「ファイナルファンタジー11」のプロデューサーが松井聡彦氏から藤戸洋司氏に交代 はてなブックマーク - 「ファイナルファンタジー11」のプロデューサーが松井聡彦氏から藤戸洋司氏に交代

スクウェア・エニックスは3月22日、MMORPG「ファイナルファンタジーXI」のプロデューサー交代を発表した

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2012年8月1日からFF11のプロデューサーを努めてきた松井聡彦氏に代わり、藤戸洋司氏が新プロデューサーに就任した。

冒険者の皆さん、こんにちは。
松井です。

昨年は「ファイナルファンタジーXI」の20周年を大いに盛り上げていただきありがとうございます。準備にかけた苦労も報われた思いです。

実は、準備期間中も、「その後」について思案を巡らせていました。私は定年まではプロデューサーを続ける覚悟でおりましたが、その先はどうなるだろうと考えておりました。その折、藤戸よりその役目を引き受けたいと申し出があったのです。昨年はこの20年を振り返ることが多くあり、自分がプロデューサーを引き継いだのがちょうど10年前であったことと、この藤戸の申し出に何か符牒のようなものを感じました。

20周年を迎える3年前に、皆さんに3か年計画をお伝えしたことを覚えていますでしょうか? 20周年で終わってしまうのかというように受け止められることが怖かったのですが、あと3年は続くという好意的な意見の方が多く驚いた記憶があります。また、FFXIは黒字なのかを気にされるコメントも多くありました。運営が終了してしまうということを一番に恐れているのだと実感しました。

振り返ってみると自分の10年間は、「FFXI」を存続させることに重きを置きすぎて、かなり保守的だったのではと反省しています。その中で、「今後のことを考えたら、新規インストーラーやチャットフィルターなど攻めた改良をするべきではないか」と提案したのが藤戸でした。このあとを任せるにふさわしい人であることはそのことをとってみても明らか、何より自分の意志で引き受けると申し出てくれたことが、安心して藤戸にプロデューサーを、ヴァナ・ディールをお任せしようと決めた理由でした。

この区切りに感謝をお伝えしたい人は沢山いるのですが、今までも折に触れては申していますのでなるべく簡潔にいたします。

私がプロデューサーになった頃は、「アドゥリンの魔境」ローンチ前でした。職人と呼ぶにふさわしいメンバーが久しぶりの拡張ディスクのため全力で作業をしている姿を覚えています。チーム縮小の折、すべての想いをこめた「ヴァナ・ディールの星唄」は、その制作風景も含めて素晴らしい記憶です。ありがとうございました。

その後「FFXI」チームに残ってくれた皆さん。なるべく少人数で「FFXI」のすべての作業をカバーするという基準で選んだため、本当に誰一人と欠けてはならない存在でした。コロナ禍という予想もしなかったトラブルもありました。それでも、常にベストなパフォーマンスでここまで続けてきたことは皆さんの力です。

かつて同僚として、開発、運営や支援に携わってくださった皆さん。20周年を振り返ってみると、皆さんが残してくださった膨大な資産に助けられて今があることを痛感いたします。また、弊社のスタッフではないにも関わらず、業務の枠を超えて「FFXI」をサポートしてくださった皆さんにも感謝を。本当にありがとうございました。皆さんのご活躍と発展をお祈りいたします。

そして、冒険者の皆さん。この20年、「FFXI」を支えてくださってありがとうございます。直接いただいた叱咤激励も開発にとっては宝でしたし、ヴァナ・ディールを織りなす登場人物としてさまざまな物語を紡いでくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。これが、他のゲームとは違う魅力を生み出している魔法の源なのだと。そして、私は、皆さんの紡ぎだす物語を拝聴することが何より大好きです。今後も「FFXI」を支えていきますので、皆さんも引き続き数多の物語を紡ぎ続けていただければ幸いです。

