失礼以前に「了解」と「承知」は意味が違うじゃん?

はてなブックマークで盛り上がっていた「了解は失礼」談義が、NHKニュースで取り上げられていてびっくり。NHKによると、了解を目上の人に使うのは失礼に当たる、という価値観はここ10年くらいに広まったのではないかと推測されています。ビジネスで電子メールを使用し始めた頃から「了解」を軽い表現に受け取る人が増え、その結果「了解は失礼」であるというマナーが生まれたのでしょう。

個人的には、「了解」と「承知」は意味が違うのだから、失礼とは関係なしに使い分けるべきだと考えます。
iPhoneのスーパー大辞林((第三版を元に増補されている))で「了解」と「承知」を引用したものが以下。

  • 了解
    1. 事情を思いやって納得すること。理解すること。のみこむこと。了承。領解。領会。「事情を━する」「━できない」
    2. 無線などの通信で,通信内容を受け取ったことを表す語。
  • 承知
    1. 知っていること。わかっていること。「いきさつは━しております」
    2. 聞き入れること。承諾すること。「解約の件は━できない」
    3. 許すこと。多く否定の形で「許さない」「勘弁しない」の意を表す。

無線や軍隊での「了解」は、相手の依頼に対して「聞こえています。理解しています」という意味でしょう。メールの場合も同様に相手の依頼に対して「理解しました」と伝える言葉でしょう。
承知も了解同様に「理解した」ことを伝える言葉ですが、承知の場合は相手の依頼を「承諾した」というニュアンスが加味されるのではないでしょうか。議事録などでは「承知」と書かれますが、これは「承諾」の意味でしょう。

命令を下す上司と、それを受ける部下という関係の場合、上司の命令は絶対ですから「理解しました」という意味での「了解」では不十分であり、「理解し、承諾しました」というニュアンスを含む「承知」でなければならない、という話なら個人的には納得できるかなと感じました。「了解が失礼」という話に持って行くから、ややこしくなるのかなと。
また、「了解は失礼で承知をつかうべき」とは言うものの「承知しました」よりも「承知致しました」の方が丁寧でしょうけど。

ちなみに、より丁寧な言い回しとしては「拝承」があり、日立系の会社ではよく使われるそうです。ただ、「失礼」が軽いのに対して「拝承」は少々重いかなぁという感じもします。