タブレットPCの選び方
「タブレットPCっていっぱいあるけど何が違うの?」「自分に合ったタブレットPCってどれなの?」など、タブレットPCを選ぶ際に浮かぶ疑問を解決します。主なメーカーや、あると便利な機能についても解説。どんな製品が自分に合っているのか、選び方のポイントを紹介します。
2024/7/18 更新
目次
まずは、タブレットの主なタイプをチェック。大きく分けてiPadシリーズ、Androidタブレット、Windowsタブレット、Chromebookの4タイプがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
iPhoneを使っているなら第1候補になるのがiPadです。UIデザインがiPhoneと統一されているため、最初からいつも使っているかのように感じるはず。また、どのモデルもスペックが高いため、負荷の高い作業をしない限りスペック不足の心配はないでしょう。その半面、他社製タブレットと比べて価格が高いというのがネックです。
Androidスマートフォンを使っているなら、タブレットもAndroidで揃えるのが一般的です。Androidタブレットは、1万円台のエントリーモデルから、10万円超えのハイエンドモデルまでラインアップが豊富。多彩な製品の中からお気に入りの1台を選べます。ただし、iPadのようにクリエイター向けのアプリや周辺機器は揃っていません。
Windowsタブレットはパソコンの画面に似た「デスクトップモード」に切り替えることで、ノートパソコンと同じような感覚で使用できるものが多いです。キーボードが付属するモデルも多数。また、Office標準搭載のモデルが多く、特にビジネス用途に向いているでしょう。しかし、ノートパソコンと変わらない価格のモデルがあるなど、全体的に価格はやや高めです。
iPadシリーズには安価な点が魅力の「iPad」、持ち運びに便利な「iPad mini」、動画編集やイラスト制作も快適に行える「iPad Air」、プロユース向きの「iPad Pro」の4種類があります。それぞれの大まかな違いを以下の表でチェックしましょう。なお、以下の表では最新世代の基本モデルを基準に紹介しています。
種類 | iPad | iPad mini | iPad Air | iPad Pro |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2022年10月26日 | 2021年9月24日 | 2024年5月15日 | 2024年5月15日 |
特徴 | 安価な点が魅力 | 持ち運びに便利 | 簡単な動画編集やイラスト制作も可能 | プロユース向き |
画面サイズ | 10.9インチ | 8.3インチ | 11インチ 13インチ |
11インチ 13インチ |
重量 | 477g | 293g | 462g(11インチ) 617g(13インチ) |
444g(11インチ) 579g(13インチ) |
ストレージ | 64GB 256GB |
64GB 256GB |
128GB 256GB 512GB 1TB |
256GB 512GB 1TB 2TB |
CPU | Apple A14 | Apple A15 | Apple M2 | Apple M4 |
リンク | iPadを探す | iPad miniを探す | iPad Airを探す | iPad Proを探す |
iPadはiPad AirやiPad Proなどのモデルに比べて価格が手頃で、iPadシリーズの入門機として最適です。最新モデルは「10.9インチ第10世代モデル」で、画面が大きくて見やすいのが特徴。iPad AirやiPad Proと比べてスペックはやや劣るものの、WEBサイトの閲覧や動画視聴、ライトなゲームプレイなどは快適に行えます。
iPad miniはiPadシリーズの中で最も小さく、軽い機種です。2021年に発売された第6世代が最新で、画面サイズは8.3インチ、重さは約300gと持ち運びに最適。ピンク、パープル、スターライトなど、カラーラインアップが豊富な点も魅力です。ただし、AppleのiPadシリーズ向け純正キーボード「Magic Keyboard」「Smart Keyboard」「Smart Keyboard Folio」には対応していません。
iPad Airは、iPadやiPad miniより高いスペックを求める人に向いています。動画編集やイラスト制作も快適に行えるため、動画編集者やイラストレーターにも愛好家が多いです。最新モデルには、11インチモデルと13インチモデルの2タイプをラインアップ。チップは従来モデルの「M1チップ」と比べて最大50%高速になった「M2チップ」を搭載しています。「iPad Pro」ほどの性能はいらないが、大画面の「iPad」が欲しいという人には、「iPad Air」の13インチモデルは最適です。なお、別売の「Magic Keyboard」にも対応します。
