「成長する人」は数を数える:FlipCounter+ for iPhone

極端な持論ですが、どんな人にでもいますぐに実践することのできる最も簡単な「成長術」あるいは「成功術」は、数を数えることだと思っています。

なにを数えるのかというと、自分の行動のすべてです。

今日行った腕立て伏せ、腹筋の数。今日返事することができた仕事のメールの数。今日、実行することができた小さなタスクの数。今日ブログで書くことができた文字数。目を通すことができた英単語の数(暗記できた数ではないのに注意)。実行できた参考書の問題の数(正解できた数ではないのに注意)。

もっとファジーなものだと、「ありがとう」と言えた回数。他人にちょっとでも良いことができた回数。感謝や祈りをした回数。ネガティブな言葉が口から出そうになったときにポジティブに切り替えられた回数などです。

こうした「数を数える」メリットの一つは、自分の進歩を数える、自分の実績を「見える化」するという、実感のメリットがあります。回数というのは、決して減ることがないのですから、停滞することはあっても、常に成長してゆく自分を回数で意識することができます。

二つ目のメリットに、とらえにくいものを無理矢理数に落としこんで理解することで単純化できるという点があります。「やさしい人になりたい」という目標を実現する方法は無限にありますが、まずは「ありがとう」と「感謝」ができるという指標を作って実践できれば、それ以外のものは自然とついてきます。

岡田斗司夫氏のいわゆる「レコーディング・ダイエット」とも通ずる考え方ですが、応用方法はダイエットにとどまりません。大きなプロジェクトを始める最初の一歩にも使えますし、気分が沈んでいるときの復活のための儀式としても使えますし、数年にわたる成長のペースを管理するための方法としても利用できます。

簡単なテクニックですが、それだからこそ、ここには書ききれない深いテーマがいくつも内包されていて、考えれば考えるほどいろいろとアイディアが浮かんできます。

データの蓄積に時間がかかりますが、いつかこれをテーマにした本を作れればいいな。

FlipCounter+ for iPhone

前置きが長くなりましたが、本題はこちら。

そんな「回数を数える」ことに特化した iPhone アプリが Exedria Software 、の FlipCounter+ です。

一つしかカウンターが存在しない FlipCounter の上位アプリで、6つのカウントアップのカウンターと、2つのカウントダウンのカウンターを設定できます。

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フリップ式の時計みたいな、ちょっとアナログな見た目で、カウンターごとに色が違うのも華やかです。

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カウンターの大きな数字の部分をタップするとカウンターが「カチッ」と音を立てて増えます。増分は通常1ですが、設定画面で自由に選ぶことができますので、1タップで5ずつカウントしたりすることもできます。

カウンターの左、あるいは右にある赤い帯は巻き戻しボタンで、誤ってカウンターを増やした場合、数字を戻すのに使います。また、その下にはリセットボタンがついていて、カウンターをすぐにリセットできます(「リセットしますか?」とちゃんと聞かれます)。

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こちらがカウントダウンのカウンターで、目標数値から0までカウントダウンをすることができます。

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設定の画面がこちら。右下の「点灯キープ」というスライドバーは FlipCounter+ を使用中に iPhone がスリープしないようにしてくれますので、電源につないで使っているときに利用するとよさそうです。また、アプリ全体がちゃんと日本語化もされています。

カウンターの情報を Mac / PC 側に持ち出せない(スクリーンショットでやってくれとのこと)ことを除けば、ほぼ完璧にやるべきことをやってくれるアプリで日常的に使うようになりました。

¥600 の有料アプリですが、十分にその価値はあると思います。毎日のちょっとした「成長」のためのカウンターとして、ぜひご利用ください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。