今週に入って多くの大学で合格発表が行われていますね。
上智大学も2/18で一通り合格発表が出揃います。
そんな上智ですが、「ここ数年で補欠者が増えたなぁ」と感じている塾・予備校関係者も少なくないと思います。
国公立大はもちろん、最難関私立大である早慶と比較して試験日もかなり早いため、上智では補欠が必然的に多くなります。
なんでなんで?
私立大の定員厳格化が上智に大きな影響を及ぼしているんだよ!
これ、どういうことかと言うと私立大では大学の規模に応じて、決められた入学定員をある程度超過して入学者を受け入れてしまった場合には補助金をカットされてしまうんです。
補助金カットの超過率の基準は大規模大学は定員の1.1倍、収容定員4000~8000人の中規模大学は1.2倍だよ!
基準を超えて一人でも多く入学者を受け入れてしまうと、補助金がカットされ大学経営にダメージ。
逆に、入学者が予定より少なければその分入学金や授業料を徴収出来ないので大学経営にダメージ。
そこで、補欠を多く出しておく必要があります。
上智を例に考えてみましょう。
2月中旬 ↓ 2月下旬 ↓ 3月
上智)「早慶や、その他難関国公立大に合格した受験生は辞退となる可能性も一定あるので合格者は定員よりこれくらい多めに出しておこう…。」
上智)「あれ?思ったより辞退者が少ないぞ。」
上智)「国公立大の合格発表も出たのに辞退者が全然いない…。嬉しいはずが、このままだと定員超過(=補助金カット)になってしまう…!」
そうならないために、合格者を少なくして補欠者を多く出しておく。
辞退者が多ければその分補欠を繰り上げ合格に、辞退者が少なければ補欠はそのまま切り捨て、そんな感じです。
実際に昨年2020年度入試の、上智の補欠者入学許可状況がどうなっているか見てみましょう。
特に多かった学部・学科は下記のとおりです。
※TEAP利用型、学科別の合計の数字となります。
補欠入学許可者 文学部 哲学科 34名 文学部 史学科 31名 文学部 国文学科 54名 文学部 英文学科 94名 総合人間科学部 心理学科 36名 総合人間科学部 社会学科 74名 法学部 法律学科 84名 法学部 国際関係法学科 91名 法学部 地球環境法学科 67名 法学部だけで242名の繰り上げ合格! 経済学部 経済学科 163名 経済学部 経営学科 134名 外国語学部 英語学科 133名 外国語学部 ドイツ語学科 37名 外国語学部 フランス語学科 50名 外国語学部 ロシア語学科 60名 外国語学部 ポルトガル語学科 72名 外国語学部はほとんどの学科で多くの繰り上げ合格を出しているね! 総合グローバル学部 総合グローバル学科 116名 外英に次いで人気の総グロでも、昨年こんなに繰り上げ合格を出しているよ! 理工学部 物質生命理工学科 82名 理工学部 機能創造理工学科 90名 理工学部 情報理工学科 124名 理工学部は早慶や難関国公立の他に、東京理科大学に流れた人も多くいそうだね! 参照元:【2020年度一般入学試験】補欠入学許可状況(最終)
その他の学部学科でもちらほら繰り上げ合格を出しており、合計すると実に1750名となります。
これは上智に限ったことではありません。
文系学部のみを擁する比較的小さな大学、成城大学の2020年度入試を見てみてもA方式だけで第2回~第5回合格者が400名以上という数字になっています。
昨年度入試でも、3月末になって繰り上げ合格の知らせが来たなんて声もあったりしました。
以上、近年私立大では繰り上げ合格は増加傾向にあると言えます。
補欠の結果を受け取った人も、最後まで諦めず、引き続き前を向いて残りの受験を乗り切りましょう。