System Center Virtual Machine Manager 2012: 仮想化を管理する
新しい System Center Virtual Machine Manager を使用すると仮想化インフラストラクチャ全体のファブリックを管理できます。
Paul Schnackenburg
サーバーの仮想化では、実際のワークロードから基盤となるハードウェア インフラストラクチャが抽出するされることが前提および約束事となっています。また、仮想マシン (VM) を単一のファブリックにプールして、そこでビジネス サービスを実行する VM をホストできるようにします。この仮想化ファブリックは、コンピューター、ネットワーク、およびストレージ リソースから構成されます。
Microsoft System Center Virtual Machine Manager (VMM) 2008 R2 でも、基盤となるインフラストラクチャをある程度管理できましたが、インフラストラクチャは外部で初期化する必要がありました。VMM 2012 における大きな変化は、インフラストラクチャ全体を隅々まで管理できるようになったことです。VMM の次の進化は、最初のサービス パックで提供される予定です (この記事の情報は、VMM 2012 SP1 Community Technology Preview 2 に基づいており、すべての情報は最終版のリリースで変更される場合があります)。
Windows Server 2012 の Hyper-V 3.0 では多くの重要な機能強化が施されているため、VMM 2012 では System Center 2012 SP1 で Hyper-V 3.0 に対応する重要な機能が導入されます (図 1 参照)。他の多くの改良点と共に、Windows Server 2012 および SQL Server 2012 との互換性が確保されます。すべての System Center のコンポーネントのサービス パック 1 では、System Center のコンポーネントが Windows Server 2012 で実行され、Windows Server 2012 を実行するコンピューターを管理し、バックエンド データベースとして SQL Server 2012 をサポートするという全体的な変更が施されています。
図 1 VMM 2012 SP1 コンソールは使い慣れた System Center の外観を継承している
VMM 2012 SP1 では Hyper-V のホストとクラスターに加え、VMware ESX/ESXi 3.5 および 4.1、vCenter Server 4.1 (vSphere 5 もサポート予定)、および Citrix XenServer 6.0 も管理できるようになります。そのため、すべてのサーバー仮想化ホストに対応した単一の管理ソリューションを使用できます。また、このサポートは、異なるプラットフォームで実行される複数の VM を含むホスト サービスにも拡張されます。さまざまなネットワークやパフォーマンスのニーズにより、このような構成が必要になる場合があります。
新しい物理サーバーでベースボード管理コントローラー (BMC) を使用して、VMM 2012 にサーバー (IP アドレス) の一覧を提供し、これらのサーバーを起動し、Windows Server 2008 R2 のイメージを仮想ハード ドライブ (VHD) 形式で展開して、Hyper-V の役割を有効にし、VHD からの起動を設定できます (BMC は、一般的には Dell Remote Access Card (DRAC)、HP Integrity Integrated Lights-Out (iLO)、および IBM 統合管理モジュール (IMM) として知られています)。VMM 2012 SP1 では、同様の方法で Windows Server 2012 を展開してクラスタリングできるようになります。
このためには、VMM 2012 SP1 が、起動要求に応答する Preboot Execution Environment (PXE) プロバイダーの挿入先となる既存の Windows 展開サーバー (WDS) が必要です (この PXE プロバイダーは、一覧の先頭にある必要があります)。物理サーバーが展開用に承認されている場合、インストール プロセスは続行します。別のコンピューターからの PXE 要求の場合、PXE 要求は、WDS の次のプロバイダーに渡されます。つまり、Hyper-V ホスト用に別の展開サーバーを用意する必要はありません。
BMC では、Intelligent Platform Management Interface (IPMI) 1.5 または 2.0 がサポートされている必要があります。これは、現在最も一般的なプロトコルで、HP iLO/iLO 2、Dell DRAC、および Cisco Unified Computing System (UCS) で使用されています。将来的には、マイクロソフトは WS-Management (WS-MAN) の代わりに、より充実した情報を提供する System Management Architecture for Server Hardware (SMASH) 1.0 を取り入れることを見込んでおり、Data Center Management Interface (DCMI) 1.0 もサポートするようになります。