松井聡彦




冒険者の皆さん、こんにちは。フジトです。

この度「ファイナルファンタジーXI」のプロデューサーという大役を拝命いたしました。
昨年から「もぎたてヴァナ・ディール」をご覧になっている方でしたら、なんらかの予感をお持ちになられていたかもしれませんが、そうでない方は驚かれたかと思います。

初代プロデューサーである田中弘道氏、そして松井聡彦という「FFXI」の立役者でかつ、「ファイナルファンタジー」シリーズへの貢献も大きなおふたりの後ですので、非常に強いプレッシャーを感じますが、精いっぱい力を尽くします。

どうぞよろしくお願いします。

交代の経緯につきましては、松井のコメントに集約されておりますため、自身からは今後の展望についてコメントいたします。

まずは開発体制についてです。
現在、スタッフのほとんどが、長期間、開発チームに在籍してくれています。しかし、彼らの今後のキャリアを考えた場合、このまま「FFXI」だけに在籍し続けることで機会を失う部分があります。新たなテクノロジーに接し、成果物が製品になって出荷されていく様は製作者として大きなモチベーションになりますし、成長の機会にもなります。そのため、20年前のテクノロジーで運用を続けている「FFXI」だけに注力するよりも、別の開発現場でもいろいろなものを経験してもらい、それを「FFXI」の開発に還元してもらえるようにする方が望ましいと考えています。

その一環として開発のサイズ感をもう一回り小さくし、引き続き運営が継続できるようにチームをリサイズいたします。バージョンアップの内容もかなりコンパクトになってまいりますが、その分、中長期の運営に耐える環境を整備してまいります。

少し具体的な話をしましょう。

2023年に計画が確定している内容としては
・アンバスケードの更新
・プライムウェポン強化
・マスタートライアル
を具体的なコンテンツとして提供する予定になっております。

幸い開発・運営の中核戦力となるメンバーが引き続き力を貸してくれることになっておりますので、皆さんがこれまでと変わりなくヴァナ・ディールでの冒険や生活を送れるように制作を進めてまいります。

さらに今後も安定して「ファイナルファンタジーXI」を運用するにあたりバックエンドとなるゲームサーバーのリプレイスも実施いたします。バージョンアップのタイミングで長時間のメンテナンス時間をいただくことも発生すると思われますので、その際は運用環境の更新に必須ということでご容赦ください。

また現実世界でのイベント実施、あらたなグッズ展開が引き続きできないか……を模索しています。ここ数年続いたコロナ禍のために、立案そのものが難しかったリアル系企画ですが、情勢を見つつ前向きに検討を進めてまいります。

このように、「ファイナルファンタジーXI」を安心して過ごせる場として、そして皆さんと繋がれるタイトルとして盛り上げていく所存ですので、どうぞ引き続きお楽しみください。

さて、それでもトップの交代となりますと、どうしても「ファイナルファンタジーXI」の未来について不安はぬぐい切れないと思います。後日「もぎたてヴァナ・ディール」を放送いたしますので、この際に気になることなどをフォーラムにお寄せいただければ、変わることや先の事と合わせて可能な範囲でお話させていただこうと思います。欧米の方には4月バージョンアップの「FFXI Digest」にてお話させていただきますので、そちらをご確認ください。

長くなりましたが、以上をもってプロデューサー拝命のご挨拶とさせていただきます。冒険者の皆さん、今後とも「ファイナルファンタジーXI」をどうぞよろしくお願いします。

藤戸洋司



ファイナルファンタジーXI プロデューサー交代のお知らせ (2023/03/22)
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「ゲームの技術は日進月歩で長く一つのゲームの開発だけ続けていると先端の技術から置いてかれてしまう
 昔遊んでいたMMOのスタッフと話したことがあるが、そのゲームに骨を埋めるつもりで続けてくれていた」
みたいな話を昔吉田もしてたっけ

プレイヤーとしては熟練のスタッフが開発してくれた方が安心だけど
開発スタッフ一人一人にキャリアや人生があるもんなあ・・・

  • 2023/03/25 (Sat) 00:04
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