iPad ProはiPadシリーズの最上位モデルで、本格的な動画編集や漫画制作などが可能です。最新モデルは、11インチと13インチの2タイプをラインアップ。「Ultra Retina XDRディスプレイ」と名付けられた有機EL(OLED)を採用し、ディスプレイ性能の向上と薄型・軽量化を実現しています。チップには「M4チップ」を搭載。従来モデルの「M2チップ」と比べて、レンダリング性能が最大4倍、CPU性能が最大1.5倍高速になっています。
※なお、最新モデルは選択するストレージ容量によって、搭載するチップの仕様とメモリー容量が異なります。
256GB、512GB:
9コアCPUのM4チップ、メモリーが8GB
1TB、2TBモデル:10コアCPUのM4チップ、メモリーが16GB
iPadの種類や世代によって、使用できる純正キーボード・純正スタイラスペンが異なる
iPadシリーズの純正キーボードには「Magic Keyboard」「Smart Keyboard」「Smart Keyboard Folio」の3種類があります。純正キーボードはマグネットでiPad本体と接続させることが可能。ペアリングもキーボードの電源を入れる必要もないため便利です。また、iPadシリーズの純正スタイラスペンであるApple Pencilには、第一世代と第二世代の2種類があります。紙に描いているかのような描き心地を実現しており、このApple Pencilで絵や漫画を描きたいがゆえにiPadシリーズのタブレットを買う人がいるほど、その書き心地には定評があります。
純正キーボードも純正スタイラスペンも、それぞれ対応するiPadシリーズの種類や世代が異なります。購入の際は注意しましょう。
Lenovo Tabシリーズは、価格が2万円から3万円とコスト面で優れるモデルのラインアップが豊富です。7インチから12.7インチの画面サイズを展開しており、用途や目的に合ったものを選べます。オクタコアのMediaTek Helio G80 プロセッサーを搭載した9.0型大画面タブレットPC「Lenovo Tab B9 Android 12」が人気。大容量バッテリー搭載により、最大13時間の動画再生が可能です。
NECが手がけるブランド。価格は他のAndroidタブレットより高めですが、それに見合った性能の高さと手厚いサポートが人気を後押ししています。高スペックのため、ビジネスシーンでもプライベートシーンでも幅広い用途に使用できます。
サムスン電子が手がけるブランド。2022年にハイエンド向けの「Galaxy Tab S8」シリーズの一部モデルを投入して以降、日本での展開に再び注力。防水性と防じん性を備えたDynamic AMOLED(有機EL)搭載のタブレットPC「Galaxy Tab S9」は、価格.comプロダクトアワード2023のタブレットPC部門の大賞モデルです。
「Google Pixel Tablet」は、タブレットの基本機能に加えて、Googleフォトのアルバムをスライドショーで表示したり、スマートホームデバイスのホームハブとして利用できたり、スピーカードックに接続して迫力あるサウンドを楽しめたりなど、タブレット以上の付加価値を備えます。ただし、公式のスタイラスペンがないため、クリエイティブやビジネス用途には向かず、エンタメ用タブレットの側面が強いです。
Windowsタブレットの主なシリーズには、「Surface」「dynabook」「IdeaPad」があります。各シリーズの特徴をチェックしましょう。
「Surface」シリーズには、軽作業に向いている「Surface Go」、仕事や趣味にも使える「Surface Pro」、クリエイティブな作業向きの「Surface Book」の3種類があります。キーボードが標準付属するものと、そうでないものがあり、Surface Goにはキーボードは付属しません。Surface Proは、キーボードが付属するモデルと付属しないモデルがあります。Surface Bookは、基本的にすべてのモデルにキーボードが付属します。それでは、順にそれぞれの特徴を見てみましょう。
「Surface Go」は、コンパクトかつ軽量な点が魅力。エントリーモデルなので、価格も5万円台からとSurfaceシリーズの中では最も安価。ただし、動画編集などクリエイティブな作業には向いていません。
「Surface Pro」は、幅広い用途に使用できるためシリーズの中でも特に人気が高いです。価格の幅が広く、10万円を切るモデルから20万円を超えるモデルまでさまざま。高額なモデルの場合、ノートパソコンとそん色のないスペックであることも。重量は900g弱と少々重たいです。
