知らないと損する英語の速読方法(3)

ここ2日で当ブログの総計はてブ数が3〜4倍になりました。皆様どうもありがとうございます。そのお礼というわけでもありませんが、知らないと損する英語の速読方法(1)(以下第一弾)、同(2)(第二弾)に引き続き、第三弾を公開したいと思います。以下は、第一弾、第二段を前提に進めますので、さきにそれらのエントリを読まれてから読み進められることをオススメします。

「速い精読」から「速い速読」へ

前記シリーズ第一弾、第二弾で扱った速読方法は、Subvocalizingの排除、同時認識文字数の増加、文章構成法の理解等、精読の速度をあげるためのメソッドであったといえます。今回このエントリが扱うのは、狭義の速読、つまり、精読的理解度はさておき、高速で概要を理解するための読書法です。

Caution!

ただ、実践する前に知っておいて欲しいのは、以前の2エントリの分は参考図書があるのに対し、このエントリに記す方法は、ほぼ筆者の我流であるという点です。
あと、このエントリに挙げる方法では、原則指は使いませんのでご注意ください。
 

用意するもの

練習用に、自分の英語レベルより1ランク下の本。単語が理解できるレベルであるのが重要。
TOEIC500点からはラダーシリーズLEVEL4あるいはLEVEL5あたり、750点以上でナビつき洋書シリーズがオススメです。
タイマーもあると便利。
 

行を「つかむ」

この方法で最も重要なのは、「行(ぎょう)をつかむ」というテクニックです。もちろん、「つかむ」といっても文字通り素手でつかむのではなく、英文1行を「視線でつかむ」のです。
「つかみ方」は簡単。読みたい行の左から1/4程度の場所に左目の目線を、右から1/4程度の場所に右目の目線をあわせ、その後一瞬だけ行の中央を意識するだけです。これでゲームセンターにあるクレーンゲームの如く、1行ずつつかんでいくのです。1行当たりにかける時間は、最初は1秒で構いませんが、理想としては0.5秒以下を目指しましょう。エントリ第一弾に挙げた練習をある程度積んでいれば、もっと短い時間で「つかめる」はずです。
ここで重要なのは、

  • 特定の単語にフォーカスせず、行全体を視界に入れること、
  • 1行を1秒以下で読むため、Subvocalizingしないこと、
  • 行を「つかんだ」ら、すぐに次の行へ移ること、です。

そして早速、1行1行を「つかみ」ながら数ページ読んでみましょう。30行のページなら、1ページ15秒〜20秒のペースで進みましょう。私の場合、頭の中で「パッ」とか「タッ」のような短い効果音を、行ごとに小刻みに鳴らすことで、このプロセスがスムーズに出来る気がします。
 

「つかみ」エクササイズ

とはいえ、なかなか最初は「つかみ」も難しいもの。そんな人のために、「つかみ」練習用エクササイズを考案しました。やり方は以下のとおり。

  1. エントリ第一弾にある「指を使って読む」の方法で、区切りのいい場所(地点Aとする)から3分間読む。
  2. 読み終わった場所を地点Bとする。
  3. 地点Aに戻り、今度は指をかなり早く動かして地点Bまで1分で読む。理解度はそれほど高い必要は無い。復習をする感覚で読む。
  4. 地点Aに戻り、地点Bまで行を「つかみ」ながら読む。制限時間は1分。
  5. 再び地点Aに戻り、地点Bまで行を「つかみ」ながら読む。制限時間は1分。
  6. 地点Bから「つかみ」ながら1分間読む。このとき、A地点からB地点までの量より多く読めるように努力するのがポイント。

1回のエクササイズにつき10分とかからないので、「つかみ」ができるよう、1日3回ほど練習してみましょう。それでも30分です。慣れたら、ステップ4や5の制限時間を減らしてみるのもいいかもしれません。
 

マルチプルつかみ

1行ずつの「つかみ」に慣れたら、次は2行ずつ、3行ずつに挑戦してみましょう。2行だとダブル、3行だとトリプルなので、4行以上も考慮に入れ、ここではマルチプルつかみと呼ばせていただきます。実際、この程度の速さでないと、なかなか「速読」と呼べない気もするので、気合を入れて行きましょう。
1行ずつの「つかみ」ができることを前提としていますが、マルチプルつかみの練習方法は以下の通り。

  1. 読み始めの地点Aから、1行ずつの「つかみ」で読む。制限時間は2分間。
  2. 読み終わった場所を地点Bとする。
  3. 地点Aに戻り、2行ずつの「つかみ」で地点Bまで読む。制限時間は気にしない。
  4. 地点Aに戻り、3行ずつの「つかみ」で地点Bまで読む。制限時間は気にしない。
  5. 地点Bから、2行または3行ずつの「つかみ」で2分間読んでみる。

ここでのポイントは、

  • 段落の最初はしっかり、あとは確認程度に等、メリハリをつけて読む。詳しくは第二弾「文の構造を知る」参照。
  • 一気に三行読むというよりは、1行目→2行目→3行目と素早く目線を動かして、その後に全体を瞬時見るイメージで。
  • 3行ずつの「つかみ」に1行ずつの「つかみ」の3倍の時間をかけても意味が無いので、同じぐらいの時間で「つかむ」ようにする。

といったところでしょうか。
 

まとめ

唐突にまとめが来ることに定評のある「知ら損英語」のコーナーです。
このエントリで紹介した「つかみ」テクは、私が第一弾で紹介した「3-2-1-1法」等の上に積み上げる形で思いついた方法なので、第一弾で紹介した方法をある程度練習しておくことをオススメします。速読の天敵であるSubvocalizingを排除した上で文を理解するには、「3-2-1-1法」は非常に効果的な方法です。
そして、速度を上げた上で一定の理解を可能にするためには、文章構成法の知識が重要になってきますので、第二弾の知識も得ておく必要があるでしょう。
速読は「積み上げ」ていく練習でもあるのです。
 
知らないと損する英語の速読方法(4)はあるのだろうか? 続く?
 
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