ビジネスパーソンの学びといえば、仕事関連のものが多くなってしまうが、たまには他の分野にも目を向けてみてはどうだろう。
最近注目されてきたMOOC(Massive Open Online Course)は、そのような時に最適だ。
主なMOOCは、大学の講義を中心にしたもの多いが、今日は「誰でも無料で学べるオンライン学習」をいち早く実現してきたカーン・アカデミー(Khan Academy)をとり上げてみたい。
カーン・アカデミーが社会人にオススメのわけ
カーン・アカデミーは、創始者のサルマン・カーン(Salman Khan)氏がほぼ1人でコンテンツを作ってはじめたサービス。
小・中・高生向けの算数・数学などを、カーン氏が動画で親しみやすく教えるスタイルで人気がある。
最近は、コンテンツの種類も増えてきており、アート、経済、ファイナンスなど、大学生や大人向けのものもある。
CourseraやedXなど米国大学系のMOOCは、大学の講義形式のため、開始時期や受講期間が決まっている。宿題や試験もあり、かなり注力して取り組む必要がある。社会人にとっては、仕事の片手間でついて行くことは難しい。
その点、カーン・アカデミーでは、いつでも好きな時に、自分のペースで学ぶことができるので、時間の確保が難しいビジネスパーソンに向いている。
一度のぞいてみて、興味が持てそうなコンテンツを探してみてほしい。
とはいえ、何を学べばよいか… という人もいると思うので、少しオススメをご紹介する。
アートのコンテンツで異文化コミュニケーション力を身につける
もう11月も後半になったが、秋といえば「芸術の秋」。アート系のコースで学んでみるのはいかがだろうか。
グローバルで活躍するビジネスパーソンには、コミュニケーションスキルが不可欠。ただ、テクニックだけ身につけても中身のある会話ができなければ、意味がない。そういうときに、諸外国の文化や歴史について学んでおくと役に立つことも多いはずだ。
カーン・アカデミーに、Art History というカテゴリーがある。
古代から現代まで時代ごとに並べられた豊富な動画コンテンツがあり、各時代ごとの代表的な絵画などについて解説している。
自分の知っている作品や、ルネッサンスのような特定の時代だけ見ても面白い。
このような解説動画がネット上に無料で公開されているというだけでも素晴らしい。
カーン・アカデミーのコースは、学術的な内容というよりは、カーン氏が独自の視点で分かりやすく解説したものが多いので、初心者でも取っ付きやすい。
英語が苦手な人であっても、字幕を表示(残念ながら、日本語はなさそう)したり、再生速度を変えたり(正直、速度を変えるとかえって聞き取りづらいが)して、英語の勉強を兼ねることもできる。
字幕表示の仕方
- Optionsで、Translated Subtitles にチェックを入れる。
- 左端に言語リストが表示されるので、Englishを選ぶ。
このArt Historyの中から、日本でもよく知られている作品の解説動画を2つ紹介する。
1.ルネッサンス|レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナリザ」
2.現代美術|アンディ・ウォーホル「キャンベル・スープ缶」
ポップアートの旗手アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)。その代表的な作品「キャンベル・スープ缶」は、果たして「芸術」なのか?について議論している。
Art Historyには、他にもたくさんの動画があるし、別のカテゴリでは、MoMAが提供するコースもある。
ぜひ楽しんでみて欲しい。
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