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2022年の平均寿命・平均余命・生存割合


2023年7月28日(金)に令和4年(2022年)の簡易生命表が厚生労働省より発表されました。

230811_01

多く報道されるのは「平均寿命」です。0歳で生まれた赤ちゃんが平均して何年生きるのかをデータ化したものが平均寿命であり、言い替えると平均寿命とは0歳における「平均余命」です。

平均寿命
女性 87.09歳
男性 81.05歳

令和3年(2021年)に比べて、
・女性 -0.48歳(5~6ヶ月)
・男性 -0.42歳(5ヶ月)
前年に引き続きのマイナスですが、2020年→2021年では2ヶ月のマイナスでした。今回は5ヶ月を超えるマイナスです。大きいです。


「死因別死亡確率の推移」も資料があります。
死亡確率が90歳で伸びているのは(微増)不慮の事故・自殺(自死)・肝疾患・糖尿病・高血圧性疾患・老衰、そして大きく伸びているのは新型コロナウイルスです。
特に大きく減ってるのは肺炎とがんで、心疾患と脳血管疾患も減っています。
コロナ禍の続くなか、肺炎は一貫して減ってるのに新型コロナウイルスは増えてる怖さ。改めて厄介な感染症です。


死因別死亡確率(上位のみ)

■0歳
【1】26.30% がん
【2】14.28% 心疾患
【3】 7.45% 老衰(自然死)
【4】 6.55% 脳血管疾患 
【5】 5.64% 肺炎
【6】 3.28% 新型コロナ(前年1.27%)
【7】 3.08% 不慮の事故(交通事故を含む)
【8】 2.09% 腎不全
【9】 1.80% 自殺(自死)
【10】1.76% 慢性閉塞性肺疾患

■65歳
【1】26.16% がん
【2】14.31% 心疾患
【3】 8.31% 老衰(自然死)
【4】 6.48% 脳血管疾患 
【5】 6.13% 肺炎
【6】 3.50% 新型コロナ(前年1.21%)
【7】 2.88% 不慮の事故(交通事故を含む)
【8】 2.24% 腎不全
【9】 1.93% 慢性閉塞性肺疾患
【10】0.53% 自殺(自死)

■90歳
【1】17.91% 老衰(自然死)
【2】15.94% 心疾患
【3】14.43% がん
【4】 8.09% 肺炎 
【5】 5.67% 脳血管疾患
【6】 4.45% 新型コロナ(前年1.01%)
【7】 2.75% 不慮の事故(交通事故を含む)
【8】 2.67% 腎不全
【9】 1.83% 慢性閉塞性肺疾患
【10】0.85% 大動脈瘤および解離

がん死の割合はどんどん減っています。それに比べて新型コロナは驚く増え方です。
ちなみに0歳の老衰とは乳幼児突然死症候群(SIDS)などが含まれるようです。

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「平均余命」を見てみましょう。

■女性・60歳
 2018年 29.04 → 89歳0ヶ月
 2019年 29.17 → 89歳2ヶ月 0.45%増
 2020年 29.46 → 89歳6ヶ月 1.00%増
 2021年 29.28 → 89歳3ヶ月 0.61%減
 2022年 28.84 → 88歳10ヶ月 1.50%減

■女性・70歳
 2018年 20.10 → 90歳1ヶ月
 2019年 20.21 → 90歳3ヶ月 0.55%増
 2020年 20.49 → 90歳6ヶ月 1.39%増
 2021年 20.31 → 90歳4ヶ月 0.88%減
 2022年 19.89 → 89歳11ヶ月 2.07%減

■女性・80歳
 2018年 11.91 → 91歳11ヶ月
 2019年 12.01 → 92歳0ヶ月 0.84%増
 2020年 12.28 → 92歳3ヶ月 2.25%増
 2021年 12.12 → 92歳1ヶ月 1.30%減
 2022年 11.74 → 91歳9ヶ月 3.14%減

■女性・90歳
 2018年  5.66 → 95歳8ヶ月
 2019年  5.71 → 95歳9ヶ月 0.88%増
 2020年  5.92 → 95歳11ヶ月 3.68%増
 2021年  5.75 → 95歳9ヶ月 2.87%減
 2022年  5.47 → 95歳6ヶ月 4.87%減


■男性・60歳
 2018年 23.84 → 83歳10ヶ月
 2019年 23.97 → 84歳0ヶ月 0.55%増
 2020年 24.21 → 84歳3ヶ月 1.00%増
 2021年 24.02 → 84歳0ヶ月 0.79%減
 2022年 23.59 → 83歳7ヶ月 1.79%減

