ノートパソコンの選び方
最近はパソコンといえば固定式のデスクトップではなく、携帯性や利便性に富んだノートパソコンが主流になってきています。それだけにノートパソコン選びには、各パーツの性能だけでなく、サイズや重量、ディスプレイ、インターフェイスなど、確認すべき項目がデスクトップ以上にあります。ここでは、そんなノートパソコンの選び方を解説します。
2024/10/24 更新
常に持ち歩いて使うモバイル用途のユーザーに人気なのが、携帯が苦にならない1.3kg未満の軽さで、かつディスプレイは13.3インチ以下のモデルです。なお、モバイル性優先とはいえ使用用途ごとに性能を選ぶことが可能です。文書作成メインであればCPUをCore i3クラスまでに抑えた低価格製品。仕事で使うならCore i5〜7クラスの高性能CPU搭載機種などもあります。
ノートパソコンながらあまり移動せず、デスクトップパソコンのように使われるのがこのタイプです。画面サイズは15.6インチ以上と大きめで、動画視聴時も大きく映せるほか、同じ解像度であればディスプレイが小さいパソコンよりも大きく表示されるため、文字なども見やすく快適です。また、本体が大きい分、キーボードスペースにも余裕があり、製品によってはテンキーも搭載され、入力が楽なのもポイントです。
タッチ操作できるWindows10やWindows11のメリットを最大限生かせるのが、パソコン利用もタブレット利用もできる2in1モデル。キーボードが脱着できるセパレートタイプと、360度回転してたためるコンバーチブルタイプがあります。
現在パソコンでのゲームプレイも一般的ですが、快適に遊ぶ場合は処理速度や表示速度などパソコンの性能が非常に重要となります。そこでゲームに重要なスペックを満たすよう作られた「ゲーミングPC」と呼ばれるパソコンが人気です。これらであれば、処理の重いゲームであってもサクサク遊べます。また、ゲーミングPCは性能が高いため、普通の用途に使っても快適に作業ができます。
ノートパソコン選びは、どんなスタイルで使いたいのか、どんな用途で使いたいのかを明確にすることが大事です。用途がハッキリすれば、必要な性能も必然的に見えてくるでしょう。
※なお、用途別の推奨スペックは目安です。
常に持ち歩いて使いたいけど、その用途がネット閲覧やメールのチェック、文書の作成程度であれば、高性能なノートパソコンは不要です。1kg未満で画面は13.3インチ程度、CPUは処理能力にすぐれたインテル 「Core i5(AMD製CPUなら「Ryzen 5」)以上を選ぶとよいでしょう。
複数のソフトを使っての作業や簡単な画像編集など、文章作成より負荷の大きな作業を快適に行いたい場合は、しっかりした性能が必要です。また、頻繁に携帯するのであれば、耐衝撃性が高く、起動やスリープ復帰が早くすぐ作業が始められるSSD搭載モデルが向いています。
文書作成などの作業、あるいは動画再生含むエンタメなど、さまざまな用途に使う自宅用パソコンなら、画面サイズは大きめの15.6インチ以上が最適です。また、長く使いたいのであれば、CPUは余裕をみてスタンダードクラス以上、メモリーやストレージも多いほどベターです。
グラフィック作業や動画編集を行いたいなら、高性能CPUや大容量メモリー、ビデオチップを搭載した高性能モデルが最適です。また、これらの高性能パソコンであればゲームプレイも可能です。
ノートパソコン選びとは、利用スタイルや用途に適した性能のパーツが揃った製品を見つけることです。重視すべきパーツを見極めておくとパソコン選びがスムーズになります。ここではパソコン選びの基本となる各パーツの選び方を解説していきます。
一部のモデルは購入時にパーツを選ぶことができます。これらのモデルは「Build To Order(受注生産)」を略して「BTOパソコン」と呼ばれています。必要な性能のパーツを選べるので、より用途にマッチしたモデルを購入できます。NECなどの国内メーカーもパーツ構成の変更が可能です。また、最近は店頭に在庫をあまり置かないケースも多く、購入してもすぐに持ち帰れるとは限りませんので注意が必要です。
CPUはあらゆる作業の処理を行うパソコンの頭脳で、この性能が高いほど複雑な処理を効率良くこなせます。性能は「Core ○」などCPUのシリーズ名と、その後ろにつく数字が大きいものほどハイエンドです。これまでは「Core i」シリーズを販売するIntelが絶大なシェアを誇っていましたが、2019年にこの勢力図が大きく変化。Intelと同等以上の性能ながら価格を抑えた「Ryzen」などAMD製CPUのシェアが拡大。AMD製CPU搭載パソコンも増加傾向です。ただ、どちらも高性能なので、一般的な使い方の場合、用途に合えばどちらを選んでもかまいません。Intel製CPUとAMD製CPUのクラス分けや適した用途は表を参照してください。そのほか、最近ではAndroidスマートフォン向けのCPUで知られるQualcomm(クアルコム)のノートPC向けCPU「Snapdragon」Xシリーズも人気。高性能かつ電力効率も非常に高いため、注目度が高くなっています。