WinPE イメージ専用のドライバーが必要な場合は、ライブラリに格納したカスタム イメージに挿入できます。VMM 2012 SP1 では、プラグ アンド プレイ機能により、展開中にライブラリから直接 Windows がホストで必要なドライバーが選択されます。ホスト グループ用に作成するホスト プロファイルには、参加するドメインなどの基本的な設定が含まれます。Windows システム イメージ マネージャー (WSIM) を使用して他のオプションを設定し、展開中に使用される unattend.xml ファイルをカスタマイズできます。
ベアメタル展開のトラブルシューティングを行っている場合、PXE ブートの試行結果は (成功するかどうかを問わず) VMM 2012 SP1 のイベント ログに記録されることに注意してください。また、ホストへの WinPE イメージのダウンロードには、10 分のタイムアウトの制限があります。サーバーに複数の NIC が搭載されており、すべての NIC で PXE ブートを試行している場合、この制限に抵触することがあります。
インストールの前に RAID ボリュームを構成したり、ファームウェアを更新したりする必要がある場合は、あらゆるスクリプトを実行できる汎用コマンド実行 (GCE) でこれらの操作を行えます。Windows Server 2008 R2 の NIC チーミングなどに使用できる、インストール後の GCE もあります。環境に複数の DNS サーバーがある場合は、サーバー間のレプリケーションの遅延やホスト名のプレステージについて考慮する必要があります。DNS の名前解決が機能しないと展開は失敗します。
ディスク容量についても検討が必要になります。VHD の Windows を起動すると、コンピューターの RAM の容量と同じサイズのページ ファイルが物理ディスクに作成されます。動的な VHD は、展開時に完全なサイズに拡張するため、ホストには、これらを合わせたサイズに十分なディスク容量があるようにします。
もちろん、VMM 2012 SP1 を使用して新しいホストをセットアップする以外にも方法はあります (図 2 参照)。新しいホストをセットアップするための Microsoft Deployment Toolkit (MDT) か System Center Configuration Manager ベースの堅牢なインフラストラクチャが既にある場合は、これらのツールを継続して使用してもまったく問題ありません。MDT では、より標準化されたプロセスで参照イメージが作成されるため、ベアメタル ホストへの展開に使用する VHD を作成するときには、MDT を使用するのが最善です。
図 2 VMM 2012 SP1 には 1 つまたは複数のホストを簡単に追加できる
VMM 2012 SP1 では、これらの新しい Hyper-V ホストをクラスタリングできます。VMM 2012 を使用すれば、BMC からハードウェアを検出するのは、それほど難しくありません。VMM 2012 SP1 では、特にネットワーク カードに関する役立つ情報がこれまで以上に提供されます。VMM 2012 SP1 では、VMM の WinPE イメージを使用してホストを起動し、データを収集し、一貫性のあるデバイスの名前付け (Consistent Device Naming) と呼ばれる新機能を含めて、VMM 2012 SP1 にデータを返すことでハードウェアを検出します。マザーボードに複数の NIC が搭載されている場合、ホスト プロファイルで正しい種類のネットワークに正しい NIC を割り当てるのが容易になります。
後からクラスターにホストを追加する必要がある場合に使用できる、もう 1 つの優れた機能があります。ベアメタルの展開機能を使用して、追加するホストを起動できます。次に、既存のクラスターにホストをドラッグ アンド ドロップします。ポップアップ表示される画面にいくつかの詳細情報を入力すると、VMM 2012 SP1 によって、すべての詳細情報が内部で処理されます。
クラスタリング機能
現代の仮想化されたデータセンターの基盤は、ホスト クラスタリングです。ホスト クラスタリングでは、計画外のダウンタイムに対応できる高可用性 (HA) を提供します。特定のホストで問題が生じた場合に、VM が他のホストで自動的に再起動されるようにできます。また、クラスタリングは、計画的なダウンタイム間のスムーズな管理を容易にし、特定のホストをシャットダウンしたり、更新プログラムを適用したりする前に他のホストに VM を移行できるようにします。
