グラフィックボード・ビデオカードの選び方
「グラフィックボードは何の役に立つの?」「自分の用途に合った選び方は?」「どのくらいの価格帯のものを選べばいいの?」など、商品選びの際に浮かぶ疑問を解決します。グラフィックボード・ビデオカード選びに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2024/1/12 更新
PCがディスプレイに映像を映し出すためのパーツがグラフィックボードで、ビデオカードとも呼ばれます。動画再生や簡単な映像編集レベルなら、PCに標準で搭載されているグラフィック機能で十分ですが、3Dゲームや高解像度のゲームをプレイするなど、高度な映像処理をする場合にはグラフィックボードが必要になります。
グラフィックボードは、画像データや映像データを処理し、ディスプレイに表示する役割を担っています。ほとんどのCPUにはGPU(グラフィック機能)が内蔵されていますが、3Dゲームや高度な映像処理をする場合にはグラフィックボードを搭載すると快適です。
今や多くの3Dゲーム、PCゲームにおいて、必要動作環境にグラフィックボードが設定されています。高画質かつ滑らかな映像で3DゲームやPCゲームを楽しみたい人には、ミドルレンジ〜ハイエンドクラスのグラフィックボードの導入がほぼ必須であると言ってよいでしょう。
グラフィックボード・ビデオカードの性能は、価格に比例するといえます。まずは、用途に応じて購入すべき価格帯の製品を絞り込みましょう。
2万〜3万円のグラフィックボードは、ライトなゲームをプレイする人向きのエントリーモデルです。ゲーム性能は高いとはいえませんが、フルHD画質でプレイできれば、そこまで画質にこだわらないという人に向きます。なお、要求されるスペックが高いゲームをプレイしたい人には向きません。
3万〜7万円台のグラフィックボードは、ミドルクラスに位置します。フルHDで幅広いゲームをプレイしたい人に向くほか、高精細な3Dゲームも高画質にプレイできます。
8万円以上するような上位のグラフィックボードがあれば、高精細な3Dゲームも高画質にプレイできます。プロゲーマーやベンチマークでハイスコアを目指す人向けには、10万円を大きく超える製品もあります。
プレイしたいゲームが決まっているのなら、グラフィックボードの選び方は簡単で、発表されている必要条件を満たす製品を選択すればよいでしょう。もし、予算に余裕があるならば、必要な性能を上回るスペックの製品を選んでおくと、将来的にも困りません。
ソフト例 | 必要条件 |
---|---|
Apex Legends | NVIDIA GeForce GT 640 / Radeon HD 7730 |
FORTNITE | NVIDIA GeForce GTX 660 / AMD Radeon HD 7870 |
MONSTER HUNTER WORLD | NVIDIA GeForce GTX 760 / AMD Radeon R7 260x (VRAM 2GB以上) |
PUBG | NVIDIA GeForce GTX 960 2GB / AMD Radeon R7 370 2GB |
LEAGUE OF LEGENDS | NVIDIA GeForce 8800 / AMD Radeon HD 5670 |
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE | NVIDIA GeForce GTX 970 / AMD Radeon RX 570 |
FIFA22 | NVIDIA GeForce GTX 660 / AMD Radeon HD 7850 |
使用したいディスプレイに合う端子を搭載しているか、必要な数の端子数を備えているかも必ず確認しましょう。2023年現在は、デジタル出力できる「DVI」「HDMI」「DisplayPort」のいずれかを搭載したモデルが一般的です。4Kなどの高解像度ディスプレイの導入を検討している人は、大容量データを転送できる「DisplayPort」や「HDMI 2.0」以降に対応したモデルが選択肢となるでしょう。
USB Type-C
冷却方式には、ファンタイプとファンレス、水冷の3種類があり、ファンタイプが一般的です。水冷は静音性は高いものの、価格が割高な傾向があります。ファンレスはあまり処理性能が高くないものが多いですが、ファンがない分占有スペースが小さく、ケースの空きが少ない場合には有効です。
グラフィックボードは、マザーボードのPCI Express2.0または3.0スロットに接続します。製品によっては、2〜3スロット分の体積を占有するので、ケースに収納できるか確認しましょう。またPCケースが小さい場合は、省スペースで取り付けられる「ロープロファイル」対応モデルがおすすめです。
高精細な4K(解像度3,840×2,160ドット)コンテンツが近年続々と登場しており、PC用の4K対応ディスプレイも人気です。4Kで出力するには、グラフィックチップ(実際に描画を担当するパーツ=GPU)が対応していること、DisplayPortまたはHDMI(2.0)以降の出力端子が必要です。