区分 | Intel | AMD | Qualcomm | 代表的な用途 |
---|---|---|---|---|
超ハイエンド | Core Ultra 9 Core i9 |
Ryzen 9 | Snapdragon X Elite | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム、動画編集、動画配信、コンテンツ制作 |
ハイエンド | Core Ultra 7 Core i7 |
Ryzen 7 | Snapdragon X Plus | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム、動画編集、動画配信 |
スタンダード | Core Ultra 5 Core i5 |
Ryzen 5 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム | |
Core i3 | Ryzen 3 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴 |
Intel
AMD
Qualcomm
CPUはシリーズや型番、コア数、動作周波数など、製品にさまざまな数字が付いています。Intelの「Core プロセッサー」は、次世代以降の製品に関しては「Core i」の「i」が廃止され、「7/5/3」の数字だけの表記となります。また、これまで「第〇世代」と表記されていた世代を示す数字(14/15など)がシリーズ番号(150Uの「1」の部分)に変更。次世代からは「Core プロセッサー シリーズ〇」と表記されます。なお、ブランドレベルとSKU番号は、数字が大きいほど高性能です。サフィックスは、「グラフィックス搭載の有無」「ハイパフォーマンス」「低消費電力」などの特徴を表しています。
CPU世代で選ぶ
NPUとは「Neural network Processing Unit」の略で、機械学習のアルゴリズムの演算処理を担います。もう少し簡単に言うと、リアルタイム翻訳や画像生成などのAIタスクに特化したプロセッサーです。NPUの性能や処理速度を測る際に使われるのがTOPS。これは「Trillions of Operations Per Second」の頭文字を取ったもので、1秒あたり何兆回の演算をできるかという指標です。TOPSの値(数字)が大きいほど、性能や処理能力が高いと言えます。
NPU性能で選ぶ
AI処理をスムーズに実行できる「Copilot+ PC」とは?
Copilot(コパイロット)とは、Microsoftが開発したAIアシスタント機能です。無料版の「Copilot in Windows」のほか、有料版の「Copilot Pro」などがあります。テキストや音声で入力した質問に答えたり、情報を検索したりするAIチャット機能のほか、書類やWebページから重要なポイントを抽出し要約したり、ユーザーが依頼した文章や画像を生成したりと、さまざまなタスクをこなします。このCopilotの機能を活用し、AI処理をスムーズに実行できるWindows PCが「Copilot+ PC」です。高性能NPUを内蔵し、すぐれた処理能力を発揮。リアルタイム翻訳や画像生成など、AIを多用する作業をスピーディーに実行します。なお、Microsoftは、「Copilot+ PC」のハードウェア要件として以下の最小システム要件を挙げています。
容量 | 用途 |
---|---|
8GB | ネットサーフィンなどの日常使い |
16GB | オフィスソフトなどを複数使用するビジネスシーンでの作業 |
32GB | オンラインゲームや3Dゲーム、ゲームの実況動画配信 |
64GB | 4K解像度以上の動画編集、RAW現像などのプロユース |
メモリーは、CPUによって実行されるプログラムやデータなどを一時的に記憶しておくための役割を果たします。メモリー(記録スペース)が大きいほど複数の作業を効率良くこなすことができ、パソコンは高速に動作します。Microsoft Officeなどのアプリケーションを使用した事務処理や、WEBの閲覧といった比較的軽めの作業でも、最低8GBのメモリーを搭載した製品を選びましょう。WEB会議でプレゼンテーションを行うなど、複数のアプリケーションを同時に起動する場合は、16GB以上のメモリーを搭載した機種を選んでおくと安心。快適さを重視するなら、メモリー16GB以上の製品を選びましょう。
メモリー容量で選ぶ
