置は「重すぎる」と感じるようです。
「重すぎる」となると、女性は解雇を無効にできるということになるのでしょうか? 琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺います。
川浪弁護士:
「上述したとおり、解雇は、客観的に合理的な理由があり、かつ、社会通念上相当といえる場合でなければ、解雇権を濫用したものとして無効となります(労働契約法16条)。
今回の事案で会社が女性を解雇した直接的な理由は「会社に連絡せず独断で商談をキャンセルしたこと」になりますが、女性によるこの行動自体に問題があることは既に述べたとおりです。もっとも、たった一度このようなミスをしたことをもって、解雇に値するほどの重大な義務違反行為、規律違反行為があったとはいえないと考えます。
また、商談キャンセルの理由が「子供の発熱」というやむを得ない理由であることも踏まえると、悪質性はない(低い)と判断されるでしょう。そのため、原則として、このケースによる解雇は無効と判断される可能性が高いと考えます。
もっとも、当該女性が従前に同様のミスや問題行動(業務命令違反など)を繰り返していた場合、当該女性に全く反省が見受けられない場合には、改善の余地がないと判断されて解雇が有効になる可能性は多分にあると思います」
解雇は「重すぎる」ようです。しかし女性の行動にも、問題があるように思えます。解雇とは行かなくても何らかの処分はできるのではないでしょうか? 琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に聞いてみると…。
川浪弁護士:
「会社(使用者)と労働者は、労働契約を遵守するとともに信義に従い誠実に、権利を行使し、義務を履行しなければならないとされています(労働契約法3条4項)。
本件では、女性は、上記条項に基づく「誠実に労働をする義務」の一環として、特段の事情がない限り、事前に予約をした顧客との商談を予定どおりに行う義務を負っているといえます。そして、やむを得ない理由で自身が商談へ行くことが困難となった場合(特段の事情が存する場合)であっても、会社に損害が及ぶことを回避する観点から、他の社員が代わりに商談に行く機会を確保すべく、事前に会社へ連絡する必要があったと考えます。
そうすると、この連絡を怠っている点で、女性の行動は適切さを欠いていたと評価できます。子どもの急な発熱という理由は商談キャンセルの理由として合理的なものといえますが、そのことと会社へ連絡しなかったことの是非は分けて考える必要があります。
なお、今回のケースのような緊急時には速やかに会社に連絡するように予め指示されていた場合には、今回のケースの女性の行動は業務命令違反にもあたり得るところです。
いずれにせよ、女性に対する処分としては、
Hさんへの解雇は重すぎるようですが、行動に問題があったともいえます。彼女がすぐに上司に連絡していれば、結果は違ったかもしれません。
*取材協力弁護士: 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
商談をキャンセルし子供の看病に向かった女性社員 会社の解雇処分に問題はあるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>20代女性のBさんは、一昨年第一子を妊娠・出産したため、産休を取ったあと、年子ができます。Bさんはどこかに心苦しい気持ちを抱えながらも、2年連続で産休を申請しました。 上司が激怒 ところが申請を知った上司が...
年子を理由に産休を断られ「辞めろ」と非難された女性 泣き寝入りするしかない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>20代女性のBさんは、一昨年第一子を妊娠・出産したため、産休を取ったあと、年子ができます。Bさんはどこかに心苦しい気持ちを抱えながらも、2年連続で産休を申請しました。
ところが申請を知った上司が、年子の事実に激怒。「2年連続で妊娠なんて何を考えているのか」「さすがにこれはありえない。もう君はクビだ。」と言葉をぶつけられます。
Bさんは傷つき夫に相談すると、「それはマタハラだ」「そんな会社辞めればいい」と言ってくれたのですが、仕事にやりがいを感じ、家計的にも苦しいため、できれば辞めたくないと考えているそうです。
「年子の産休はけしからん」という理由で退職を迫る行為に違法性はないのでしょうか?琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。
川浪弁護士:
「結論から言うと、このような産休取得の拒否や退職勧奨は「マタニティハラスメント」(以下「マタハラ」といいます)に該当する違法な行為であり、認められません。
労働基準法65条1項は、6週間以内に出産する予定の女性労働者が休業を請求した場合にはその者を就業させてはならない旨(産前休業)、使用者は産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない旨(産後休業)、を規定しています。本件では,女性の請求を前提とした産前休業が問題になっていると思いますが、産前休業に関して,法律上、取得回数の制限はありません。
また、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(いわゆる「男女雇用機会均等法」)9条3項は、妊娠・出産・産前産後休業の請求及び取得を理由に、解雇その他不利益な取扱いをすることを禁止しています。
そのため、女性が2年連続で産前休業を取得することは法律上可能であり、会社がこれを拒むことは労働基準法65条1項に反します。そして,労働基準法65条1項に違反すると,「6箇月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処せられる可能性があります(労働基準法119条1号)。
