ドライブレコーダーの選び方
運転中や駐車中の事故の記録を、証拠映像として残せる「ドライブレコーダー」。近年は、あおり運転が話題となり、その対策としてドライブレコーダーを付ける人が急増しています。しかし、「実際にはどれを選んだらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、必須機能やスペックの解説、代表的なメーカーの特徴など、ドライブレコーダー選びのポイントを紹介します。
2024/12/9 更新
目次
まずは、「事故時の証拠能力を満たすドライブレコーダー」を選ぶために必要な5つの機能について解説します。
車対車の事故の証拠映像として重要なポイントは「相手の車のナンバーを読み取れているかどうか」です。 画質のよさは、主に「解像度」と「画素数」で決まります。相手の車のナンバープレートを確実に読み取るためには、画素数は「200万画素」以上、画質は「Full HD」以上の製品を選びましょう。
事故は真正面で起きるとは限りません。そのため、ドライブレコーダーが撮影できる画角(視野角)は広いほど安心です。ドライブレコーダーの画角には「水平画角」「垂直画角」「対角画角」がありますが、目安として、「水平画角」が100度以上、垂直画角が55度以上のものを選びましょう。また、製品数は少ないですが、360度撮影可能なカメラを搭載したモデルを選ぶのもよいでしょう。
明るいところと暗い部分が同時に見えるときにカメラで撮影すると、画像が白くなる「白飛び」や黒くなる「黒つぶれ」が起きます。そんなときに、明るさを自動調整して、明暗差のついた見やすい画像にする機能を「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」機能といいます。夜間や逆光時には、この機能があると安心です。
LED信号機の灯火は、目に見えない速さで点滅を繰り返しています。そのため、ドライブレコーダーの中には、LED信号機の光が点滅したり真っ暗に映ったりしてしまう機種があります。事故が起きた際の証拠映像として「信号機の色がわからない」ということは致命傷といえるので、購入前にLED信号機対応か否かを確認しましょう。
後方車両からの危険行為や背後から追突されたときの映像を記録するには、カメラを前方(フロント側)のみならず、後方(リア側)にも設置する必要があります。近年横行しているあおり運転などを記録するためには、前後2カメラ搭載製品、前方・後方・車内撮影が可能な3カメラ搭載製品、または360度撮影可能なカメラを搭載した製品を選びましょう。
事故や事件は運転中にだけ起きるわけではありません。運転中だけでなく、エンジンを切っているときでも録画し続けてくれる機能を「駐車監視機能」といいます。この機能が搭載されていると、たとえば買い物で車から離れているときの当て逃げや夜間の車上荒らしなどを記録することができます。「駐車録画」や「駐車記録機能」などと呼ばれることもあります。
「デュアルカメラ」は、前後2つのカメラを搭載することで、車外だけでなく車内の様子も同時に撮影できます。友達や家族、カップルの会話など、ドライブ中の思い出を記録することができるほか、万が一事故や事件に遭遇したときの車内映像を記録できるため、あおり運転などの事件が話題となっている昨今、「デュアルカメラ」のニーズが非常に高まっています。そのほか、車内の映像を記録したい人は、前後2カメラに加えて、車内の映像を録画できる3カメラタイプの製品を選ぶとよいでしょう。
高画質フルHD、HDR機能、駐車監視機能、360度カメラなど、新機能を搭載した商品を意欲的にリリースする、ドライブレコーダーの国内シェアトップメーカー。夜間などの低照度下でもノイズが少なく鮮明な美しい映像が録画できる「ZDR048」が人気です。カメラは前後ともセパレートタイプを採用。小型で視界の妨げにならず、ミラーの角度に影響されない別体型なので位置も自由に取り付けできます。
さまざまなタイプのドライブレコーダーをラインアップする定番メーカー。機能も充実し、コストパフォーマンスにすぐれています。人気モデルの「marumie Y-3100」は、前後・左右・車内を高画質で記録できる全方面3カメラドライブレコーダー。起動から録画開始まで最速2秒を実現し、出発直後のトラブルも撮り逃しなく記録できます。