多くの展開では、ゲスト クラスタリングも使用しています。この場合、VM 間ではゲスト クラスタリングが機能します。Windows Server 2012 では、"アンチアフィニティ" 機能が導入されており、特定の 2 つの VM が同じホストで実行されないように指定できます。この機能により、ゲスト クラスタリング以上の利点がもたらされます。VMM 2012 SP1 では、この機能がサポートされ、VMM 2012 SP1 で管理するクラスタリングされていないスタンドアロンのホストにも拡張します。
ホストで問題が発生した場合は、コンソールでホストを右クリックし、プロパティにアクセスします。プロパティでは、問題がどこにあるかを確認できます。問題の修復を試行する [Repair All] (すべて修復) ボタンも用意されており、このボタンは、非常に便利です (図 3 参照)。
図 3 [Repair All] (すべて修復) ボタンはホストの問題を修復するのに役立つ
VMM 2008 R2 では、ホストで問題が発生したときに、問題を修復してデータベースを最新の情報で更新するには、VMM からホストを削除して再び追加する必要がありました。VMM 2012 で、この操作を行い、サービスの一部である VM をホストに展開している場合、VM ではサービスへのポインターを永久に失うことになります。この状況を回避する唯一の方法は、削除と追加の操作を行う前に、VM を他のホストに移行することです。
もう 1 つのよくある問題は、VMM 2012 とエージェント間の接続の問題です。エージェントは、ホスト コンピューターだけではなく、ライブラリ サーバー、更新サーバー、およびサービスの一部である VM にも存在します。このトラフィックは、HTTP を経由し、既定でポート 5985 を使用するため、ファイアウォールの規則を確認する必要があります (図 4 参照)。VMM 2012 で使用するポートの一覧については、TechNet ライブラリの記事「VMM 用のポートとプロトコル (英語)」を参照してください。
図 4 VMM 2012 SP1 のセットアップ プログラムで、各コンポーネントで使用するポートを確認できる
ホストとクラスターをすべてセットアップして実行したら、インフラストラクチャを最新の状態に保つことが重要になります。VMM 2012 には、すべての VM が他のホストにライブ マイグレーションされるクラスター対応の更新プロセスが用意されています。ホストに更新プログラムが適用されて再起動し、ホストが動作していることが確認されたら、このプロセスは次のホストで継続して行われます。
Windows Server Update Services (WSUS) サーバーをセットアップするか、Configuration Manager と統合したサーバーを使用します。更新の基準値を構成し、基準値を遵守するように指定したホストをスキャンする必要もあります。このようにすると、更新の修正プロセスを開始できます。
WSUS サーバーは VMM 2012 サーバー自体にインストールすることもできますが、別のサーバーにインストールすることをお勧めします。ただし、WSUS コンソールは、各 VMM 2012 サーバーにインストールする必要があります。特定の更新プログラムが一部のホストで問題を引き起こしている場合は、例外を作成できます。Windows Server 2012 では、ネイティブのクラスター対応の更新プロセスをプラットフォームに提供します。VMM 2012 SP1 で操作を OS にオフロードしたり、VMM 自体で機能を維持したりする状況を見るのは興味深いでしょう。
仮想ネットワーク
VMM 2012 SP1 では、論理ネットワークの概念に対応するようになりました。つまり、複数のデータセンターが "企業ネットワーク" と呼ばれる 1 つのネットワークを保持できるようになります。VM は、それぞれの場所の適切なサブネットと VLAN に自動的に接続されます。この概念により、基盤となるネットワークと VM の接続が管理しやすくなります。
大規模な実装では、依然として VLAN を使用して VM を他の VM とホストから分離する必要があります。これは、大規模な管理オーバーヘッドにつながる場合があります。理論的な VLAN の数の上限は 4,095 ですが、ほとんどのスイッチは 1,000 から 1,500 までの間のどこかで頭打ちになります。Windows Server 2012 の Hyper-V で導入された非常に優れた機能の 1 つは、ネットワーク仮想化です。これは、VLAN の代わりに使用できることがあります。
IP アドレスについては、各 VM には、カスタマー アドレスとプロバイダー アドレスがあります。前者は VM で認識され、後者は物理ネットワークで使用されます。この機能によって、いくつかのシナリオが可能になります。IP アドレスを変更する必要なく、オンプレミスの VM をホスト プロバイダーに移行して戻すのが非常に容易になり、マルチテナントの分離も簡略化されます。
