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竹内結子さん「ダメな自分を認めて、受け入れる」──40歳になってできるようになった理由

2020.09.07 更新日:2020.10.02

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結婚、妊娠、出産、家庭と仕事との両立……。女性の30代は、人生の岐路と選択の連続です。

この道で間違いなかったのか、この先の40代をどう生きるのか、思い悩むことの多い世代でもあります。

1980年生まれ、今年でジャスト40歳の女性は、30代をどう振り返り、今何を思うのか。竹内結子さんにじっくりお話を聞きました。

(9/7発売のLEE10月号では、竹内結子さんのほか、優木まおみさん、花楓さん、辻村深月さんのインタビューも掲載しています)

ダメな自分を認めて、受け入れること。 40歳になって少しだけできるように

竹内結子さん

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30代は…
「仕事と育児の濃い日々で必要以上の気負いが」

40代は…
「ひとりではできないと周りに甘えられるように」

30代までの自分に
お疲れさまと言いたい気分

今年の1月に第2子を出産後、初のLEEでのインタビューとなる竹内結子さん。育児と向き合う中で40歳を迎えた竹内さんの表情はとても穏やかで、心のゆとりを感じさせます。

「40歳という年齢に後ろ向きな気持ちはまったくなくて、むしろ肩からポロポロといろいろなものが落ちて、軽くなるような感覚がありますね。自分のポジションを作らなきゃって頑張っていた20代、子どもができて自分の人生を考えるようになった30代前半。30代中盤は、いただく役柄の影響もあってか、人を引っ張っていくようなポジションが増えて、妙な気負いがあったタイミングも。今はまたひとつ段階が進んで、これまでの自分にお疲れさまという気分ですね。その流れの中で、30代は体の変化も感じるようになり、20代の頃のように気持ちだけでは徹夜できないと実感して。ひとりでやりたい、頑張れるはずだと頑なだったのですが、周りの手を借りないといけないなと気づいた時期でもありました。人に頼れるようになったことは、大きな変化ですね」

30代は、自分の気持ちを 煮詰めすぎてイライラ。 今はストレートに伝えます

竹内結子さん

久々の赤ちゃんとの生活でも、できるだけ周りに助けを求めるようにしているそう。

「わかっていたつもりでしたが、眠れないし、もらった風邪はなおらないし……。赤ちゃんのお世話は本当に大変ですね。育児の常識も長男のときとは変わっていることが多くて、育児雑誌で離乳食について調べたりしています。30代は仕事と育児を両立する中で、例えば『お茶を飲んで一息つきたいな』と思っても、それが自分のわがままなんじゃないかと感じて、押し込めていました。そのイライラが、外に向けて出てしまっていたんですね。でも今はしんどかったら『はい、交代して』と言えるように。自分の中で気持ちを煮詰めてしまうからこじれるのであって、どうしてほしいかをストレートに伝えればいいんだと気づきました。最近も、思ったことはその場でパッと出すトレーニングをしているところ。決してうまくはないけれど、20代、30代よりはできるようになったんじゃないかなと思います」



家で過ごす時間が増えて 自分の人生を見直すことに。 40代は家族との時間を大切に

竹内結子さん

育児休暇とステイホーム期間が重なり、家で過ごす時間が長くなったことで、人生を見直すきっかけになったとも。

「実は2度の出産で仕事を離れることには不安がありました。特に長男のときは、私の代わりはいくらでもいると思っていて、怖くてたまらなかった。少しでも早く仕事に復帰して、多くの現場をこなさなきゃと必死でした。でも今回、たっぷり時間があって家族と向き合って、自分の人生をもう少し大事にしてもいいんじゃないかなと思えました。これまでもおろそかにしてきたわけではないけれど、子どもとゆっくり向き合ったり、毎日の献立をのんびり考えたり。わが家ではカセットコンロがよく登場するのですが、家族の中で長男が作ったたこ焼きが一番おいしかった!という発見があったり。40代も仕事という軸は持ちながら、家族との時間を楽しんでいきたいですね」

セリフの多い役柄が増えて
プレッシャーを感じることも

これまで、芯のある自立した女性や主人公をやさしく見守るヒロインなど、さまざまな役柄を演じてきた竹内さん。30代は「さらに演じる人間性の幅が広がった」と振り返ります。

「以前は、誰かの気持ちを代弁するようなポジションが多かったのですが、最近は周りを思いやらない役が増えました(笑)。そういう人って自分の考えを主張するので、とてもセリフが多いんですよね。台本を見ても、ずっと私がしゃべってる!と。やりがいはありますが、同時にプレッシャーも。大きな役柄をいただくこともあるので、事前にリサーチをしたり、自分で働きかけていくことも増えました。

『長いお別れ』という作品では、父親が認知症という身近でも経験したことのない初めての設定に戸惑い、すぐに監督に相談しました。わからないことはわからない、と正直に伝えることも、経験を積んだからこそ大切なのかなと思います」

苦手だったコミュニケーション。 中村義洋監督との出会いで、 ただ楽しめばいいんだ、と気づきました

竹内結子さん

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意外にも、かつては撮影現場でのコミュニケーションが苦手だったそう。ある監督との出会いで意識に変化が。

「どうしても台本に影響されるので、敵役だから仲よくしたくないと思ったり、初めて会う人と夫婦役だと言われると急いで間合いを詰めなきゃと焦ったり。距離の取り方って難しいなと。30歳になる少し前に『チーム・バチスタの栄光』で中村義洋監督とお仕事をしたときは、現場で共演者と自然に話すことができたんですよね。監督がおしゃべりというわけではないんですけど、居心地がよい空間を作ってくださって。コミュニケーションをとらないとって気負いすぎるとうまくいかない。ただ楽しんでそこにいればよかったんだ、と気づくことができました。

自分ができないことを知るのってとても怖いですよね。20代の頃、事務所の方に『自分を認めなさい』と言われたことがあって。認めるって要するに、できないことや苦手なこと、ダメな自分も目をそらさずに見るということ。当時は『そんなのわかってます』とできているつもりでいたけれど、40歳の今も、まだ私は自分のことを100%認めていないと思います(笑)。40%、いやもしかしたら20%ぐらいかも。役柄を生きることは自分を知るきっかけにもなるので、今後も演じながら自分を知っていけたらいいなと思います」

40代で挑戦してみたい役柄はありますか?

「例えば、虐待をしてしまう母親とか。育児を経験していれば、少なからず子どもに手をあげる気持ちはわからなくはないなと思う。いざ演じるとなると苦しくなりそうですが、難しい役も大人として、きちんと表現できるようになりたいですね」

竹内結子さん

たけうち・ゆうこ●1980年4月1日、埼玉県生まれ。女優として数多くの映画、ドラマに出演。最近では女性版シャーロック・ホームズを演じたHuluオリジナルの配信ドラマ『ミス・シャーロック』が話題に。映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が公開中。2020年1月に第2子を出産。公式インスタグラム(yuko_takeuchi0401)にて。

 

◆LEE編集部からのお知らせ:竹内結子さんのご逝去に際して

 

私たちの40歳の地図の描き方

9/7発売のLEE10月号では、竹内結子さんのほか、優木まおみさん、花楓さん、辻村深月さんのインタビューも掲載! ぜひチェックしてみてくださいね。

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撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/岡野瑞恵 スタイリスト/岡部美穂 取材・文/野々山 幸(TAPE)

※商品の価格は本体価格(税抜き:2020年9/7発売LEE10月号現在)で表示しています。

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詳しくは2020年9/7発売LEE10月号に掲載しています。

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