次に,2年連続で産前休業を請求したことを理由として,女性に「クビだ。」等と発言することは,男女雇用機会均等法9条3項に反し(同条項の趣旨に抵触し),違法な退職勧奨に該当するといえますので,許されません」
川浪弁護士:
「平成28年厚生労働省告示312号は、①雇用する女性労働者の労働基準法65条1項の規定による休業その他の妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されるもの(制度等の利用への嫌がらせ型)、②雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関する言動により就業環境が害されるもの(状態への嫌がらせ型)の2類型を「職場における妊娠,出産等に関するハラスメント」、いわゆる「マタハラ」として取り扱っています。
本件における上司の言動によって女性の就業環境が害されることは明らかですので,同言動は上記①の「マタハラ」に該当します」
川浪弁護士:
「産前休業取得の拒否は労働基準法65条1項に反しますので、違法状態の是正のために、労働基準監督署に申告することが考えられます。また、会社にハラスメント相談窓口が設けられている場合には、同窓口に相談して改善を求めることを検討してもよいと思います。
さらに、産前休業取得の拒否や産前休業請求を理由とした退職勧奨は違法ですので,会社(使用者)に慰謝料の支払いを請求する余地もあります。
特に、退職勧奨が執拗になされたことで、
Bさんの上司の行動はマタハラに該当する可能性が極めて高いといえます。実際のところ、争わず諦めて辞めてしまう人もいると聞きます。しかし、明らかな違法行為に対し、泣き寝入りすることはありません。納得できない場合は、勇気を出して争っていきましょう。
*取材協力弁護士: 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
年子を理由に産休を断られ「辞めろ」と非難された女性 泣き寝入りするしかない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>30代女性のAさんは妊娠中、夫に不倫が発覚。出産後、話し合いを重ねた結果、離婚となりました。やり直したいという気持ちもありましたが、相手が一緒に生活することを強行に望んでおり、元夫が出ていってしまったそうです。 不倫相手...
音信不通の不倫相手から慰謝料を取りたい女性必見!請求方法を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>30代女性のAさんは妊娠中、夫に不倫が発覚。出産後、話し合いを重ねた結果、離婚となりました。やり直したいという気持ちもありましたが、相手が一緒に生活することを強行に望んでおり、元夫が出ていってしまったそうです。
Aさんは2人の子供を抱えているため、当然元夫に慰謝料と養育費を請求します。元夫は派手に遊び歩くことができるほどの経済力を持っており、「カネで解決」とばかりに全ての要求に応じてきました。その対応には、満足しているそうです。
しかしAさんは、女として元夫とともに相手にも謝罪と慰謝料を要求したいそう。掛け合ってみると、「話し合いは全て弁護士を通してほしい」と告げられます。
元夫の相手と弁護士を通じて交渉に入りましたが、ある時期から連絡が取れなってしまいます。相手方の弁護士と不倫相手が音信不通になってしまったため、「もう降りた」というのです。全く連絡する手段を失ってしまったAさんに対し、元夫が「相手の分も自分が払う」と慰謝料の増額を打診され受け取りますが、納得のいかないものを感じています。
Aさんは諦めなければいけないのでしょうか? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。
理崎弁護士:「女性の携帯電話の番号が分かれば、「弁護士会照会」(弁護士法23条の2)という方法により、携帯電話会社に照会をかければ、女性の自宅(契約上の住所)が判明する可能性があります。
女性の自宅が分かれば、当該住所を送達先として訴訟を提起することが可能です。もし女性が契約上の住所に住んでいない場合であっても、住民票を追っていくことにより、女性の現住所を調べることができます。
もっとも、現在の住所に住民票を異動していない場合にはそれ以上、女性の自宅を調査することはできません。ただ、女性の自宅が分からなくても、女性の勤務先が分かるようであれば勤務先を送達先として訴訟を提起することが可能です。
女性の勤務先すら分からない場合には、女性の生活圏内が分かるようであれば調査会社等に依頼して、女性の現住所を突き止めてもらうほかはありません」
実行するか否かは個人の判断ですが、不貞相手の女性の住所を突き止めることができれば、訴訟することは可能であるようです。
Aさんは既に元夫から一般的に十分とされる金額の慰謝料を受け取っており、弁護士に聞くと「これ以上の請求は難しい」と言われたそうです。なぜなのでしょう? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士にお聞きすると…。
理崎弁護士:「夫から相場程度の慰謝料をすでにもらっている場合、改めて不貞相手の女性から慰謝料を支払ってもらうことは難しいでしょう。
慰謝料請求する相手(夫と不貞相手)が二人いるからといって、慰謝料を二重にとれるということではなく、どちらか一方から十分な慰謝料の支払いを受けた場合、不貞行為によって配偶者が被った損害はすでに填補されたことになるので、他方に対してはもはや慰謝料請求をすることはできないということになります」
慰謝料についての考えや、相手との関係性、断絶した場合の方法など、お分かりいただけたでしょうか?
