扇風機・サーキュレーターの選び方
ここでは、「扇風機とサーキュレーターって何が違うの?」「羽根なし扇風機ってどう選べばいいの?」など、扇風機・サーキュレーターといった冷涼家電を選ぶ際に浮かぶ疑問を解決します。また、据置きや壁掛け、卓上や首掛けなど、使用シーンに合った設置タイプの選び方も解説。自分に一番合った製品を選ぶポイントを紹介します。
2024/7/19 更新
目次
送風するための家電には、扇風機や羽根なし扇風機、送風機やサーキュレーターなどさまざまな種類があります。まずはそれぞれの違いをチェックしましょう。
筐体内の細長い板状の羽根を回転させて、送風口から風を出す家電。縦長デザインのモデルが多いため、「スリムファン」や「タワーファン」と呼ばれることもあります。省スペースなのでコンパクトな部屋での使用に向いています。筐体の幅が扇風機より狭いため、出せる風の幅も狭いです。
冷風扇とは、水が蒸発する際の気化熱を利用して、冷えた風を出す家電。動作音が大きくなりがちな点がデメリットです。一方、冷風機は本体だけでエアコンの室内機と室外機の両方の機能を持ち、冷たい風を出す家電。エアコンが設置できないような場所でも設置工事なしで使うことができます。ただし、部屋全体を冷やす能力はありません。また、本体の後ろから熱風が出るためダクトなどで熱風を外に排出する必要があります。
風と一緒にミストを出す家電。冷たいミストで涼むことができます。室内で使用する場合は、精密機器の近くで使用しないよう注意しましょう。屋外で使用するタイプなら、真夏日にガーデニングをしているときなどの熱中症対策に役立ちます。
次に、扇風機、羽根なし扇風機、サーキュレーター、送風機のそれぞれの選び方を紹介します。まずは扇風機の選び方から見てみましょう。
据置き扇風機
最も一般的なタイプの扇風機です。複数人で使用する場合は、左右に動く自動首振り機能があると便利です。立っている際に使用するなら、左右に加えて上下にも自動で首を振ることができる機能があるとよいでしょう。また、首を360度振ることができるモデルの場合、部屋全体の空気を立体的に循環させることが可能です。このほか、中間のポールを外すなどしてショートサイズの卓上タイプになるモデルもあります。
壁掛け扇風機
壁に掛けて使用するタイプの扇風機です。床に置かないため、生活導線の邪魔にならない点が魅力。子どもやペットの手が届かないため、コードをかじられたり、扇風機の羽根を触られたりする心配も少ないです。手の届きづらい場所に設置するなら、リモコン付きの製品が便利。ただし、設置の手間がある点がデメリットです。
クリップ式扇風機
机や本棚などにクリップでとめて使うタイプの扇風機です。机などのふちに挟んで使うため、置き場所をあまりとらない点が魅力。コンパクトな製品が多いので、手軽に移動させて使うことができます。また、平らな場所に置いて卓上タイプとしても使用できる2Wayタイプもあります。昼はデスクにクリップでとめて使い、夜は寝室のサイドボードに置くといった使い方ができます。
卓上扇風機
棚や机など、平らな場所に置いて使うタイプの扇風機。充電式の製品もラインアップされており、コードレスで使用できる点が魅力です。また、置き場所が狭いなら幅120〜150mmの手のひらサイズの製品が向いています。このほか、携帯タイプとして使える製品もあり、通勤の際は手で持って使用し、会社に着いた後はデスクに置いて使用するといった使い方が可能。
幅で卓上扇風機を探す
持ち運ぶなら、携帯扇風機や首掛け扇風機が向いている
携帯扇風機
手で握って使う扇風機。傘に取り付けて使える製品や、付属のベルトをベビーカーなどに巻きつけて使える製品ならハンズフリーで使用可能です。充電式が主流で、充電した携帯扇風機をモバイルバッテリーとして使える製品もあります。また、クリップ式、卓上扇風機としても使える3Wayタイプもあります。
首掛け扇風機
首から掛けて使うタイプの扇風機です。ハンズフリーで涼むことが可能。卓上扇風機としても使える製品が多いです。髪が長い人は、扇風機に髪が巻き込まれないよう、巻き込み防止用のネットやカバーが付属する製品だと安心です。
空気を消臭できるプラズマクラスター扇風機を多くラインアップしています。部屋干し衣類の生乾き臭やソファに染みついた料理臭、タバコの付着臭が気になる人に向いています。高さ110cmのハイポジション設定で、人に風を当てずに部屋の空気を循環させるモデルも人気です。
高級モデル「GreenFan」シリーズを展開。独自技術「グリーンファンテクノロジー」により自然界の風を再現することで、ムラのない心地よい風を楽しむことができます。バルミューダらしいデザイン性の高さも魅力の一つ。
表示ランプが暗くなり操作音が消える「減灯&消音」機能を搭載したモデルや、うちわであおいだような自然でやさしい風を出せるモデルをラインアップ。上方向に約90度の角度まで調節できるため、天井付近の空気もかくはん可能なモデルも人気です。
サーキュレーターの機能も搭載した1台2役の扇風機が人気です。また、「衣類乾燥モード」を搭載した扇風機や、送風角度によって風量を調整し、直接風が当たることによる体の冷えを軽減できる扇風機もラインアップしています。
空気清浄機能付きなら、空気中の花粉やPM2.5などを除去することが可能。除去できるものは製品によって異なります。デメリットは、基本的にフィルター交換が必要なためランニングコストがかかる点。また、ヒーター機能が搭載されたモデルなら温風を出すことができます。夏は扇風機として、冬はヒーターとして使用できるため、一年中活躍します。このほか、羽根なし扇風機・空気清浄機・ヒーターの3役をこなすことができる製品もあります。