マザーボードなどでも有名な、PCパーツの世界的メーカーです。エントリーモデルからゲーマー向けの「R.O.G.」シリーズまでラインアップが豊富。大型ファンによる高い冷却性能と、排熱性能が高い製品が多く、マシンパワーが必要なゲーミングPCなどに向きます。
台湾の老舗PCパーツメーカー。独自開発のファンを搭載したり、大型のファンを複数装備したりと、排熱性を考えた製品づくりが特長です。高い冷却性能や静穏性も備えた製品を多数ラインアップ。ボード全長が約179mmとコンパクトな省スペースモデルも展開しています。
グラフィックボード・ビデオカードのほか、マザーボードやCPUクーラーなど、パソコン関連機器を手掛ける台湾のメーカーです。低価格のエントリー向けモデルから、高性能なハイエンドモデルまで、幅広い製品ラインアップが魅力。ゲーマーのニーズに応えたゲームに特化した製品も展開しています。
ハイエンド向けのグラフィックボード「GALAKURO」シリーズを中心に展開する国内メーカーです。製品サポートにはあまり力を入れていないため、ある程度パソコンの知識がある人に向きます。高性能で安価な製品が多く、コスパを重視する人に◎。
香港に本社を持つ人気メーカー。高い安定性を持った高品質設計のオーバークロック仕様製品や、Radeon RX 5600 XTを搭載したオーバークロック仕様の製品をラインナップ。独自のユーティリティーツール「TriXX」でクーラーの稼動状態のチェックやカスタマイズに対応したものも人気です。
同じグラフィック性能でも、他社モデルよりも比較的コンパクトな製品を多く提供しています。グラフィックボードは性能が高いほどサイズが大きくなる傾向にありますが、ZOTACでは高性能モデルでも小さいサイズのものが多いです。また、PCケース内の排熱性を高めたい方にも向いています。
ASRock(アスロック)は、台湾に本社を置くコンピューター関連部品製造メーカーです。マザーボードメーカーとして有名で、社名のASRockは「As Solid as Rock(岩のように頑丈)」な製品を開発したいという想いに由来。グラフィックボードでは、AMD Radeon GPUを搭載した製品を多数展開しています。
グラフィックボードとマザーボードの接続口のこと。一般的に、PCI Express 2.0または3.0を用い、その中でも幅の広いx16スロットに接続します。なお、現在はPCI Express 4.0対応製品が主流です。
バスインターフェイスで選ぶ
GPUメモリは、グラフィックボードに搭載されているメモリのことで、グラフィック情報を一時的に保存しておけるパーツです。基本的には、容量が多いほうがパフォーマンスは高いといえます。ただし、パフォーマンスを重視するのであれば、メモリ容量は補完的に考え、グラフィックボード自体の性能を重視したほうがよいでしょう。
メモリ容量で選ぶ
グラフィックボード・ビデオカードの消費電力はメーカーや製品によって異なります。グラフィックボード・ビデオカードを増設する場合には、パソコンの最大消費電力以内に収まるか確認する必要があるため、購入する製品の消費電力を事前にチェックしておくとよいでしょう。
消費電力で選ぶ
2基のグラフィックボードを連動させて、より高い描画性能を得る技術。SLIはNVIDIAが、CrossFireはAMDが提唱する名称です。
3Dをはじめとしたマルチメディア技術のためのプログラム群で、Windowsに搭載されています。3Dゲーム目的なら、最新のDirectXに対応したグラフィックボードを選択しましょう。
グラフィックボード・ビデオカードを選ぶ際には、サイズも重要。自分のパソコン(PCケース)に収まるサイズかチェックしましょう。
幅で選ぶ
奥行で選ぶ
高さで選ぶ
多くの場合、保証期間は1年間ですが、なかには2年間保証をうたうメーカーもあります。長期の保証を希望する場合はチェックしましょう。
増設スロットがあれば可能です。
使用しているデスクトップPCに増設用のスロットがあれば、グラフィックボードの増設は可能です。ほとんどのデスクトップPCはケースを簡単に開けられてマザーボードが露出でき、接続にも特別な機器や技術は不要です。
基本的にはできません。
海外では外付けのグラフィックユニットも販売されていますが、それほど普及はしていないようです。
PCの電源ユニットから供給します。
3Dゲームを滑らかに動かせるグラフィックボードは、多くの電力を消費します。そのため、接続するPCIスロットから供給される電源のほかに、PCの電源ユニットから電力を供給する必要があります。これが、「補助電源」と呼ばれるものです。グラフィックボードの説明書を参考にしながら、PCの電源ユニットから伸びるケーブルから適切なものを接続しましょう。
コアクロック
描画を担当するGPUの動作周波数で、単位はMHzで示します。同シリーズのGPUであれば、周波数が高いほど処理能力も向上します。
汎用シェーダーユニット
グラフィックボードの中にあり、実際に処理を担当するパーツです。同じユニットなら、数が多いほど能力は向上します。
バンドルモデル
3Dゲームや、人気ゲームの優待クーポンをバンドル(付属)している製品も。目当てのゲームがあるなら、製品選びの際に念頭に入れておきましょう。
ブーストクロック
より負荷の高い描画処理を行ったときに、どれくらいまでコアクロックを上昇させて処理作業を行えるか示す数値です。