カフカ

夢・アフォリズム・詩 フランツ・カフカ

夢・アフォリズム・詩 (平凡社ライブラリー) 作者:フランツ・カフカ 平凡社 Amazon ほんとうに判断を下せるのは党派だけである。しかし党派である以上、党派は判断を下すことはできない。そのためにこの世には判断の可能性はない。あるのはただそのほのかな…

文学がこんなにわかっていいかしら 高橋源一郎

なぜメタ・フィクションが精彩を欠いているのか 吉本ばなな『満月』批評 「尾辻克彦」探検記 田中小実昌『アメン父』評 カルヴィーノの遺言 今月の文学候補――その傾向と対策 夏休み課題図書を読む 文学がこんなにわかっていいかしら (福武文庫) 作者:高橋 源…

1913 20世紀の夏の季節 その2

2月扉文 いったい、いつになったら自分の番になるのだ? 3月 レーニン、ウルフ、カフカ、ロダン 4月 フロイト、ヒトラー、クレー 前回の続き。 1913: 20世紀の夏の季節 作者: フローリアンイリエス,Florian Illies,山口裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社…

公開性の根源—秘密政治の系譜学・その2

王の二つの身体、『エイコン・バシリケ』 ギロチン刑 ライプニッツの「国家表」 カフカの世界 カフカと保険 スパイ小説 前回の続き。 公開性の根源?秘密政治の系譜学 作者: 大竹弘二 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2018/04/19 メディア: 単行本 この商…

代表質問 16のインタビュー 柴田元幸

一九八九年の村上春樹 例外的な『ノルウェイの森』 バリー・ユアグロー アーヴィングはこう語った……と思う 内田樹 『村上春樹にご用心』をめぐって 一度読んでいる(1989年の村上春樹 - 本と奇妙な煙) のだが、読んだ記憶がないところがあったので、また読…

ターミナルから荒れ地へ 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学

「国際線ターミナル」にて 彼らと僕のベスト3 それは外からやってきた――新世紀の英語とその翻訳 ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学 作者:藤井 光 発売日: 2016/03/09 メディア: 単行本 「国際線ターミナル」にて 飛行機による攻…

作家はどうやって小説を書くのか カポーティ、ボルヘス

トルーマン・カポーティ ホルヘ・ルイス・ボルヘス 黄色について 作家のスタイルは信念から 寓話、カフカ 幻想的 ジャック・ケルアック なんで一九六〇年代のはじめに分裂しちゃったんですか? ジョン・チーヴァー ――ハリウッドで仕事をすることについて 作…

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

本当の戦争の話をしよう 対談 村上春樹×柴田元幸 森鴎外 田中小実昌 サリンジャー 下訳 カフカ 前半が翻訳作品についての本人の解説、後半が柴田元幸との対談。 村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事作者:村上 春樹発売日: 2017/03/17メディア: 単行本 本当の戦争…

村上春樹と私 ジェイ・ルービン

夏目漱石『坑夫』を推す春樹 二人の翻訳者の違い 「どうせ小説というのはいい加減なものだ」と春樹 村上春樹と私 作者: ジェイルービン,Jay Rubin 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2016/11/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る …

「反おもしろくない」でいけ、春樹批評 吉本隆明

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』 漱石の形態論 高等遊民 つくられる無意識 反復 吉本隆明未収録講演集第二巻。94年の「物語について」という講演だけ、あまり聴いたことのない話が多かったので引用。 前半が、当時出たばかりの『ねじまき鳥〜』についての…

レイモンド・カーヴァー評伝

父と母 狩猟 高校時代 パーマー通信講座 17歳の夏・妻との出会い 結婚、娘の誕生 師・ジョン・ガードナー パラノイア レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生作者:キャロル・スクレナカ発売日: 2013/07/09メディア: 単行本 父と母 [父のC・R・カーヴァ…

カフカと映画

映画というメディア 路面電車の力動性とヴァイオリンの響き 執筆のためのトランス状態 『失踪者』 カフカと映画作者:ペーター=アンドレ アルト発売日: 2013/03/22メディア: 単行本 映画というメディア 社会人となってからの最初の数年間において、カフカは定…

カフカとの対話・その2

こんな役所爆破!と口走った役人Sに対し 神 革命 支配 前日のつづき。 カフカとの対話―― 手記と追想 (始まりの本)作者:グスタフ・ヤノーホみすず書房Amazon 当時私は、彼がずっと以前に、猿の人間化を扱った『ある学会への報告』を書いていたことをついぞ知…

カフカとの対話

偽書批判についての解説 『変身』 神 デモ 表現主義の詞華集について 面白いけど、こんなにカフカとの対話を明確に覚えているものだろうかと思っていたら、解説によれば「<偽書という嫌疑>を内蔵した『対話』」らしい。(ついでにBL受けしそうな雰囲気全…

書物の解体学・その2 吉本隆明

前日のつづき。うまく引用できなかったのでガックリきて、この分量で終了、立ち読み代わり程度に。 書物の解体学 (講談社文芸文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/10メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る …

カフカの<中国>と同性愛

カフカの“中国”と同時代言説―黄禍・ユダヤ人・男性同盟作者: 川島隆出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2010/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る ミシェル・フーコーが論じるように、もとより男色という「行為」であ…

私は奴隷だが、私の皇帝は無敵だ

前日のつづき。国家制度とアナーキー作者: ミハイル・バクーニン,左近毅出版社/メーカー: 白水社発売日: 1999/05メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見るロシア帝国解体 汎ゲルマン的な中央集権主義に対して、汎スラヴ的な連合体を…

掟の問題/カフカ&春樹本

ノート〈2〉掟の問題―カフカ・コレクション (白水uブックス)作者:フランツ カフカメディア: 新書 結局アフォリズムしか読まない。 25 この世へと逃げこむ以外に、どうしてこの世をよろこぶことができようか? 27 ネガティブなことを行うのが、なおわれわれに…

『カフカの生涯』

カフカの生涯作者: 池内紀出版社/メーカー: 新書館発売日: 2004/07メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る他人を罵倒したい気持ちを、こんな文章にむせび泣いて解消しようと借りる。 職探しの時点でカフカはいまだ一つの作品も公…