エンタープライズ企業における Windows 10 導入と WaaS 適用の要点
[New! 2017/01/16 追記]
本 blog をわかりやすくマンガ化した内容が MSBC (Microsoft Business Connection) のサイトで公開されました。先に公開された ppt 版と併せ、同じ内容を以下の 3 通りの方法でご紹介する形になっています。マンガ → ppt → blog の順にとっつきやすくなっていると思いますので、まず最初に読む際にはマンガを読んでいただき、そこから ppt, blog を適宜参照していただくと素早く理解していただけると思います。ぜひご活用ください。
- マンガ版 : 「WaaS モデルの要点」を Q&A でバシッと押さえる!(※ p.10 の FU 更新サイクルのスライドは情報が古くなっているため、こちらの PDF を併用してご確認ください。)
- ppt 版 : 大企業向け Windows 10 導入の際の WaaS 適用のポイント
- blog 版 : エンタープライズ企業における Windows 10 導入と WaaS 適用の要点(本 blog)
[New! 2016/09/27 追記]
WaaS に関する解説資料が TechNet 上にも掲載されました(英語のみ)。FU/SU 配信を WUfB, WSUS, SCCM で行う場合の具体的な設定方法が記載されていますので、必要に応じてご参照ください。
[New! 2017/05/24 追記]
Creators Update から FU の更新サイクルが 6 ヶ月に固定されました。上記 ppt や本 blog でご紹介している基本的な考え方は特に変わりませんが、更新サイクルの図に関しては更新版があった方がわかりやすいため、作成しました。こちらにアップロードしてありますので、上記資料と併せてご確認・ご利用ください。
[New! 2017/08/29 追記]
FU の更新サイクルが 6 ヶ月に固定されたことから、7 月末頃に CB/CBB/LTSB の名称が以下のように変更されました。概念的には特に変わっていないため、こちらの Web の情報も特に更新は行いませんが、以下のように読み替えていただければと思います。
- Insider Preview → Insider Preview
- CB (Current Branch) → Semi-Annual Channel (Targeted)
- CBB (Current Branch for Business → Semi-Annual Channel
- LTSB (Long-term Servicing Branch) → LTSC (Long-term Servicing Channel)
なお、このわかりにくい名称変更の背景には、Office 365 ProPlus のリリーススケジュールとの統一化があります(名称や配信タイミングが Windows 10 と Office 365 ProPlus で統一化される)。詳細はこちらに情報がありますので、ご確認いただければと思います。
先日の blog エントリでは ASP.NET Core 1.0 でのアプリ開発の話を書きましたが、ここ最近のマイブームは Windows 10 UWP アプリの開発。UWP はスマホ/PC 両用アプリが簡単に開発できる神テクノロジなのですが、一方で私が担当しているような大企業の場合、Windows 10 の導入はまだまだ進んでおらず、UWP アプリを作るより手前の状態でひっかかってるのが実態だったりします。これは、日本企業のほとんどはハードウェアの機器更改に併せて OS をバージョンアップしていくからなのですが、一方で、そろそろ Windows 7 のサポート切れを見越して Windows 10 へ移行するための検討を始めよう、というお客様が昨年末から増えてきているのも事実です。
ところが困ったことに、Windows 10 に関する企業向け情報としてまとまったものが少なく、例えば以下のようなことがわからない、というご質問をお客様からよく受けます。また、話をよくよく聞いてみると、Windows 10 や WaaS のことをかなり誤解されているというケースも少なくありません。
- IP/CB/CBB/LTSB の違い
- FU/SU の違い
- Windows 10 時代におけるアプリ互換性検証の考え方・やり方(半年に一回の再テストは無理!という話;)
実はこうした問題を踏まえて、米国本社の方で Windows 10 WaaS への移行に関する各種ドキュメントを作っているらしいのですが、そんなの待ってられないよ!とか、いや正直英語なんでわかりにくいよ!とか、いろいろあると思います。また、Windows 10 の WaaS はインフラ担当だけでなくアプリ担当にとっても非常に重大な意味を持つため、開発者も開発の視点で Windows 10 WaaS を正しく理解しておくことは極めて重要です。 このため、私なりに Windows 10 について整理してみたいと思います。
なお、主にエンタープライズ系の大企業を想定して書いているので、中小規模のお客様にはそのまま適用できない部分もあるかと思いますし、今後、Windows のバージョンアップで情報が変わっていく部分もあると思います。……が、基本的な考え方や仕組みの部分については参考になる部分も多いと思います。比較的膨大な情報になっていますので、(できれば全部読んでいただきたいですが^^)興味のある部分だけをかいつまんで読んでみていただいても有益な部分は多いのではないかと思います。
Agenda は以下の通りです。
- Part 1. Windows 10 の導入と WaaS モデルへの対応
- Part 2. 代表的な Windows 10 導入の目的
- Part 3. WaaS の正しい理解
- Part 4. Windows 10 導入時の検討の流れ
- Part 5. Windows 10 導入時に考え方・やり方を変えるべきポイント - アプリ編 ① ② ③ ④
- Part 6. Windows 10 導入時に考え方・やり方を変えるべきポイント - インフラ編
- Part 7. Windows OS の変更ログの入手方法
Windows 10 WaaS は、正しく理解すれば決して怖がるようなものではありません。エントリに関しては、ぜひお気軽に、周囲のお困りの方に拡散していただければ嬉しいです。これらの情報が、日本の IT Pro とデベロッパーの皆様のお役に立つことを願っています。
[Special Thanks]
一連の blog エントリ作成にあたっては、援護射撃も含め、社内の非常に多くの皆様からご協力をいただきました。全員のお名前を挙げきれないのですが、この場を借りて深くお礼申し上げます。ありがとうございました。m(_ _)m
- Enterprise Services 坂巻さん、中里さん、森さん、横谷さん、小川さん、丸尾さん、田中さん、秋山さん
- Client BG 浅田さん、石田さん、上田さん、Michael Niehaus さん
- Windows R&D 渡辺さん
- EPG 吉田さん、平野さん、南部さん、鈴木さん、青木さん
(なんかめっちゃ漏れてそうな気がするので、適宜追記していきます....;)