ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

真冬こそ東京湾……春になる前に行く「ふなばし三番瀬海浜公園」の圧倒的魅力

冬のお出かけといえば、手堅く、博物館や温室のある植物園などに行く……わたしもそう思っていたのだが、晴れた日に行くシーズンオフの東京湾が素晴らしいことを発見し、すっかり魅了されたのでここに報告させていただきたい。
 
ある日、適当に東京湾の地図を見ていたら、地図上で見てもそんなによさそうには見えない地点に絶賛コメントがついていた。
海を満喫できるらしい。その場所は「ふなばし三番瀬海浜公園」である。写真を見る限り、潮干狩りの時期に行くと大変そうなので、冬がよさそうだ……つまり今。
東京ディズニーランドがある舞浜駅から3駅の二俣新町が最寄り駅である。車で行って近くの道路に違法駐車するのが流行のようだが、駅から徒歩だと30分。工業地帯をひたすら直進する感じが楽しいので、個人的にはあっという間だったが、二俣新町駅や船橋駅からバスも出ているようである。
 
駅を降りて東に歩き、信号をひとつ越えたらあとは南下するだけ。信号を越えないまま南下することも可能だが、風景が退屈なので越えておくことをおすすめする。

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落書きがお行儀よくて、進学校の不良ってこんな感じだったよなと思った。
進学校の不良はけっこうモテるので進学校在学中はイライラしていたが、最近は落ち着いている。
 
しかし、ゴミについてはちょっとひどい。

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最初は環境破壊を憂いたりもした。
……が、だんだんゴミを見るのが楽しくなってきくる。
昔のテレビなどがあると、ブブブブラウン管!!!と興奮してしまうのだった。

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テレビに名前が書いてあって、所有権を主張したいほど、かつては魅力的だったのだなぁと感慨にふけってしまう。
 
道路沿いの工場の多くは神戸製鋼関連で、グループの巨大さを感じることができる。
 

f:id:kokorosha:20200207191348j:plainまっすぐすぎて、来た道を振り返ると消失点みたいになっていて笑ってしまう。

 
このルート中で唯一拝めるザ・工場みたいなのは、「日本メラサイト工業」という、コンクリート用の骨材の会社。

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緑と高度に共存していて、これだけでも来てよかったという気分になる。
 
新港大橋は名前のとおりスケールの大きな橋であり、渡るだけで満足感がある。

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このへんで深呼吸すると、いかにも処理された水ですという匂いがする。

 

公園の隣はごみ焼却場で、ただいまアネックスみたいなのが建設中。

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手前がアネックスなのだが、最近は焼却施設にデザイン性みたいなのは不要と思っているのかしら……ぼくは要と思うけど……。
 
公園に到着して、ずんずん海に向かって歩くと、突然視界が開けてくる。

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想像以上のスケール感のある干潟が現れて感動……。
潮干狩りのシーズンに行くと、人が多くて窮屈に感じるはずだが、冬の、さらに午前中だと人がほとんどいない。
 

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あちこちに穴が開いていてアサリなどがいると思われる。
余命おそらく3ヶ月だが、春が来るまで胸いっぱいにプランクトンを吸引するがよい……。
というか、「東京湾」として想像していたよりずっと透明度が高くて戸惑った。
 

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波の跡がなんとも艶めかしい。潮干狩りシーズンだと、ちびっ子たちの足跡がびっしりつくから、きっと今だけの風景である。
 
打ち上げられたクラゲが多数。

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東京湾のもっとも奥の地域になるが、見晴らしは大変よい。

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「見晴らしがよい」の定義が「遠くに煙突やコンビナートが見えること」でごめんな……。湾内なので、おそらく見えて横須賀くらいまでかなと思うけれども、じゅうぶんなスケール感だと思う。


3階建ての展望スペースみたいなところからだと、富士山がよく見える。

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手前にあるのは葛西臨海公園の観覧車。
 
豪華客船みたいなのはないが、豪華積み荷船みたいなのは用意しております。

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部分的に沖縄のようになっているところもあり。

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なお、この上の廃品たちを遠くから見ると、「早く逃げて~」と言いたくなってしまう。

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冬、ここに来る意義は、上記のように、人が少ないこと、雲が少なくていい写真が撮れること……なのだが、もうひとつ重要な意義がある。越冬のために地味な鳥が大集合しているのである。

f:id:kokorosha:20200206202638j:plainオオバンたち。

波打ち際に集合してモリモリ何かを食べていたのだが、まったく何かわからず……。
 

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個人的には「ザ・工業地帯みたいなところでたくましく生きる鳥たち」的な構図が大好きである。

 
 公園の東の端には防波堤があり、絶好の鳥写真スポットになっている。
とくに沖の方には鳥たちがお行儀よく種類別に分かれて留まっていた。

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種類別に分かれる意味があんまりよくわかっていないのだけれど、お互い気に入らない鳥についての愚痴などを言ってスッキリしたりしているのだろうか……。
  
冬の鳥たちは概ねモコモコしていて愛くるしい。
ここにいる中でもっとも可愛らしいのはシロチドリ。(id:achakeymさん、ご指摘ありがとうございます!)

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シギ的なのは単体で見ても愛らしいのだが、集合していると最高である。

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風が吹いているとくちばしを隠すのだが、そこで純度100%のかわいい物体と化すのであった……。

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なお、すべての鳥が可愛らしいとは限らない。
ミヤコドリだけは、くちばしがあざといぐらいに大きくて赤いのでかわいらしさ控えめ。わりかし遠くから越冬のために来てくださっているようなのだが、すなおにwelcomeと言えない。

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くちばしを隠していると多少緩和された感じがあるが、黒っぽくて同じポーズをとっているとファシズムっぽさが醸成されもする。

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シギ的な存在がクラゲを食べていた。

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「食べ放題なのはいいが無だな……」と思ったのか、すぐ立ち去ってしまった。
中華料理のクラゲはおいしいと思うんだけれど、味付けをしていなかったら人類も同じ反応になるのかもしれない。
 

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公園内では、テイクアウトできる軽食の店がある。ケバブ・カレーの店があるのだが、対費用効果を考える集団のようで、冬季はクローズ中。軽食の店は土日祝は開いている。
 
どないしよかなと思って歩いていると、通行人にアピールしているのか、していないのかわからない店を発見。「レザミ」というお店である。

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この屋根、もしかして上空から見てもらうことを想定しているのかしら……だとしたら、すばらしい志である。
 

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「軽食の店で軽く食べない」という特殊な性癖を持っています。
ちなみにナポリタンはレンジでチンする感じではなく、ジュージュー焼いていた。ピザもナポリを想ったりすることはないが、幼き日に食べた味がして、満足度が高い。
ドリンクバーを頼んで、いろんなジュースを吸引した。
 
 
 
わたしはこの公園で3時間ほど過ごした。わかりやすく表現すると中年男性のためのディズニーランドである。
丸一日いられるところではないが、東京駅までは徒歩30分&電車30分なので、昼すぎまでいて、午後は都内で買い物などでもいいかもしれない。日差しを遮るものがないので、冬でも暖かさが感じられた。来年も行くと思う。
 
 
 
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