不倫は関わる人すべてを不幸にするもの。決して「金さえ払えばいい」というわけではありません。なるべくなら、しないようにしてもらいたいものです。
*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
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]]>中国・武漢市で発生し、その後世界へと広がった新型コロナウイルス。日本はもちろん、アメリカやヨーロッパなど、全人類に重大な健康被害を与えました。 独自の予防対策を出す企業も 日本での新規感染者数が1日100人...
企業が社員に通達するコロナ感染予防対策 自由を制限する内容に問題は?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>中国・武漢市で発生し、その後世界へと広がった新型コロナウイルス。日本はもちろん、アメリカやヨーロッパなど、全人類に重大な健康被害を与えました。
日本での新規感染者数が1日100人を超えることが多くなった4月7日、政府は緊急事態宣言を発令。不要不急な外出、都道府県を跨ぐ移動、そして商業施設や飲食店などへの営業自粛を要請することになりました。
また、企業にも「在宅勤務化」を要請し、多くの企業がテレワークを導入。さらに独自の感染予防対策を社員に課す企業もあったようです。
その内容は様々で「出張の禁止」「長距離NG」というものや、「同居人家族以外と接見禁止」「外出は食料品の以外控える」という、社員の自由を制限する内容も。
さらに緊急事態宣言が解除された現代も「帰社後はまっすぐ家に帰るように」と指導されている人も多いと聞きます。いずれも社員を新型コロナウイルスに感染させないための措置ですが、不満に思う人もいることでしょう。
このような通達に問題はないのでしょうか。また、通達を破ってしまった場合の処分も気になります。 銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞いてみました。
齋藤弁護士:
「これ一事をもって懲戒処分とすることは難しいでしょう。そもそも、雇用関係にある企業から発せられた指示は、具体的な義務を伴う命令とは異なります。もちろん、従わずにコロナに感染し、社内でパンデミック状態を作ってしまったなどの事情があれば別かもしれませんが、指示自体の効力は、法的な共生を伴うものとは言えないのです」
齋藤弁護士:
「通達をやぶったやぶらないは、法的義務ではないので、そこまでは大きく問題になりません。そもそも究極の目的からすると、社員の生命や安全を保護するためのものです。そうすると、感染していないのであれば、大きな問題を発生させていているとも言えません」
齋藤弁護士:
「自由を奪う側面は否定できませんが、緊急事態宣言下において、社員を監督することも法人の一役割として位置づけられるともいえましょう。その中で、コロナ禍にかこつけて、会社の思うように行動を制限するのであれば、当然社員の自由を奪うある意味でハラスメントです。規制自体が、本当に必要なものかどうかを判断することは重要ではないかと感じています」
会社からの通達は社員をコロナ感染から守るためもので、正当なものと思われます。しかし、「コロナを利用して」または特段な理由もなく、会社の思う通りに人を動かすような目的で自由を奪う通達は「ハラスメント」になります。
経営者と労働者が通達が必要か、そして適正なのかを話し合っていく必要がありそうですね。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
企業が社員に通達するコロナ感染予防対策 自由を制限する内容に問題は?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>男女の関係はじつに難しいもの。会っているときは普通の振る舞いに見えたのに、相手方が別れを考えていたということもありますよね。 別れを切り出すほうは「予兆を見せていた」と主張しますが、言われた側にしてみれば、「青天の霹靂」...