データを保存しておくストレージにはHDDとSSDがあります。現在は、衝撃に強く、高速な読み書きが可能なSSDを搭載した製品が主流です。事務作業など一般的な用途であれば256GBでも十分ですが、画像編集のようなクリエイティブな作業では512GB以上、大容量データを扱うゲームや動画編集で使用する場合には1000GB(1TB)以上のSSD搭載製品を選ぶとよいでしょう。なお、SSDは性能面ではいいことばかりですが、HDDと比較すると価格が高いというのが難点。そのため、据え置いて使うようなノートパソコンの場合、SSDとHDDの両方を搭載したモデルもあります。
SSDの容量で選ぶ
ディスプレイは大きいほうが見やすいものの、それにともない本体も大きくなります。持ち運ぶなら13.3インチクラス以下のサイズがいいでしょう。サイズに加えて解像度も重要です。最近は画面内の表示ピクセル数が多い高解像度ディスプレイ搭載モデルもあり、これらは小さな画面でも広い作業領域を確保できます。小さな文字が見づらい場合は、大きなディスプレイのモデルを選んで解像度を下げると、大きく表示されて見やすくなります。また、クリエイター向けパソコンなどを中心に液晶よりも高いコントラストや速い応答速度の有機ELを搭載した製品も登場しています。表示にこだわるのであればこの辺りもチェックするといいでしょう。
大画面の外部モニターを使えば、作業スペース&見やすさが◎
近年のノートパソコンは外部出力を搭載したものも多く、デスクトップ用のモニターに画面を映すことができます。小型ノートを持ち歩いて使い、より広いスペースで作業したい自宅では大画面モニターに接続、といった使い方をすると便利です。
コスパにすぐれる中国のPCベンダーで、とにかく安く、出荷台数では世界一を誇ります。2004年にIBMのPC部門を買収し、ThinkPadブランドも手掛けるようになりました。コンパクトなサイズで持ち運びに適した「ThinkBook」シリーズや、ビジネス向けのノートパソコン「ThinkPad」シリーズ、入門モデルの「IdeaPad」シリーズなどを展開しています。
Dellは、BTOでの販売をいち早く手掛けた米国のパソコンメーカー。そのコスパとカスタマイズ性の高さで業界トップに登りつめ、ひと昔前は企業内のPCはほぼDell、という時期があったほどです。現在も世界中に相当な台数を出荷しており、量産の利点として1台あたりのコストを安くできるのが特徴。主流のInspironシリーズをはじめ、ゲーム向けのGシリーズなど、豊富なラインアップも魅力です。
NEC(日本電気株式会社)は、1899年に創業した情報通信機器の製造・販売を行うメーカーです。NEC製のパソコンであれば、電話やチャットでの使い方相談が無料なことから、初心者にもやさしいノートパソコンとして長年親しまれています。ノートパソコンでは「LAVIEシリーズ」を展開。品質の良さと充実したサポート体制に定評があります。
3万円台のモバイルからハイエンドまでを展開するHP。販売台数は世界トップクラスです。そのうちのスタンダードに位置する「Pavilion」シリーズは、B&O Playの技術を採用したスピーカーを搭載したモデルや、ノートPC用のグラフィックチップを搭載したモデルをラインアップするなど、高い基本性能に+αの魅力を備えた製品がそろっています。
1993年から販売されている老舗ブランドの1つです。ノートパソコンの一部は島根県出雲市で組み立てられており、高品質な国産をアピールしています。主要シリーズの「LIFEBOOK」を中心に、モバイル用、据え置き用など、豊富なラインアップを展開しています。
ノートパソコンの祖といえるDynabookシリーズは、モバイルノートから大画面ノート、タブレットから2in1までさまざまなスタイルの製品をラインアップしています。たとえばTシリーズの製品群の場合、CPUはCore i7からCeleronまで用意されている中から選べるなど、予算や用途に応じた選択が可能です。
WindowsやOfficeでソフトメーカーの印象が強いマイクロソフトが2012年から展開しているのが「Surface」です。キーボードと一体化した特徴的なカバーを備えているので、タブレットのように使用しつつも、文字入力のストレスがなく便利です。人気のSurface Laptopは10点のマルチタッチに対応するタッチパネルを搭載しています。
「軽くて丈夫で長時間駆動」、特にビジネスでの使用にこだわっているブランドです。SVはコンパクトなボディに光学ドライブを内蔵。外出先での接続を考慮してアナログRGBなど豊富なインターフェイスを備えます。また、着脱式の大容量バッテリーはFVシリーズで最大約22時間駆動可能。バッテリーのみを買い替えることができるため、蓄電能力が低下しても本体を長く使えます。
台湾のPCメーカーで、読み方は「エイスース」と読みます。マザーボードなどのパーツを作っていましたが、現在ではノートパソコンも積極的に投入しています。比較的安価な製品が多い中、ビデオチップを搭載したゲーミングノートPCやパームレスト中央にタッチスクリーンを搭載した「ZenBook」といったユニークな製品も展開しています。
