ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

最近はゲームセンターに不良がいなくて寂しい

動物園前駅(大阪)近くのアーケード街を少し歩いたところにある「今池コンパ」。別に面白いゲームがあるわけではないけれど、中学生の頃のゲームセンターの雰囲気があるから、つい入ってしまいます。中のライトが赤いのがいいムードです。しかし何で「コンパ」っていう店名?


思いきりオッサン語りで申し訳ないのですが、小学生の時、ドンキーコングのアップライト型(立ってプレイする)筐体のが最初のゲーム体験でした。当時のゲームに対するバッシングは今の「ゲーム脳」の比じゃなくて、ノーパン喫茶とゲームセンターが同等、つまり完全に風俗扱い。「小学生が風俗行くのはおかしいよね?」という言い方からすると、今の「ゲーム脳」は、まだ論理で説き伏せようとしている点が誠実だと思います。

ダイエーの入り口の証明写真の横に1台だけあって、まあ隣の市まで来たから先生に見つかってしばかれることはないだろう、しかもゲームセンターは不良の巣だけどダイエーの中ならOK、ということで、学校で一番の肥満児のWくんと交代で見張りをしつつプレイしたのですが、すぐ終わってしまいました。もう「自分がゲームをしている」という状況だけでいっぱいで、落ちてくるタルを避けるとか、そういう高級なことは不可能…ゲームの中のスリルより、ゲームをすることそれ自体のスリルにメロメロ…
その後、中学生になって、進学塾に行くようになり、その帰りにゲームセンターに行くようになってしまったのですが、もう不良の巣窟で…直接のカツアゲにはわりと背が高めだったせいか出会わなかったのですが、菊池桃子のブロマイドを法外な価格で売りつける不良が印象的でした。ぼくが狭いゲームセンターを逃げ回る様子は、まるでパックマン…(パワーエサは学歴。ケンカの弱いぼくも、これで社会的に成功をおさめ、大逆転なのです!)
また、別の日に友達に、「1プレイ20円の店がある」と聞いて、自転車で近鉄の瓢箪山駅の近くまで行ったのですが、立派なリーゼントをキメ、亀田兄弟のアゴをよりしゃくれさせた(あまりの恐ろしさにしゃくれて見えた可能性もありますが)中学生たちが、ワンカップ大関を飲みながらゼビウスをプレイング!20円には訳があった…あんまりにも恐ろしかったので、何もせずに開けたドアをそーっと閉めて帰りました。
昔は家庭用ゲームとゲームセンター用のゲームの性能差が歴然としていて、ゲームセンターのゲームは最先端のテクノロジーの塊に見えました。しかもそこを占領しているのは最強の不良たち。最新のテクノロジーに最強の暴力!すごい盛り上がり空間でした。しかしあれから四半世紀経って、今のゲームセンターは、家庭用とあまり見た目変わらないし、不良もいない。
ここで提案なのですが、不良がいたころを懐かしむオールドファンのために、歌舞伎町あたりにヤクザを配置したゲームセンターとかあれば人気が出るんじゃないでしょうか。菊池桃子のブロマイドだったらシャレで買ってしまうので、もっとハードルの高い…熟女デリヘルとかそういうのを強引にすすめてくるヤクザとかがいたら、盛り上がると思うんだけどなぁ…