突然別れを宣告し、連絡すると「ストーカーで訴える」と主張する女性 そんなのってアリ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>男女の関係はじつに難しいもの。会っているときは普通の振る舞いに見えたのに、相手方が別れを考えていたということもありますよね。
別れを切り出すほうは「予兆を見せていた」と主張しますが、言われた側にしてみれば、「青天の霹靂」ではないでしょうか。
30代男性のHさんもその一人。先週まで仲良くデートをしていましたが、翌週突然電話で「もう好きじゃなくなった。別れてほしい」と言われます。納得のいかないHさんは理由を問いただしますが、「気持ちがなくなった」の一点張りで、取り付く島もありませんでした。
Hさんは女性と結婚を考えていただけに、LINEメッセージや通話で連絡を取ろうと1日5回程度アクションを起こしますが、1週間後に帰ってきた答えは「別れると言っている。これ以上メッセージや通話をしてくるならストーカーとして訴える」という厳しい内容。
交際については諦めの境地に入っていますが、関係を持った以上、納得が行く別れの理由がほしいと思うHさん。これ以上連絡することは、交際相手の言うように「ストーカー」になってしまうのでしょうか? 銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞いてみました。
齋藤弁護士:
「元交際者であっても、ストーカー規制法の対象にはなりえるのですが、一定の行為に至らない程度の行為であればストーカー規制法の規律が及ぶことはありません。つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等の行為が典型的な規制対象ですが、面会や交際、復縁等義務のないことを求めたり、贈与物をうけとるように仕向ける行為もストーカーになりえます。
こうしてみてみると、ストーカー行為は極めて広い概念であることがわかりますが、そもそもストーカー規制法の目的が、ストーカー行為を処罰するなどストーカー行為について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とするものである以上、個人の身体、自由、名誉に対する危害が生じない行為はストーカーにはなりません」
ストーカー規制法が広い概念を持っていることもあり、Hさんの行為は微妙なラインですが、「ストーカー」と認定されてしまうこともありうるようです。
一度は好きという感情を持ち付き合った以上、別れの際にも筋は通すべきで、納得がいかない場合は問いただしてしまいたくなるのは、当然のことではないでしょうか。
つきまといなどは論外ですが、「別れたい」と思った女性も、連絡が来ることについて「ストーカー」と訴える前に、自分が相手に「責任」を果たしたのか、考えてもらいたいですね。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
突然別れを宣告し、連絡すると「ストーカーで訴える」と主張する女性 そんなのってアリ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>夫婦といえども「隠している過去」はあるのではないでしょうか。特に過去の恋愛は相手に知られたくないと感じることも多いようです。結婚3年目のKさんはそんな妻の恋愛遍歴に怒りを感じ、離婚を考えています。 妻のSNSから過去の同...
SNSで過去に妻が別の男と同棲していたことが発覚! 激怒する夫は離婚できるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>夫婦といえども「隠している過去」はあるのではないでしょうか。特に過去の恋愛は相手に知られたくないと感じることも多いようです。結婚3年目のKさんはそんな妻の恋愛遍歴に怒りを感じ、離婚を考えています。
Kさんはある日、妻がFacebookをやっていることを共通の知人から教えられます。検索してみると、かなり昔の投稿が閲覧できるようになっていました。
それを見ると、見知らぬ男性のことを「旦那」と呼び、仲睦まじく出かける写真が出てきます。妻の過去の恋愛を気にしていませんでしたが、よく見るとどうやら同棲していた様子。事実を知らされていなかったKさんは、深いショックを受けてしまいました。
妻に問いだしてみると、「結婚前提に同棲していたが、相手の浮気が発覚して別れた」「別れたあとにあなたと出会った」「投稿は昔のことで全く覚えていなかった」と話します。そして、「投稿は削除する」「過去のことで、今はなにもない」と理解を求められました。
Kさんは自分の度量の狭さに辟易としつつも、「同棲の事実を隠した」「投稿を削除せずに残していた」ことに不快感を覚え、別居や離婚を検討しています。仲の良い友人に相談すると、「誰にでも過去の恋愛はある」「お前だって嫁が初めてじゃないだろ」と諭されたのですが、どうしても許すことが出来ないそう。
過去の同棲がSNSで発覚したことに憤るKさん。妻は離婚を拒否していますが…。果たして離婚することは可能なのか。高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。
理崎弁護士:「基本的に、配偶者の過去の交際関係は離婚事由にはなりません。妻としては、結婚前の過去の交際関係や婚約の有無について結婚前に夫になる男性に報告する義務はないためです。
もっとも、夫との交際中に妻が夫以外の男性と交際していたことが結婚後に判明した場合には、離婚事由になり得ます。夫としては、妻との交際中、妻が二股をかけていることを知っていれば、妻とは結婚しなかった可能性があるからです。
ただ、本件では、妻が夫と交際中に、二股をかける形で他の男性と交際していたわけではなく、夫と交際するときにはすでに他の男性との同棲は解消されていますので、離婚事由としては認められないということになります。離婚事由がない限り、離婚請求は認められないので、妻が離婚を拒否する限り、夫が離婚する手段はありません」
憤るKさんですが、同棲関係解消後に交際を初めていることなどから、離婚事由としては認められない可能性が高いようです。ショックを受ける気持ちも理解は出来ますが、愛し合って結婚したわけですから、関係修復の道を探ってもらいたいですね。
*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
SNSで過去に妻が別の男と同棲していたことが発覚! 激怒する夫は離婚できるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除で、首都圏の通勤時間には満員電車が戻りつつあります。新規感染者数は減ったものの、「根絶」していないだけに、不安を抱えながら出勤しているの人は多いのではないでしょうか。 &...
