ぐもじんです。
「森のおくから―むかし、カナダであったほんとうのはなし」は2018年読書感想文コンクールの小学校3年生と4年生の課題図書にになっているものです。
絵本に近いものなのですぐに読めますが、シンプルなお話の中なので、そこから何を感じ、何を書いていくかという難しさもあります。一度ざっと読んでみて、感じるところがあるかをチェックしてみてはどうでしょうか。
ボクが印象に残ったところを少し挙げておきます。
臨場感がすごい
まずはこの本の絵に驚かされる。
ものすごく繊細なスケッチのようであり、そこにとても自然な色使いがなされている。
この本が取り上げている不思議な出来事が、臨場感と真実味を帯びて伝わってくるのは、この本が非常に細かく状況を描写しているということと、この絵のリアルさのせいである。
大自然の脅威により人と動物の関係を考えさせられる
山火事という大自然の脅威を前に、人間も動物も一緒になって湖に入った。
狩りをする人と狩りから逃げる動物たちは、このときばかりはせめぎ合う関係を捨て、共に山火事に対して生き残ることを最優先にしたわけだ。
動物たちが、人を見たら逃げるという野生の反応を抑え、今はそんなことを言っていられないという冷静な判断で行動したことは、とても意外で、驚きだった。
とにかく山火事から逃げなければ確実に死んでしまうから、人間に襲われてしまう脅威にまで考えが及んでなかっただけなのかもしれない。
しかし、息づかいが聞こえてくるくらいの至近距離で、動物と人が湖のなかでじっと過ごすというこの状態は、この非常事態にお互い危害を加えることはありえないでしょ?という共通認識というか紳士協定に支えられている気がしてならない。
読書感想文のヒント
読書感想文を書く人に向けて、こんな切り口はどうでしょうか?
- 動物と思いが通じ合った瞬間はありますか?
- 湖に逃げて来た動物を、人が襲わなかったのはなぜだと思いますか?
- 人が動物の狩をすることについて、どう思いますか?
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グッとくる読書感想文の書き方と2018年課題図書(青少年全国コンクール) - Voyage of Life