絶倫ファクトリー

生産性が高い

SMAPはアイドルからIdolになった。

Idolというのは本来は「虚像・偶像」の意味である。アイドルはファンの前でいかなる状況であってもその期待に応えようとする。それは彼らが本質的には他者の欲望に応えるだけの虚像=Idolだからであり、その背後には本質的な存在=事務所がいるのだが、無論、普段はアイドルとファンとの間に結ばれた共犯関係によって、そうした事実は横に置かれている。

SMAPの会見が面白かったのは、彼らが最後まで徹底してIdolだったことだ。だからこそ、ファンはむしろその虚像の向こうに存在する本質的な存在=事務所の力を嫌というほど思い知らされた。

SMAPは何なら「アイドル辞めました」とかいって独立したほうが、カタカナのアイドル的には正しかったのである。

今回の件でSMAPのファンはアイドルのIdol性を存分に思い知らされた。ジャニーズ事務所はファンにかけた魔法=「虚像が虚像であることを忘れてもらうこと」を、自ら解除してしまったのだ。アイドルとファンの間の共犯関係は崩れた。彼らはもう、アイドルではないのだ。ただの透明なIdolでしかない。