除湿機の選び方
湿気対策や結露対策、衣類乾燥など1年中活躍する除湿機ですが、いざ購入しようとするとさまざまな種類やサイズがあり、「どれがいいのか迷ってしまう」という人も多いのでは? ここでは、除湿方式や除湿能力など、除湿機の選び方のポイントを紹介します。
2024/6/25 更新
目次
すぐにわかる!除湿機の選び方 これだけは押さえておきたいポイント
除湿機には、部屋干しした洗濯物を乾かすのに役立つ機能を搭載した「衣類乾燥除湿機」と、部屋の湿気を取り除くことを目的とした「除湿機」の2つのタイプがあります。
「衣類乾燥除湿機」に分類される製品は、部屋干しした洗濯物にまんべんなく風を当てられるように気流を工夫していることが多く、なかには、センサーを使って賢く乾かす機能、生乾き臭を抑えるイオン機能を搭載しているものもあります。
湿った空気の水分を取り除いて湿度を下げる除湿機は、機能がシンプルで、本体がコンパクトな製品も多くあります。結露しやすい部屋だけでなく、浴室、洗面所、クローゼットなど狭いスペースのスポット除湿にも最適。なお「除湿機」に分類されている製品の中にも「衣類乾燥」運転を搭載している製品はあります。
除湿機には主に、コンプレッサー式、デシカント(ゼオライト)式、ハイブリッド式の3種類の除湿方式があります。除湿能力や電気代、快適性に関係するため、それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。
除湿方式 | コンプレッサー式 | デシカント式 | ハイブリッド式 |
---|---|---|---|
夏の除湿 | |||
冬の除湿 | |||
消費電力 | 小さい | 大きい | ヒーター使用時は 大きい |
本体サイズ | やや大きめ | 小さめ | やや大きめ |
エアコンの除湿運転と同じ仕組みで除湿。部屋の空気を冷却器で冷やして湿気を水滴にし、タンクに溜めます。室温が高いときには高い除湿能力を発揮しますが、室温が低すぎると冷却器との温度差が小さくなるため、除湿能力がダウン。コンプレッサーを使用するので消費電力は小さいですが、運転音はやや大きめです。
ゼオライト素子を含む乾燥剤で空気に含まれる湿気を吸収。乾燥剤に吸収した水分をヒーターで温めて蒸発させ、その水蒸気を熱交換器に送って常温の空気との温度差で水滴にして除湿します。室温が低いときにもしっかり除湿できますが、室温が上昇するので、夏場に人が過ごす部屋で使うと快適性が損なわれる可能性も。常にヒーターを使うため、消費電力はコンプレッサー式の2〜3倍と大きくなります。
コンプレッサー式とデシカント式の組み合わせたタイプで、普段はヒーターを使わず、室温が低くなるとヒーターをオンにするというように、室温に合わせてコンプレッサー式とデシカント式それぞれのデメリットをカバーするように運転して除湿。1年中高い除湿能力を発揮しますが、本体サイズが大きく、価格は高めです。
ペルチェ方式の除湿機は、狭い空間の除湿に◎
「除湿方式の違い」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ
除湿能力は1日あたりに除去できる水の量で表します。除湿方式によって除湿能力を算出する室温の条件が違ったり、製品ごとに運転モードが異なったりするので、単純に比較できませんが、数値が大きいほど除湿能力が高いことは間違いありません。
1日あたりの除湿量 | 木造住宅の除湿能力 | 鉄筋住宅の除湿能力 |
---|---|---|
4.5〜6.3L | 6〜8畳未満 | 13〜16畳未満 |
6.3〜8.0L | 8〜10畳未満 | 16〜20畳未満 |
8.0〜11.0L | 10〜14畳未満 | 20〜28畳未満 |
11.0〜18.0L | 14〜23畳未満 | 28〜45畳未満 |
1日あたりの除湿能力で選ぶ
除湿能力(木造)で選ぶ
除湿能力(鉄筋)で選ぶ
独自のイオン技術などにより、部屋干しの洗濯物に発生する原因菌や付着菌を除菌します。
消臭機能を備えたタイプなら、部屋干し特有の臭いのほか、生ゴミやタバコ、トイレなどの臭いを抑えることができます。
本体内部に残った水分や湿気を乾燥させる機能。除湿運転や衣類乾燥運転の後に自動で作動する製品と、好きなタイミングで内部乾燥運転できる製品があります。長期間使わないときに行うと本体内を清潔に保てます。