「Surface Book」は、ノートパソコンとしての用途を重視したハイエンドモデル。スペックが高く、動画編集や音楽編集などクリエイティブな作業も楽々。しかし、画面サイズは13.5インチ〜15インチとタブレットとしては大型。また、キックスタンドがないためキーボードと切り離してタブレットとして使用する際に自立しない点がデメリットです。
キーボードとスタイラスペン、そしてスタンドカバーが標準で付属するモデルを展開。 スタンドカバーは本体にマグネットで装着することが可能。スタンドの出し方を変えることで、横向きにも縦向きにも使用できます。高い堅牢性を実現しているため、子どもに持たせても落として壊す心配が少ないです。
ここでは、タブレットPCを選ぶ際にチェックしておきたい、画面サイズやストレージといった重要スペックや機能について解説します。また、「イラスト・漫画制作」「動画視聴」「ゲームプレイ」など用途別にスペックの目安も記載しているので参考にしてください。
7〜9インチ未満は持ち運ぶことが多い人に向いています。9〜11インチ未満は、動画視聴やゲームプレイを大画面で行いたい人向け。少々重たくかさばるものの、持ち運ぶこともできます。13インチ以上の大画面ならば、ノートパソコンのように使用できるでしょう。
なお、イラストや漫画制作をする場合、最低でも10インチ以上あると効率よく作業できます。10インチ以上あれば、ツールパレットやレイヤーパレットなど作業パレットを出してもイラストを描画するキャンパスウィンドウが狭くならず、描きやすいでしょう。
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タブレットのストレージ容量は32GBや64GB、128GBや1TBと幅があります。購入後に「容量が足りなくなった」とならないよう、どれくらいの容量が必要か事前に試算しておくと安心です。
たとえば、VOD動画のダウンロードは画質や動画の長さにもよりますが、映画10本で約5GBの容量を使います。ゲームのアプリは、軽いものなら1GB程度ですが、重たいものだと1つダウンロードするだけで8GB以上のストレージを占有します。このほか、タブレットで撮影した写真の容量は、画素数にもよりますが1枚あたり2〜3MB。また、ページ数や画像の枚数によってファイルサイズは前後しますが、小説やビジネス書などテキストメインの電子書籍1冊の容量は約100MB、漫画や雑誌1冊の容量は約300MBを目安にするとよいでしょう。ただし、ストレージ容量が多いとその分タブレットPC本体の価格も高額に。このほか、メモリーカードスロット搭載モデルなら、挿入したカードの容量分をストレージとして使うことができます。
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容量が不足したらどうすればいい?
ストレージ容量が不足すると、当然ながら追加でデータを保存できないうえ、タブレットPCの動作が重くなるため不便です。写真や動画などのデータは適宜パソコンやSDカードなど他のストレージにバックアップするとよいでしょう。このほか、クラウドにデータをアップロードすることも可能です。
タブレットPCには大きく分けてWi-Fiを使って通信ができるものと、Wi-Fi通信に加え携帯回線を使って通信できるものがあります。
携帯回線を使って通信する場合は、通信事業者と契約する必要があります。事業者は大きく分けて2種類。docomo、SoftBank、auなどの大手キャリアと、大手キャリアから通信回線を借りて、通信サービスを提供している通信事業者です。
大手キャリアが回線契約とセットで販売しているタブレットPCは、「キャリアモデル」と呼ばれます。一方、任意の通信事業者のSIMカードを使用できるタブレットPCは「SIMフリーモデル」と呼ばれます。
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SIMカードには主に「nano-SIM」「micro-SIM」「標準SIM」の3種類があり、タブレットPCごとに使用できるSIMカードが異なります。新しく回線契約をする場合は、その契約で選択できるSIMカードの種類に対応したタブレットPCを選びましょう。また、既に持っているSIMカードを使う場合は、購入予定のタブレットPCが手持ちのSIMカードに対応しているかを必ずチェック。
なお、最初から端末に組み込まれていて、即座に契約情報を書き換えることができる「eSIM」というものもあります。海外で通信機能をすぐに使いたい場合など、即時性を重視する人に向いています。