畳やラグ、座布団の上に座っているときに使うなら、高さが550〜800mm程度の製品を選びましょう。ソファやダイニングチェア、PCチェアに座っているときに使うなら、高い位置にも送風できるよう800mm以上の製品を選ぶとよいでしょう。また、机で使うなら卓上タイプの羽根なし扇風機が向いています。
ダイソン(dyson)
空気清浄機能付きの羽根なし扇風機を多く展開しています。PM0.1レベルの微細な粒子を99.95%除去できるモデルや、空気中の花粉やウイルス、バクテリア、PM2.5を除去できるモデルが人気です。このほか、静音性の高いモデルやLEDディスプレイを減光する「ナイトモード」を搭載した便利なモデルも展開しています。
すぐにわかる! 扇風機の選び方 これだけは押さえておきたいポイント
サーキュレーターには、「適応畳数」を記載したモデルがあります。適応畳数とは、空気を循環できる部屋の広さがどれくらいなのかを示したもの。「8畳」や「14畳から20畳」などと表記されます。実際に使う部屋の広さにあったモデルを選びましょう。
適応畳数で選ぶ
サーキュレーターで洗濯物を乾かすなら、広範囲に送風できる左右の自動首振りモードを搭載したモデルが向いています。また、上下の自動首振りにも対応したモデルなら、さらに広範囲に風を当てることが可能。このほか、衣類乾燥モードを搭載したモデルも便利です。モデルによって機能の詳細は異なりますが、「中央にある洗濯物には風を弱く、端にある洗濯物には風を強く当てる」機能であることが多いです。これにより、乾燥ムラを防止することができます。
すぐにわかる! サーキュレーターの使い方 これだけは押さえておきたいポイント
畳やラグ、座布団の上に座っているときに使うなら、高さが550〜800mm程度の製品を選びましょう。ソファやダイニングチェア、PCチェアに座っているときに使うなら、高い位置にも送風できるよう800mm以上の製品を選ぶとよいでしょう。また、机で使うなら卓上タイプの送風機が向いています。
モーターをチェック
従来、扇風機や送風機などのモーターにはACモーターと呼ばれるモーターが搭載されていましたが、現在はDCモーターを搭載した製品がとても多くなりました。DCモーターとは、直流で動作するモーターです。「省エネ性能が高く電気代が安い」「動作音が静か」「風量を細かく調整できる」といったメリットがあります。ただし、本体価格が高めです。ACモーターは、交流で動作するモーターです。DCモーターに比べて本体価格が安い点が魅力。ただし、「電気代はDCモーターより高くなりがち」「静音性が低い」、「弱・中・強など3段階程度しか風量を調整できない」などのデメリットがあります。
DCモーター搭載製品を探す
ACモーター搭載製品を探す
広い部屋で使う場合などは、リモコンが付属しているモデルだと遠隔操作が可能なので便利です。スマートフォンから操作できるモデルも登場しています。
小さな子どもがいる家庭で使用する際は、チャイルドロック機能が搭載されていると安心です。仕様はモデルによって異なりますが、チャイルドロック設定時に「運転停止動作とロック解除以外の操作をできなくする」というモデルが多いです。
タイマーは、とくに就寝時に使える便利機能です。長時間体に風が当たり続けることによる体温低下を防ぐことができます。
脱臭・消臭ができる機能です。ペット臭やタバコ臭、衣類の生乾き臭や料理臭など、対応できる臭いは製品によって異なります。
運転停止前の状態を記憶し、運転を再開したときに同じ設定で運転できる機能です。
風の強さを調節できる、標準的な機能です。安価なモデルの場合は3段階程度、高級モデルの場合は12段階など細かく調節できるものが多いです。
風量がリズミカルに変化する機能です。自然の風のように不規則な風を出すことができます。
一般的なモデルよりも高さがあるタイプです。ダイニングの椅子など、高い位置に座っている際に便利です。高さを変更できるモデルが多く、たとえばソファに座っているときは高さを低めに設定することができます。
風の心地よさにこだわるなら、羽根の枚数が多いものを選ぶ
羽根の枚数は多くなるほど自然でやさしい風を出すことができます。ただし、枚数が多いほど本体価格が高くなる傾向にあります。
羽根の枚数で製品を探す
センサーで温度を感知する機能です。高温になると光や音で知らせてくれるモデルや、自動で風量を調節してくれるモデルがあります。
人がいることを感知し、自動で運転してくれる機能です。
昔ながらの押しボタン式の製品です。リモコンには対応しておらず、タイマーもダイヤルのアナログ式であることが一般的です。
マイクロコントローラの略で、電子制御で動きます。ほとんどのモデルがリモコンに対応しています。
冷房補助や暖房補助など、目的によって設置する場所が異なります。
サーキュレーターを使って冷房補助を行う際は、冷房機器が設置された側の壁から部屋の中心に向け、斜め45度の角度で運転させます。暖房補助を行う場合は、暖房機器に対して対角線上の隅にサーキュレーターを置き、部屋の中心に向けて斜め45度の角度で運転させます。このほか、換気をしたい際は窓に向かって運転させ、就寝時はベッド下に風が入るよう床と並行に送風します。
気化熱
液体が気体になる際、周囲から吸収する熱のこと。冷風扇は、気化熱を利用して冷たい風を出すことができます。
ペルチェ式
ペルチェ素子という電子を利用する冷却方法です。一部のネッククーラーが採用しています。