コロナ感染に怯える社員… 対策をしない会社を安全配慮義務違反に問うことは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除で、首都圏の通勤時間には満員電車が戻りつつあります。新規感染者数は減ったものの、「根絶」していないだけに、不安を抱えながら出勤しているの人は多いのではないでしょうか。
労働者の不安は、通勤だけではありません。職場にも感染リスクはあります。他人と話すことで浴びる可能性がある飛沫や、トイレやドアノブなどの共有物による接触による感染に、恐怖心を覚えている人は多いのではないでしょうか。
接触感染についてはこまめな消毒で、飛沫感染はマスクで予防することができることはご存知のとおり。危機意識の高い会社ではフェイスシールドや不織布マスクなどを会社が用意し、着用を義務付けているところもあるようです。
一方で「何もしていない」「マスクの着用すら義務化していない」会社も。そんな会社に勤めている人からは、「会社がマスク着用を義務付けてくれない」「コロナに感染したら会社に責任をとってもらいたい」「マスクや消毒液は会社が用意してもらいたい」という不満の声が聞こえてきます。
社員にマスク着用を義務付けない、あるいは会社が社員のためにマスクを用意しないことについて、安全配慮義務違反などに問うことができないのか。また、会社がマスクの着用を「義務化」することに法的な問題はあるのか。詳細を琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。
川浪弁護士:
「会社は、労働契約上、社員の就業時の服装等について一定程度指示できる業務命令権を有しています。また、会社は、社員に対して、その生命や身体等の安全を確保する安全配慮義務を負っています(労働契約法第5条)。
会社内での新型コロナウイルス蔓延防止を図ることは、まさに安全配慮義務の履行そのものであり、その方法として社員にマスク着用を義務付けることは合理的かつ相当な方法といえますから、業務命令権の行使として認められるものと考えます。その場合のマスクの確保や資金の捻出は、会社による業務命令である以上、会社がすべきでしょう」
川浪弁護士:
「次に、会社が社員にマスク着用を義務付けなかった場合、不安を感じている社員が会社の安全配慮義務違反を追及できるか否かという点について、不安を感じているだけでは安全配慮義務違反を理由とした損害賠償請求は認められず、事実上、安全配慮義務を履行するように会社に要望できるにとどまると思います。
他方で、会社がマスク着用を社員に義務付けなかった結果、社内でコロナが蔓延し、ある社員がコロナに感染してしまった場合には、その社員は、会社に対して、安全配慮義務違反を理由とした損害賠償を請求できると考えます。
もっとも、この場合、損害賠償請求をする社員は、会社内で他の社員からコロナウイルスをうつされたことを証明しなければなりませんが、その証明は容易ではありませんので、実際に損害賠償請求が認められるかどうかは難しいところだと思います」
「マスクの着用を義務付けない」というだけで、会社を訴えることは現実的ではないと言わざるを得ません。しかし、会社内でコロナウイルスが集団感染する「クラスター」が発生した場合、社員が損害賠償請求することは、法的に認められる余地もあるようです。
社員は会社の生命線。経営者は、社内で感染者をださないよう、対策を施すべきではないでしょうか。
*取材協力弁護士: 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
コロナ感染に怯える社員… 対策をしない会社を安全配慮義務違反に問うことは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で、採用する企業が増加したテレワーク。 Web会議や、遠隔操作ソフトを利用しての作業など、インターネット回線を利用することが前提となっています。一部には緊急事態宣言解除後もテレ...
