Kyoko Shimbun 2015.12.10 News

違法同人誌販売容疑 闇コミケを摘発 東京 これは嘘ニュースです

いきなり雰囲気の変わった『侵略!イカ娘』8巻
 警視庁は9日、刑罰に触れる性犯罪や暴力行為を助長する違法同人誌を販売したとして、「青少年の健全な育成に関する条例」違反の容疑で、違法同人誌即売会(闇コミケ)を摘発。主催者の大塚斗司夫容疑者(46)ほか、販売・購入に関わった若者ら78人を同容疑の現行犯として逮捕した。同容疑での逮捕者は2015年度だけで800人以上にのぼっている。

 調べによると、大塚容疑者らは都内の小規模なイベントホールで闇コミケを開催。出展者を募り、ホール内で違法同人誌の売買を行わせたという。


 売買された同人誌には、婚姻を禁止されている近親者や同性間でのキスなどの性的描写や、天下一を決める格闘大会を舞台にした暴力行為など、条例に違反する反社会的な行為が描かれていた。

 2010年末、東京都議会は「青少年健全育成条例改正案」を可決。「石原都政の最後っ屁」として話題になった。翌11年8月に行われた同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」で、会場を巡回していた都職員と私服警官が同条例違反に該当する漫画を販売していた参加者4人を現行犯逮捕したことをきっかけに、コミケの参加者は激減。一時は50万人以上が来場するほどまで成長したが、12年以降、販売する同人誌は都の認可を受けた健全な作品のみに限るという取り決めができたため、15年には1万人規模にまで縮小していた。

 その一方で、条例に触れる可能性のある漫画を売買する小規模な即売会「闇コミケ」が増加。違法同人誌は法の目をかいくぐるかたちで流通するようになった。これら違法漫画には同性間、姉弟間の禁断の恋愛や、不良高校生の飲酒喫煙、暴力行為が描かれており、青少年の育成に害を与えるとして、都と警視庁は摘発に力を入れている。

 だが、今年15年だけでも同条例違反での逮捕者は800人を越えており、減少の様子はうかがえない。警視庁も摘発のため多くの人員を割いている。また条例の可決によって性犯罪が減少したという事実もなく、「これなら行政が規制するより、業界団体による自主規制に任せておけばよかったのではないか」との声も大きい。しかし一度可決した条例を廃止するのは難しく、もはやこの条例によって誰が得をしたのか全く分からない状況だ。

 漫画産業に詳しい京都大学経済学部の坂本義太夫教授は「条例に抵触せず楽しめる漫画は、もう『侵略!イカ娘』しか残っていないのが現状。あれほど『オチが落ちてない』と毎週毎週バカにされてきた作品が、今や漫画界に残された最後の希望になっているのは何ともやりきれない気分でゲソ」と話した。

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