実際、同じホストで実行する複数の VM は、互いを認識することなく同一の IP アドレスを使用することができます。VMM 2012 SP1 のインターフェイスには、ネットワーク仮想化を管理し、Windows Server 2012 の新機能である論理スイッチを制御するための専用の新しいウィンドウがあります。この新しいウィンドウにより、各ホストでスイッチの設定を個別に手動で定義するのではなく、Hyper-V スイッチの一元管理された設定を定義できます (これは VMware の分散スイッチのしくみと似ています)。
VMM 2012 SP1 のもう 1 つの新機能は、アドインを使用して VMM コンソールを拡張する機能です。この機能は、VMM を仮想化データセンター管理の総合的な場所として、さらに強化します。
サービス ストレージ
VMM 2008 R2 と VMM 2012 のもう 1 つの違いは、VM の基盤となるストレージを管理する機能です。VMM 2012 は記憶域ネットワーク (SAN) と統合して、各 VM の VHD ストレージの真のエンド ツー エンドの管理を実現しています。この統合を実現するソフトウェア スタックは、Storage Management Initiative - Specification (SMI-S) に依存しています。SMI-S は VMM 2012 のために作成されており、Windows Storage Management API (SMAPI) として Windows Server 2012 に移行されています。Windows Server 2012 自体も、これまでできなかった方法で SAN ストレージ (iSCSI およびファイバー チャネルの両方) と統合できるようになります。
この機能は、SAN ベンダーが独自に提供する管理ツールの代替機能ではありません。Windows Server 2012 で実行するワークロードで共有ストレージを効率よく、かつ自動的に使用できるようにする手段です。VMM 2012 は、以前のバージョンの仮想ディスク サービス (VDS) との互換性を維持していましたが、VMM 2012 SP1 では、このインターフェイスを廃止し SMI-S を使用します。古い VDS ドライバーに依存する既存の SAN がある場合は、アップグレードの計画時に、この変更点を考慮します。
既定では、VMM 2012 は、SAN が提供するデータを 24 時間に 1 回更新します。LUN と他のストレージの機能は、コンソール経由の場合も含めて、一般に VMM の外部で管理されるため、このデータは古くなっている可能性があります。こうした理由で、更新頻度を上げることができます。
更新頻度を上げると、一部の SAN に不要な負荷がかかるため、VMM 2012 SP1 では通知の概念が導入されています。通知により、SAN と VMM では、変更がいつ行われたかを把握できます。そのため、既定の更新間隔で問題なく機能します。
VMM 2012 SP1 では、iSCSI とファイバー チャネルの SAN に加え、シリアル接続 SCSI (SAS) 接続型のストレージ アレイもサポートされます。これらは小規模な環境で一般的に使用されています。TechNet ライブラリの記事「ストレージの構成の概要 (英語)」を参照して、サポートされている SAN の一覧を確認してください。Dell EqualLogic PS シリーズの iSCSI SAN は、動的なターゲットを使用しており、以前は VMM 2012 と連動しませんでした。VMM 2012 SP1 のリリースでは、この問題が解決されています。
Windows Server 2012 の Hyper-V で大規模なワークロードの仮想化がサポートされていることは、新しい Hyper-V の目的の 1 つです。最大 64 TB の仮想ディスクをサポートする新しい VHDX 仮想ハード ディスク形式は、このソリューションの構成要素です。また、VHDX は、信頼性を強化し、マイクロソフト製およびサードパーティ製のユーティリティがディスク ファイルに管理情報を書き込めるようにします。
Windows Server 2012 の Hyper-V のもう 1 つの優れた点は、サーバー メッセージ ブロック (SMB) 3.0 のファイル共有から VM を実行できることです。これは、以前はできなかったことですが、VMM 2012 SP1 リリースではサポートされています。ただし、VHD を格納する共有があるファイル サーバーの役割を兼任する Hyper-V ホストの使用は、サポートされません。
VMM 2012 では、I/O の特性に基づきストレージを分類できます (図 5 参照)。たとえば、ブロンズは古い SAN の比較的遅い SATA ドライブ、シルバーは新しいアレイの SAS ドライブ、およびゴールドはソリッドステート ドライブ ストレージと分類できます。これは、分類に応じて負荷を調整するのに役立ちます。この分類は、SMB 3.0 ファイル共有ストレージにも適用できます。
図 5 異なるストレージ品質のレベルを設定して、VMM 2012 SP1 の全領域で分類を使用できる