テレワークでかさむ通信費… 費用やネット環境は会社が用意するもの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
]]>新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で、採用する企業が増加したテレワーク。
Web会議や、遠隔操作ソフトを利用しての作業など、インターネット回線を利用することが前提となっています。一部には緊急事態宣言解除後もテレワークを認める会社もあるようで、厄介なウイルスが日本の「働き方」を変えたとも言えますね。
最近はインターネット環境がない家庭は極めて珍しくなりましたが、通信速度や容量などは契約内容に委ねられるためまちまちです。仕事でネットを利用することで、「多額の通信費が発生してしまった」という人もいるのではないでしょうか。
労働者としては「仕事で使ったため多額になった通信費を会社に請求したい」と思うことは、当然のこと。またネット環境がない場合などは、モバイルルーターの貸し出しなど、会社が環境を構築するべきのようにも思えます。テレワークについて、法的な決まりはあるのでしょうか? 詳細を琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に伺いました。
川浪弁護士:
「労働者の会社(使用者)に対する、在宅勤務のためのネット環境整備請求、ネットの通信費支払請求について直接定めた法律はありません。そのため、自宅のネット環境整備費用や通信費を労働者と会社のどちらが負担するのかは、労働者と会社の間で締結される労働契約や就業規則の内容によることになります。
もっとも、在宅勤務の際の自宅のネット環境整備費用や通信費用について、労働契約や就業規則で予め定めている会社は相当少ないと思います。
多くの会社は、労働者が出社することを前提に労働契約を締結しているからです。このように、労働契約や就業規則で定められていない場合にどうなるかがまさに本件の問題だと思いますが、①新たに就業規則を作成して取り決める、②既存の就業規則の内容を変更して取り決める場合には、その就業規則の内容に従うことになります。
例えば、就業規則で「会社負担」と取り決められた場合には、労働者は、会社に対して、通信費等を請求することが可能になります。他方で、上記①②を除いた場合には、在宅勤務を決定した際の会社と労働者の(合理的)意思解釈として、又は、労働契約に付随する信義則上の義務として、原則として会社が通信費等を負担すると解すべきと考えます(会社が命じたのではなく、労働者が自己の都合によって強く在宅勤務を要望したような場合には、例外的に労働者が通信費等を負担することになると思います)。通信費等は、会社の業務を処理するにあたって必要な費用だからです」
川浪弁護士:
「なお、上記の点に関して、労働基準法89条1項5号は、「常時10人の労働者を使用する使用者」は「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項」を定めた就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないと規定していますが、同条項によれば、就業規則で規定していない限り、常時10人以上の労働者を雇用する会社は、在宅勤務のネット環境整備費用や通信費を労働者に負担させることはできない、すなわち、会社が負担するという解釈につながるものと考えます。
上記のとおり、労働者は、就業規則に「労働者負担」と規定されていない限り、原則として、会社に対して、在宅勤務によって発生した通信費等を請求できると考えられます。もっとも、通信費等については、仕事のためのネット利用と私的なネット利用の各割合を明確に区別して算定することは困難であると思います。
そうすると、ひとまず通信費等を支払った労働者が会社に対して、仕事による増額分を請求しようとしても、割合算定が困難である以上、事実上その請求を諦めざるを得ない可能性が高いと思います。
したがって、在宅勤務を決定するにあたっては、予め、会社と労働者との間で、通信費用等の支払いについて決定しておくことが紛争予防という観点から重要です。実際、在宅勤務中の通信費等が増大することを見越して、在宅勤務手当を支給する会社もあるようです。
このように『予め固定した金額を手当として支給する代わりに通信費等の増額分は労働者自身で支払ってもらう』とすることは会社と労働者の双方にとって明確でわかりやすい取り決め方法であると思います」
テレワークは新型コロナウイルス感染拡大後急激に広まったもので、まだまだ一般化されていなため未知の部分が多く、法律や就業規則が整備されていないのが現状のようです。経営者と労働者がお互いに話し合いを重ねながら、お互いにとってメリットのある「やり方」を模索する必要がありそうですね。
*取材協力弁護士: 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
テレワークでかさむ通信費… 費用やネット環境は会社が用意するもの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
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