2024年12月13日
【特報】加藤ジャンプさんの連載が、BS日テレの新番組『ロビンソン酒場漂流記』として2025年1月4日(土)夜10時より放映スタート!
加藤ジャンプさんの連載「ロビンソン酒場放浪記」が実写化され、BS日テレのレギュラー番組が始まります。
どの駅からも歩いて遠く、「どうしてこの場所でお店を?」という立地に忽然と現れる「ロビンソン酒場」。連載では加藤ジャンプさんが相棒の編集Mと訪ね歩くが、実写化にあたっては、芸人・ミュージシャン・俳優として幅広く活躍し、「考える人」では「土俗のグルメ」でおなじみのマキタスポーツさんが「さま酔い」人として酒場を訪れます。
[タイトル]ロビンソン酒場漂流記[放送日時]毎週土曜日よる10時~10時30分
[放送局]BS日テレ/BS日テレ4K
[出演者]マキタスポーツ
[番組HP] https://www.bs4.jp/robinson/
酒場のピリオドの向こう側に連れていかれる体験ですね
新番組情報公開に先立って行われた記者取材場に登場したマキタスポーツさんは、原案者・加藤ジャンプさんからのコメントが読み上げられたあと、「この番組が始まるということで、階段の昇り降り、ちょっとした段差に気を付けて、サメの軟骨で体をつくって臨むことにします」と抱負を述べた。
すでに収録は始まっており、ロビンソン酒場を訪れてみた感想を聞かれると、「ディレクターの方が、非常にぼんやりとした情報しか与えてくれないんですよね。向こうと言ったかと思えば、やっぱりこっちです、みたいな。それで周囲に店も少なくなってきて、だんだん心細くなってくるんですよね。英会話教室とか、中古車販売店とかしかなくなって、もうこの道沿いに飲み屋なんて絶対ないぞ、というエリアなのに、その先まで行こうとする。いよいよ底がついた状態になった時に、遠くに居酒屋の幟がはためいているのを発見したときの、何とも言えない安堵感。冗談抜きで、酒場のピリオドの向こう側に連れていかれる体験ですね」
原作者 加藤ジャンプさんからのコメント
多才にして多忙なマキタスポーツさんが、こんな酔狂におつきあいくださる……。
駅からも繁華街からも遠いところにありながら長く愛されている酒場、ロビンソン酒場。街という海をさすらい、漂っているとき、ぽっかりと浮かぶように目に飛び込んでくる一軒の店の灯り。それは、さながら迷い人を導く灯台のような存在です。そんな『ロビンソン酒場漂流記』を、マキタスポーツさんが、ワザワザえっちらおっちら歩いて映像化してくださる?
……今回のお話を聞き、「嘘でしょ」と、耳を疑ったのですが、でもでも、いやいや、マキタスポーツさんなら、きっとロビンソン酒場だからこそ味わえる、渋くて温かい人間ドラマをわかってくださる、と(ロビンソン酒場訪問のとき痛む)膝をたたき、四合瓶を空にして頷きました。
グルメなガイドブックにはのらないけれど、心のアルバムにはしっかり刻まれるロビンソン酒場たち。ベレー帽姿のマキタスポーツさんが、ブルーズを聴くように、そんなロビンソン酒場におもむき、しみじみと酒と肴とやさしき人びとのふれあいを楽しむ。これ以上、もう、なにもいりません。嬉しくて、ありがたくて、ますますお酒がおいしくなります。
20年後、すこし皺の増えたマキタスポーツさんが、長寿番組「ロビンソン酒場漂流記」に出ている姿が、今から目に浮かびます。ただ一つだけご留意ください。ロビンソン酒場は、けっこう膝にきます。どうか、軟骨第一で漂流してください!
ローカルな酒場に身ひとつで訪れる勇気
実際に訪れたお店で、店主やお客さんとの交流エピソードを聞かれると「カメラが回る前に店に入って、どうもマキタです、みたいな感じで打ち合わせするのかと思いきや一切なくて、店の外に待機させられて、完全にファーストコンタクトの状態でお店に入ってカメラが回るんですよ。でね、郊外のぽつんと一軒飲み屋みたいなお店だから、当然地元の常連さんしかいないわけでしょ。だから店に入った瞬間、皆がこっちを見て『なんか余所者が来た』みたいな顔をしている。昔テレビのドキュメンタリーとかで、アマゾンの奥地に探検隊が入っていくと、槍を持った現地の方が無表情でこっちを見ている、みたいなやつですよ」。
ローカル色というと聞こえがいいが、要するに完全アウェイ状態の酒場に「身ひとつの状態」で訪れるのは、「毎回、転校生のような気持ち」だというマキタさん。そこからお酒の力も借りて会話の糸口を探し、おつまみの美味しさに心を和ませ、すこしずつ店主や常連さんと打ち解けてゆく。その交流が始まる瞬間がロビンソン酒場の醍醐味だといいます。さて、テレビ版「ロビンソン酒場漂流記」では、マキタスポーツさんにどんな出会いが待っているのか。「考える人」の連載とともにお楽しみください。
出演者紹介
マキタスポーツ
1970年生まれ。山梨県出身。芸人、ミュージシャン、俳優、文筆家など、他に類型のないエンターテインメントを追求し、芸人の枠を超えた活動を行う。俳優として、映画『苦役列車』で第55回ブルーリボン賞新人賞、第22回東スポ映画大賞新人賞をダブル受賞。著書に『決定版 一億総ツッコミ時代』(講談社文庫)、『すべてのJ-POPはパクリである』(扶桑社文庫)、『越境芸人』(東京ニュース通信社)など。近刊に自伝的小説『雌伏三十年』(文藝春秋)がある。
原作者紹介
加藤ジャンプ
かとう・じゃんぷ 文筆家、イラストレーター。コの字酒場探検家、ポテトサラダ探求家、南蛮漬け愛好家。割烹着研究家。1971年東京生まれ、横浜と東南アジア育ち。一橋大学法学部卒業。出版社勤務をへて独立。酒や食はじめ、スポーツ、社会問題まで幅広くエッセーやルポを執筆している。またイラストレーションは、企業のイメージキャラクターなどになっている。著書に『コの字酒場はワンダーランド』(六耀社)など。テレビ東京系『二軒目どうする?』にも出演中。また、原作を書いた漫画『今夜はコの字で』(集英社インターナショナル)はドラマ化された。
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とは
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。
「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。
どうして自分が「考える人」なんだろう――。
手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな自分にはたして何ができるというのだろうか――手を動かす前に、そんなことばかり考えていたように記憶しています。
それから19年が経ち、何の因果か編集長に就任。それなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ「考える人」という四文字に重みを感じる自分がいます。
それだけ大きな“屋号”なのでしょう。この19年でどれだけ時代が変化しても、創刊時に標榜した「"Plain living, high thinking"(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)」という編集理念は色褪せないどころか、ますますその必要性を増しているように感じています。相手にとって不足なし。胸を借りるつもりで、その任にあたりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
「考える人」編集長
金寿煥
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