インテリジェント配置は、1 から 5 までの範囲でホストに最適な配置場所を評価するアルゴリズムですが、定義したストレージの分類も考慮されるようになりました。VMM 2012 SP1 のクラウドでは、VM が特定の分類のストレージにのみ展開されるように範囲を設定できます。
SAN 統合がうまくいくと、コピー機能を使って VM を SAN にすばやく直接プロビジョニングできます。これにより、大きな VHD ファイルや VHDX ファイルをネットワーク経由で転送する必要がなくなります。VMM 2012 では、この機能を SAN コピー可能テンプレートで提供していますが、各 LUN では VM は 1 台に制限されています。Windows Server 2012 では、SAN でオフロードされたデータの転送 (ODX) がサポートされるので、1 つの LUN で複数の VM をすばやく作成できるようになりました。
新しい Hyper-V のもう 1 つのすばらしい利点は、組み込みのライブ ストレージ移行です。クラスターの共有ストレージに VHD ファイルが格納されているときには、VM の実行状態を 1 つのホストから別のホストに移行します (これは Windows 2008 R2 の Hyper-V と同様です)。実行中の VM は、接続状態を問わず、基盤となるハード ドライブ ファイルと一緒に 1 つのホストから別のホストに移行することもできます。
共有ストレージは必ず必要というわけではありません。実際、必要なのはクラスター内、クラスター間、またはクラスターの内外で移行を可能にするネットワーク接続だけです。スタンドアロン ホスト間で移行することもできます。VMM 2012 SP1 は、Windows Server 2012 の Hyper-V ホストで、これらすべての組み合わせをサポートします。
ファブリックの問題のトラブルシューティング
VMM 2012 で一般的なトラブルシューティングに役立つ 2 つの重要なツールがあります。Virtual Machine Manager 構成アナライザーでは、VMM サーバーの役割を実行するサーバーとホスト サーバーをスキャンできます。このツールでは、サーバーの構成を一連の規則と比較し、特定のセットアップが最適でない場合に通知します。
詳細なシステムの状態と構成に関する情報を収集するには、Microsoft Product Support Reporting Tool が最良のツールです。このツールでは、検討中の特定のシナリオを考慮します。変換を実行する前に、物理-バーチャル ソース コンピューターもスキャンできます。VMM で VM をインポートまたはエクスポートする必要があるシナリオでは、Open Virtualization Format という新しい Windows PowerShell プラグインも使用できます。
運用環境の VMM 2012 展開では、インフラストラクチャの状態と VMM 2012 データベースの同期が取れていないという問題がありました。この問題は、VMM 2012 ツールの代わりに Hyper-V マネージャーまたはクラスター マネージャーを使用してデータを変更することに起因している可能性があります。2012 年 6 月にリリースされた VM 回復ツールは、これらの問題を解決するのに役立ちますが、製品の構成要素としてサポートされるのが望ましいでしょう。
高可用性
VMM 2012 では、サーバー仮想化インフラストラクチャ全体を管理して調整するため、VMM 2012 は常に使用できる状態であることが重要です。VMM 2012 SP1 では、アクティブ/パッシブ クラスターの構成に VMM 2012 SP1 サーバーを単純に追加するという考え方が導入されています。クラスタリングされた SQL Server のバックエンド データベースと VMM ライブラリの共有を格納するファイル サーバー クラスターと併用することで、より高い回復性を備えた管理インフラストラクチャを提供するのに役立ちます。
全体として、VMM 2012 SP1 は、仮想化インフラストラクチャを管理するための非常に高機能なプラットフォームです。このリリースでは、いくつかの本当に役立つ改良点が施されました。VMM 2012 SP1 (および System Center 2012 SP1 の他のコンポーネント) を Windows Server 2012 の Hyper-V と共に展開すると、高機能で柔軟性のあるプライベート クラウド プラットフォームが利用できるようになります。
Paul Schnackenburg は、286 コンピューターの時代から IT 業界で働いています。オーストラリアのサンシャイン コーストで自分の会社である Expert IT Solutions を経営しながら、パートタイムで IT 関連の講師を務めています。MCSE、MCT、MCTS、および MCITP という認定資格を持ち、Windows Server、Hyper-V、および Exchange Server のビジネス向けソリューションを専門としています。連絡先は [email protected] (英語のみ) です。彼のブログは TellITasITis.com.au (英語) でご覧になれます。