CPUはさまざまな処理を行う、言わばパソコンの頭脳で、現在はIntelの「Core」シリーズとAMDの「Ryzen」シリーズが主流です。現行のCPUは処理を行う「コア」と呼ばれる部分を複数搭載した「マルチコア」が主流で、コア数が増えると処理能力も上がります。また、「スレッド数」はCPUが同時に処理可能な作業の数で、こちらも多いほどトータルの処理能力が上がりますが、その分高価になり、消費電力も大きくなります。ちなみにこの2つは「8コア16スレッド」のように記述され、この場合だと8つのコアで16のスレッドを同時に処理可能という意味です。用途に合わせて適切に選びましょう。
2023年12月にインテルが投入した新型プロセッサー「Core Ultra」シリーズの最上位のCPU。「Core Ultra 9 プロセッサー 185H」は16コア22スレッドで、さらに内蔵GPUに「Intel Arc graphics」を搭載しており、高負荷なクリエイティブ作業やゲームなどの用途に向きます。
「Core Ultra」シリーズの上位CPU。ハイパフォーマンスの「H」シリーズと、低消費電力にフォーカスする「U」シリーズがラインアップされています。「H」シリーズは「Core Ultra 9」と同様に「Intel Arc graphics」を内蔵GPUに搭載。高負荷なグラフィック処理が求められる作業にも対応できます。
「Core Ultra 7」と同様に「H」シリーズと「U」シリーズをラインアップ。14コア、18スレッドと高い処理性能を備えています。「Core Ultra」シリーズの上位モデルには及びませんが、そこまで負荷の高い作業はせずに、NPUを手軽に試したい人にはちょうどいいCPUといえます。
「Core i」シリーズの最上位CPUです。「Core i7」を超える超高性能CPUで、「Core i9-10980HK」は8コア16スレッド処理が可能。最新のゲームや動画編集など高負荷の用途に向きます。
最高で8コア8スレッドや6コア12スレッドという高い処理性能を持ち、ハイエンドモデルに搭載されています。動画編集のような高負荷の作業に向いています。
中堅CPUです。Officeで複数の文書を作成したり、さまざまなアプリケーションを同時に起動して作業したりするような人に向いています。
2ないし4コアのCPUで、Core iシリーズでは一番性能が低いエントリーモデルです。とはいえ、十分な性能を備えており、ネット利用や文書の作成なら問題なく利用できます。
エントリー向けのCPU。初代Celeronが1998年に登場してから、性能はそこそこですが安い点が支持され、以降も進化を続けてきました。
AMD製CPU「Ryzen」シリーズの最上位モデルでIntelのCore i9と競合します。4000シリーズは最大8コア16スレッドを搭載し、複数のタスクも高速に処理可能。また、高性能なGPU(画像処理回路)を内蔵しており、高負荷なゲームやコンテンツ編集などにも対応します。
Ryzenシリーズの上位モデルでIntelのCore i7と競合します。Core i7シリーズよりも価格は安めながら、ノートパソコン用では高い性能クラスのGPUを内蔵し、高負荷用途にも使える高コスパモデルです。
Ryzenシリーズの中堅CPUでCore i5と競合します。4コア8スレッドを搭載しており、処理が軽めのゲームを楽しんだり、複数の作業を並行して行ったりする場合などに向きます。
Ryzenシリーズではエントリーにあたるモデルで、比較的低価格なパソコンに搭載されます。しかしながら、Ryzenシリーズ自体がAMDのCPUの中でも高性能な製品なので、メールやウェブ閲覧といった用途には十分すぎる性能です。
Androidスマートフォン向けのCPUで知られるQualcomm(クアルコム)のノートPC向けCPUです。12コアの「Snapdragon X Elite」と10コアの「Snapdragon X Plus」がラインアップされています。まだまだ新しいCPUですが、高性能かつ電力効率も高いため注目度が高まっています。ただし、インテル/AMDと異なるアーキテクチャーになるため、一部アプリが動作しないケースが考えられるので注意が必要です。
OSは今後のスタンダードとなる新OS「Windows 11」をベースに選びましょう。「Windows 11」を搭載した製品の中に希望のスペックのモデルがない場合は「Windows 10」搭載製品を選ぶのもよいでしょう。ただし、「Windows 10」は2025年にサポートが終了するため注意が必要です。また、数は少ないですがGoogle製のChrome OSを搭載したパソコンもあります。