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タブレットPCの主なインターフェースには「HDMI端子」「USB Type-C」「microUSB」などがあります。HDMI端子とは映像や音声を外部に出力できる端子。テレビやモニターなどにタブレットの映像を映し出すことができます。USB Type-CとmicroUSBは、主に充電や接続した外部機器間でデータをやりとりするのに使用します。USB Type-AなどそのほかのUSB端子を備えていれば、マウスやキーボードなどの外部機器を接続しやすいです。
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お風呂やプールサイドでタブレットPCを使う場合は、防水対応モデルを選びましょう。防水性能は「IPX◯」といった規格(等級)で表記されます。防水等級(IPX)は、0から8まで9段階あり、数字が大きいほど防水性能が高いことを示しています。「IPX8」は最高レベルの防水等級。ある程度継続的に水没しても筐体内部に浸水しません。「IPX7」は一時的に水没しても内部に浸水しない程度の防水性能。「IPX6」は、激しい水しぶきを受けても内部に水が入らない程度の防水等級です。
防塵性能とは、製品外部からの固形物の侵入に対する保護等級のこと。「IP0X」から「IP6X」までの全7等級に分かれており数字が高いほど防塵性能が高いです。
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顔認証や指紋認証が搭載されているモデルなら、登録された人以外はロックを解除したりその他の操作をしたりといったことができなくなるので安心です。また、マスクを付けたままタブレットPCを使うことが多い場合、マスクを外さずに済む指紋認証に対応した製品が向いています。
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NFCやMiracastなど、便利な通信機能も要チェック。NFCは「Near Field Communication」の略。非接触ICチップを使って、かざすだけで通信できる機能です。パスワード不要で周辺機器とペアリングできたり、写真や連絡先などのデータをやりとりしたりすることができます。Miracastとは、タブレットに表示された映像をワイヤレスでテレビに出力できる規格です。
通信機能から探す
GPS機能が搭載されているものであれば登山で方位を確認できたりお子さんに持たせて場所を確認したりといった用途に使用できます。
また、GPS機能が付いているとカーナビとして使うことも可能。通信費がかかりますが、「純正のカーナビよりも取り付けや導入が楽で安い」「最新の地図情報に簡単にアップデートできる」というメリットがあります。
OSとはOperating Systemの略で、端末を動かすためのソフトウェアのこと。iOS、iPadOS、Android、Windows、Chrome OSが代表的なOSです。iOS、iPadOSはAppleが開発したOS、AndroidはGoogleが開発したOSです。Windowsはマイクロソフトが開発したOSで、一般的なパソコンに搭載されているWindowsと同じOSであるための操作に慣れている人にとって使い勝手がよいでしょう。Chrome OSは、Androidを開発したGoogleが設計したOSで、Chrome OSを搭載したタブレットがChrome bookです。
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子どもにタブレットを使わせる場合は、耐衝撃性の高いモデルだと安心です。落としたりかばんをどこかにぶつけたりしても、壊されずに済みます。また、キッズモード搭載モデルなら、年齢に応じたコンテンツが表示できたり、不適切なアプリにはロックをかけられたりするので便利。時間制限機能付きモデルなら、気づかない間に使い過ぎることもありません。複数アカウントを切り替えられるモデルもあり、切り替えることによって、親子や兄弟で同じタブレットを共用で使うことができます。
専門性、用途が違います。
液晶タブレットやペンタブレットは基本的に絵を描くための機器です。PCに接続して使用することが前提です。タブレットPCの場合は、PCに接続することなく絵を描くことができますが、絵を描くための専門的な機器ではないため、描きやすさは液晶タブレットやペンタブレットに比べると劣る場合があります。
SIMロック解除
docomoやau、SoftBankなどの大手キャリアで契約したスマホやタブレットにはそのキャリアのSIMカードしか使用できないSIMロックという制約がありました。今現在はSIMロックが原則禁止されているため、ロックを解除し別途自分で購入したSIMカードを使用することができます。