芸術家が好んだ街~代田・代沢散策(1):帝国高等音楽学校跡/古関金子/ダイダラボッチ川/駒沢線/代田八幡神社
- 2021/06/27
- 05:44
今回は世田谷区にある代田と代沢を散策します。
あまり知られていませんが、この界隈には萩原朔太郎、三好達治、坂口安吾などの文士が住み、
また、中島みゆきの自宅やNHKの連続テレビ小説「エール」のモデルとなった古関裕而の自宅があるなど多くの芸術家が住んでいる(住んでいた)地域でもあります。
今回の「代田・代沢散策シリーズ」では、多くの芸術や文学が生まれた世田谷区の代田・代沢地域を散策したいと思います。
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(今回散策する代田・代沢地域)
今回散策する世田谷区の代田・代沢地域を地図で示してみます。古道である「鎌倉通り」を挟んで左が「代田地区」、右が「代沢地区」になります。
(北沢川緑道に置かれた地図を筆者が加工したもの)
本「代田・代沢散策シリーズ」で折りに触れて書いていきますが、「北沢川緑道」と「送電線の鉄塔(駒沢線)」が今回の散策では重要な役割を果たします。
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(世田谷代田駅とダイダラボッチの足跡)
まず、小田急線の「世田谷代田駅」から出発します。
日本各地で伝承される「ダイダラボッチ」(下の写真)が「代田」の足跡に由来すると言われており、
(出典:Wikipedia)
その伝承を踏まえて、「世田谷代田駅前」の広場に「ダイダラボッチ」の大きな足跡が作られています。
その広場には『代田と「ダイダラボッチ」』の説明版があります。
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(ダイダラボッチ川:暗渠と開口部)
また、この付近にはかつて「ダイダラボッチ川」という川(北沢川の支流)が流れていました。
(出典:新代田駅でいただいた近隣の地図を筆者が加工したもの)
現在は暗渠化されていますが、その川跡を見ることができます。
また、京王井の頭線の踏切近くには、開口部があり、ここでは「ダイダラボッチ川」の水の流れを見ることができます。
線路沿いからもきれいな水が流れ落ちてきていて、この界隈ではいまでも湧水が豊富であることを窺わせます。
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(帝国高等音楽学校跡)
「世田谷代田駅」の北側には「帝国高等音楽学校跡」があります。現在はマンションになっています。
「帝国高等音楽学校」は、スズキ・メソードで知られる鈴木鎮一らが設立した音楽学校で、
NHKの連続テレビ小説「エール」で二階堂ふみ演じるヒロイン「音」のモデルとなった古関金子(こせき きんこ)が通った学校です。
この「帝国高等音楽学校」が世田谷区代田にあったので、古関裕而(こせき ゆうじ)は奥さんが通学するのに便利なようにとこの代田の地を住居に選んだのでした。
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(送電線「駒沢線」鉄塔と代田)
「帝国高等音楽学校跡」の近くには鉄塔が建っています。
この鉄塔は、大田区の洗足変電所から杉並区和田堀変電所を結ぶ送電線(駒沢線)で、この地域を理解する上で需要な役割を果たします(下の写真は洗足変電所)。
下の写真は、「帝国高等音楽学校跡」近くから撮影した送電線の鉄塔群。
鉄塔の下は住民が住むことが少なかったため、音を出す音楽学校や音楽家にとっては都合の良い場所なのでした。
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(代田富士見橋)
「世田谷代田駅」の改札を出て、まっすぐ行くと「代田富士見橋」があります。
その名の通り、天気がいい日には富士山を見ることができます。下の写真は、ここを散策しているときに見えた富士山を撮影したもの。
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(東京農大アンテナショップ)
この「代田富士見橋」を渡ると、世田谷区桜丘にある東京農大のアンテナショップ「東京農大オープンカレッジ」があり、
東京農大関連の食料品を販売しています。
そばにはお洒落なイタリアンレストラン「カフェハロー」がありますが、別記事(「世田谷代田のお洒落なイタリアン:カフェハロー」)でご紹介します。
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(代田八幡神社)
この「東京農大オープンカレッジ」の下には、「代田八幡神社」があります。
奥の路地に入ったほうにも鳥居があるのですが、
その説明版には、世田谷区内にある鳥居で二番目に古いとの説明がありました。
この鳥居をよく見ると、神社の反対側(道路側)に奉納年度などの文字が彫られています。通常、このような刻印は神社側にあるものなのですが、なぜこのようになっているのかの説明はありませんでした。
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次回の記事では代田を散策した後、梅ヶ丘まで歩いてみます。
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