■男性・70歳
 2018年 15.84 → 85歳10ヶ月
 2019年 15.96 → 86歳0ヶ月 0.76%増
 2020年 16.18 → 86歳2ヶ月 1.38%増
 2021年 15.96 → 86歳0ヶ月 1.36%減
 2022年 15.56 → 85歳7ヶ月 2.51%減

■男性・80歳
 2018年  9.06 → 89歳1ヶ月
 2019年  9.18 → 89歳2ヶ月 1.32%増
 2020年  9.42 → 89歳5ヶ月 2.61%増
 2021年  9.22 → 89歳3ヶ月 2.12%減
 2022年  8.89 → 88歳11ヶ月 3.58%減

■男性・90歳
 2018年  4.33 → 94歳4ヶ月
 2019年  4.41 → 94歳5ヶ月 1.85%増
 2020年  4.59 → 94歳7ヶ月 4.08%増
 2021年  4.38 → 94歳5ヶ月 4.58%減
 2022年  4.14 → 94歳2ヶ月 5.48%減


おわかりいただけますでしょうか。2020年は感染対策により大幅な平均余命増がありました。
2021年は減少し、2022年は大きく減少しました。いずれも5年以上前の数値に戻ってしまったと言えそうです。

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平均寿命では女性と男性で6.04歳差(2021年と2020年は6.10歳差、2019年6.04歳差、2018年6.07歳差)がありますが、次のように平均余命の差はどんどん縮まります。
・60歳 5.24歳差(5.26歳差・5.25歳差・5.20歳差)
・70歳 4.33歳差(4.35歳差・4.31歳差・4.25歳差)
・80歳 2.85歳差(2.90歳差・2.86歳差・2.83歳差)
・90歳 1.33歳差(1.37歳差・1.33歳差・1.30歳差)

「長生きをすればするほどに男性も女性と同じように長生きする」と読み取れます。

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「生存割合」を見てみましょう。

女性
・60歳 96.044(96.167・96.163・96.145)
・70歳 91.874(92.156・92.183・92.057)
・80歳 81.186(81.947・82.156・81.836)
・90歳 49.824(51.963・52.482・51.123)
・95歳 24.972(27.141・28.349・26.693)
・100歳 6.116( 7.510・ 8.544・ 7.373)

男性
・60歳 93.202(93.275・93.248・93.233)
・70歳 83.963(84.309・84.257・84.071)
・80歳 62.926(64.183・64.567・64.189)
・90歳 25.542(27.546・28.363・27.177)
・95歳  8.728(10.138・11.125・10.118)
・100歳 1.297( 1.818・ 2.297・ 1.859)

これも同じくカッコ内は2021年・2020年・2019年です。
いずれも短くなりました。

「女性の2人に1人以上が90歳を超えて生きるんです」と、この数年取り上げていましたが、割ってしまいました。

2分の1になるのは女性が89~90歳、男性が83~84歳。
10分の1になるのは女性が98~99歳、男性が94~95歳。
各1歳ずつ早まりました。

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生存割合の数値を逆から読み取ってみます。

・100人に1人がいなくなる
  女性38~39歳 男性31~32歳
・10人に1人がいなくなる
  女性72~73歳 男性64~65歳
・2人に1人がいなくなる
  女性89~90歳 男性83~84歳
・10人に1人になる
  女性98~99歳 男性94~95歳
・100人に1人になる
  女性103~104歳 男性100~101歳

基本的に各1歳ずつ早まりましたが、男性の右上2区分は変わりませんでした。


これを確率で読み替えてみます。

女性
40歳までに亡くなってしまう=100歳を超えて生きる
70歳すぎまでに亡くなってしまう=90歳代後半まで生きる

男性
30歳すぎまでに亡くなってしまう=100歳超えて生きる
65歳までに亡くなってしまう=95歳くらいまで生きる

このように言えます。

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将来の不安をあおる目的ではなく、将来のことばかりをいつも考えておく必要もなく、でも一度はさまざまに考えておきたいものだと専門家の端くれとして思う日々です。

センセーショナルに報じられる話題に惑わされることなく適切に数字を知り、自分や家族のことに当てはめて考えることが大事だと思いますし、そのお手伝いをしていくのが京極・出町FP相談の役割だと考えています。


<過去参照記事>
2021年の平均寿命・平均余命・生存割合
2020年の平均寿命・平均余命・生存割合



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