2021年10月に公開された新OS。OS自体にチャット機能「Chat」が統合されておりMicrosoftアカウントを使って自由にチャットを楽しめたり、ウィンドウをリサイズして整列する「スナップ機能」が強化され使いやすくなったりしているなど、機能やデザインがWindows 10から大幅に変更されています。
「Windows 10」は、2025年10月14日にサポートが終了することが発表されています。対象エディションは「Home」と「Pro」。新OSである「Windows 11」を搭載した製品が増えているため、価格差があまりないのであれば「Windows 11」を選んだほうがよいでしょう。
Googleが開発したOSです。いくつかの海外メーカーから搭載モデルが発売されており、3万円前後と安いのが魅力です。「Chrome Web Store」からさまざまなアプリケーションをインストールできます。
Microsoft Officeの契約形態としては、「契約更新型」(=「Microsoft 365 Personal」)、「買い切り型」(=「Office 2021」)の2種類があります。契約更新型の場合、月額あるいは年額の利用料が発生しますが、常に最新版が利用できます。一方、買い切り型は、最新版にアップグレードすることはできないものの、毎月の支払いは発生せず、料金は購入時の費用のみで済みます。
買い切り型を購入するには、Microsoft Office製品があらかじめインストールされているパソコンを購入する方法(=プリインストール版)、Microsoft Office公式サイトでライセンスを購入する方法(=ダウンロード版)、紙にプロダクトキーが記載されているPOSAカードを購入しMicrosoft Office製品を有効化する方法(=POSAカード版)の3種類があります。プリインストール版は、パソコン代にその価格が含まれており、ダウンロード版・POSAカード版よりも割安ですが、購入したそのパソコンでしか使用することができません。一方、ダウンロード版・POSAカード版は、製品をインストールしたパソコンが壊れたとしても、新しいパソコンに移行することができます。
契約更新型の「Microsoft 365 Personal」(月額1,284円/年額12,984円)は、Windows、Macの両方のOSに対応しており、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットにもインストールすることができます。台数は無制限で、同時ログインが5台まで可能なため、複数のパソコンでデータを共有して使う人に最適。Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Access (Windowsのみ)、Publisher (Windowsのみ)を使うことができます。
買い切り型のMicrosoft Office製品としては、「Office Personal 2021」と「Office Home & Business 2021」が、個人ユーザー向けに主にラインアップされています。「Office Personal 2021」ではWord、Excel、Outlookを使用することができます。「Office Home & Business 2021」ではWord、Excel、PowerPoint、Outlookを使用することができます。
形態によるOfficeの違い
「Microsoft 365 Personal」 | 「Office Personal 2021」 | 「Office Home & Business 2021」 | |
---|---|---|---|
コスト | 月額1,284円 年額12,984円 |
プリインストール版:パソコン代に含まれる ダウンロード版:32,784円 POSAカード版:店舗で異なる |
プリインストール版:パソコン代に含まれる ダウンロード版:38,284円 POSAカード版:店舗で異なる |
ライセンス | 月間または年間契約 | 永続 | 永続 |
インストール台数 | 無制限 | 2台まで | 2台まで |
アップグレード | ○ 常に最新版 |
× | × |
使用可能ソフト | Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、 Access (Windowsのみ)、Publisher (Windowsのみ) |
Word、Excel、Outlook | Word、Excel、PowerPoint、Outlook |
薄型テレビやスマートフォンと同じく、ノートパソコンでも有機ELをディスプレイに採用したものが登場しています。従来の液晶との違いを簡単に確認しておきましょう。
バックライトの光を液晶を制御して遮り、前面にあるカラーフィルターを通して表示します。IPSやVAなどの方式によって違いはありますが、見る角度によって色が変わる、あるいは応答にやや時間がかかるなどは液晶の欠点です。逆に寿命が長いことや価格が安いなどの長所があります。