部屋干しした洗濯物を乾かす時間を短縮できる機能。現在販売されている除湿機の多くに搭載されてています。洗濯物に風を当てる気流制御やセンサーによる運転コントロール、消臭など、効率よく快適に乾かすための機能が製品により異なります。
就寝中でも気にならないくらいの小さいな運転音で運転するモード。夜の間に乾かしたい洗濯物があるときに便利です。
冷たい風を放出する機能。冷風を直接体に当てて涼めますが、背面からは温風が出るため部屋の温度を下げることはできません。
小さな子どもが間違って操作をしないように、ボタンをロックできる機能です。
本体にホースを接続し、風呂場などに排水する機能。タンクに溜まった水を捨てに行く手間がなくなるほか、長時間除湿できます。
あらかじめ運転する時間を決めてセットしておける機能。外出時や就寝時などに自動で停止させることができます。
パナソニックの除湿機はハイブリッド式となデシカント式の2タイプでしたが、2024年にコンプレッサー式と空冷除湿式を組み合わせた「エコ・ハイブリッド式」が登場。室温が低いときにもヒーターを使わないのでハイブリッド式よりも電気代が抑えられ、空冷除湿も併用するためコンプレッサー式より高い除湿が期待できます。また、ハイブリッド式にパワフルタイプとコンパクトタイプをラインアップしているのも魅力。「ナノイー」による生乾き臭抑制効果もあります。
エコ・ハイブリッド式の詳細記事はこちら
シャープはハイブリッド式、コンプレッサー式、デシカント式の3タイプをラインアップ。「プラズマクラスター」を搭載しているので、部屋干しの洗濯物を乾かすのと同時に、プラズマクラスターイオンで生乾き臭を抑制。広い部屋やたくさんの洗濯物に対応するパワフルタイプ、狭いスペースで使いやすいコンパクトタイプ、ラック下に設置しやすいロー&コンパクトタイプのほか、「コンパクトクール」という除湿しながら冷たい風で涼めるタイプもあります。
三菱電機はコンプレッサー式の除湿機を複数ラインアップ。上位モデルは2つの放熱器とインバーターを搭載することで、高い除湿性能と省エネ性を実現しているほか、冷却器に付いた霜を取る機能も搭載しており、コンプレッサー式ながら冬場もパワフルに除湿します。こうした機能は搭載していないものの、センサーで乾き具合をチェックし、濡れている部分を集中して乾かす機能を備えた「サラリ」というモデルもあります。
三菱電機独自の構造の詳細記事はこちら
コロナはパワフルタイプからコンパクトタイプまで幅広いコンプレッサー式除湿機を用意しているだけでなく、サーキュレーターと組み合わせたモデルや冷風が出る「どこでもクーラー」といった付加機能を備え製品をラインアップ。室温が低いときにヒーターをオンにし、洗濯物の乾燥をサポートする機能を搭載したモデルもあります。
大きいほうが便利です。
とはいえ、1日中稼働させた場合に水を溜めておける製品はほとんどないので、こまめに捨てる必要があります。タンクが満タンになると除湿機の運転が止まります。
ヒーターを利用して水を集めるためです。
デシカント(ゼオライト)式はヒーターを使用して水を集めるので、電力を多く使用します。コンプレッサー式と比べると、2〜3倍の消費電力になります。
運転モードによります。
強風モードにすればある程度の運転音は発生します。また、除湿方式で比べると、コンプレッサーを使用するコンプレッサー式やハイブリッド式はデシカント式よりも運転音が大きめ。運転音が気になるときは、静かな運転音で運転するおやすみモードや夜干しモードなどを搭載した製品を選ぶといいでしょう。
室温は下がりません。
ヒーターを使わないコンプレッサー式でも、放熱器で温められた空気が放出されます。デシカント式と比べると室温は上がりにくいですが、エアコンの冷房をオンにしていない場合、室温は上昇します。
ルーバー
風向を調整するもの。上下または、上下左右で送風範囲や向きを調整できます。手動で調整するものと、自動でスイングするものがありますが、自動スイングするルーバーを備えた除湿機のほうが、洗濯物にまんべんなく風を当てやすいので、衣類乾燥目的で選ぶならルーバーを確認しておくといいでしょう。
ワイド送風
広い範囲に風を届けられる機能。洗濯物を広く干す場合、ワイドに送風できる製品を選びましょう。
スポット送風
左右ルーバーを調整し、一部分に集中的に送風する機能です。
タンク容量
除湿能力が高いほど、除湿した水を溜めるタンクの容量も大きくなります。湿度の高い季節や洗濯物をたくさん干す場合でも満水になりにくいので、水を捨てる回数が減らしたい人や、長時間稼働させたい人は容量の大きなタンクを備えた製品を選ぶといいでしょう。