素子そのものが光るためバックライトを必要とせず、また、遮断されないためコントラストが高く、明暗差や黒の表現が得意で高画質です。また、応答速度も高速なので残像感も液晶より少なくなります。ただし、液晶よりも寿命が短い、あるいは焼きつきが起きやすいなどの欠点もあります。
Solid State Driveの略で、HDD同様にデータを記録するストレージのことです。ディスクに磁気で記録するHDDと違い、SSDはフラッシュメモリーに電気的に記録するので読み書きが高速なのが特長です。また、物理的な駆動箇所がないため、故障しにくいのもメリットです、HDDと比べるとまだ容量に対して高価です。
無線LANの規格です。Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)の転送速度は最大9.6Gbps。最新規格の「Wi-Fi 7 (IEEE802.11be)」では、最大46Gbpsとなっています。なお、各規格の転送速度を実現するには、パソコンと無線LANルーターの両方がその規格に対応している必要があります。
Near field communicationの略で、近距離無線通信という意味です。NFCを搭載するスマホをかざすだけでデータをやり取りしたり、SuicaやPASMOなどのICカードの利用履歴を確認できます。
ノートパソコンの映像と音声を大画面ディスプレイやプロジェクターなどに出力するための端子です。
デジタル機器用の近距離無線通信規格で、ほとんどのノートパソコンに搭載されています。USB端子の少ないノートパソコンで活躍してくれる機能で、マウスやキーボード、ヘッドホンなどをワイヤレスで接続できます。
64ビットが主流ですが、32ビットを選んだほうがよい場合も。
昔の個人用PCでは32ビット版が主流だったのですが、現在は64ビット版が主流となっています。動画編集などを行う場合や、複数のソフトを同時に起動して作業を行う場合など、大きなメモリー容量を必要とするのであれば、メモリーを有効活用できる64ビット版を選んだほうがよいでしょう。一方、ストレージ容量が小さいモバイルパソコンを使用したり、古いソフトを使ったりする場合などは32ビット版が最適です。
Pro版のほうが機能が充実しています。
企業で利用するドメインログインや暗号化機能の「Bitlocker」、「リモートデスクトップ」のサーバー機能などが利用できます。
「価格.com限定モデル」で探してみましょう。
限定モデルは同じ価格でもワンランク上のグレードのCPUを搭載していたり、大容量のストレージを搭載していたりすることがあります。
ノートパソコンのメモリースロットに空きがあれば可能です。
対応メモリーを購入し、パソコンの説明書に書いてあるとおりに作業すれば簡単に増設できます。メモリー選びや交換が不安なら、販売店やメーカーのサポートに相談しましょう。
メーカー保証期間終了後の修理の場合、修理代金が高額になり、安い新品が購入できるほどの金額になることも珍しくありません。
長期間使いたいと考える人は、延長保証に加入したほうが安心でしょう。
メーカー修理の場合は、ほぼ確実にリカバリー(工場出荷状態への初期化)への同意を求められます。
故障箇所によってはリカバリーせずに戻ってくることもありますが、基本的にはデータをバックアップしてから送るようにしましょう。
インターフェイス
そのパソコンが搭載するUSB端子や音声出力端子、マイク入力端子など、外部機器の接続端子のことを指しています。
光学ドライブ
DVDやブルーレイディスクを読み込んだり、書き込んだりできる装置のこと。モバイル用途のモデルでは非搭載のものが多いです。
ストレージ
OSやデータを保存する記録装置のことで、HDDやSSD、eMMCを指します。HDDは磁気で金属ディスクに記録し、SSDやeMMCはフラッシュメモリーに電気で記録します。
無線LAN(Wi-Fi)
ワイヤレスでインターネットや家庭内ネットワーク(LAN)に接続する機能で、「Wi-Fi」(ワイファイ)とも呼ばれます。ほぼすべてのノートパソコンに搭載されており、IEEE802.11a/b/g/n/ac/axなど複数の規格があります。現在は規格をわかりやすくするために、最新となる6番目のWi-Fi規格である「IEEE 802.11ax」を「Wi-Fi 6」と呼称。それにともなって1つ前の「IEEE 802.11ac」は「Wi-Fi 5」、2つ前の「IEEE 802.11n」は「Wi-Fi 4」と呼ばれます。高速通信を行いたいなら、「Wi-Fi 5」や「Wi-Fi 6」に対応した製品を選びましょう。
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