ドライブレコーダーとしては後発ですが、オーディオ機器で培ったブランド力に支えられ人気上昇中のメーカーです。「DRV-EM4800」は、大画面12V型IPS液晶を搭載したデジタルルームミラー型ドライブレコーダー。本体下部の電源ボタンを押すことでデジタルルームミラーと通常のルームミラーの切り替えが可能。スマートフォンのようなタッチパネル式操作で使いやすい点も魅力です。
安心の「JAPAN QUALITY」をセールスポイントに掲げる国内メーカー。自社開発・生産のメリットを生かした高品質な製品を展開しています。「STARVIS IMX307」を採用しフルHD録画ができる前後2カメラドライブレコーダー「RD-60」が人気。安全運転支援機能に別体カメラによる後方キャッチ機能を搭載しており、走行時に後車が接近(あおり運転)すると、危険と判断し警告音やイベント録画を行います。
現在の主流は、カメラ部分と本体が1つのボディに収まった一体型です。ドライブレコーダーのカメラ部分と、操作部分やディスプレイ部分、ストレージ部分を分けた分離型もありますが、現在はラインアップが少なくなっています。また、前方の視界を遮ることなくドライブ状況を録画できるミラー型もあります。
現在は、カメラ部分と本体を1つにまとめた一体型が主流です。分離型よりはサイズが大きくなるものの、最近は一体型でもコンパクト化が進み、それほど設置場所に悩むことはありません。また、ケーブルの引き回しが少なく、手軽に設置できる点も特長です。
カメラ部分と本体部分を分けたタイプです。カメラ部分を小さくできるので、運転中視界に入ってもあまり気になりません。カメラをどこにでも設置可能で、リア側に付けて後方を撮影することもできます。ただし、配線が複雑なため、カー用品店などで設置してもらうのがよいでしょう。
カメラをルームミラーの裏側に隠すことで、前方の視界を遮ることなくドライブ状況を録画できます。設置後に目立ってしまう確認用のモニターも鏡面部分に映し出すタイプのものが多く、面倒な配線などを行わずにルームミラーに組み付けるだけで使えるのが特長です。
ドライブレコーダーは、運転中の走行状況を自動で録画し、映像をmicroSDカードなどに保存してくれます。仮に、microSDカードの容量がいっぱいになっても、古い映像から順に上書きして記録する仕組みになっています。しかし、事故や当て逃げなど何かあったときの映像は上書きできないようにしておきたいもの。そんなときに便利なのが、 G(加速度)センサー録画や手動録画機能です。ここでは各種録画機能について解説します。
「常時」というと、24時間録画するように思えますが、ドライブレコーダーの場合はそうではありません。エンジンを始動すると同時に自動的に録画をスタートさせ、エンジンを切ることで録画も止まる機能のことを指します。
内蔵されているセンサーが、急ブレーキや接触などによる一定以上の衝撃を検知した場合、衝撃のもととなる出来事の前後の映像をmicroSDカードの別の領域に録画する機能です。常時録画中でも、上書きされない領域に記録することで、時間が経っても映像が保護されます。
衝撃を検知していない状態でも、スイッチを押すことで上書きされない領域に録画できる機能です。たとえば、事件や事故、違法行為などを目撃したときなど、証拠として残しておきたいシーンに遭遇したときに役立ちます。
人工衛星からの電波を受信して、現在位置を測定する機能です。GPSを備えていればその映像がどこで撮影された映像なのかがわかります。また、事故のときにも正確な場所を把握することができるため、証拠映像としての価値も高くなります。
無線LAN機能のことです。スマートフォンと接続し、録画した映像を表示・再生することができます。スマートフォンでリアルタイムの映像を確認したり、ドライブレコーダーを操作したりすることも可能です。
現在は、フルハイビジョン解像度で録画できる製品が主流で、ほかの車のナンバープレートもきれいに記録できます。より解像度の高いモデルも出ていますが、相手の車のナンバープレートをしっかりと記録するには200万画素以上を基準に選びましょう。
手のひらよりも小さい2.4インチ前後の製品が主流です。車内で映像を再生・確認したい人は液晶サイズはより大きいほうがいいですが、録画データをパソコンで見たり、Wi-Fi経由でスマートフォンに表示したりする場合は、液晶サイズにこだわる必要はありません。
自分で装着できることもあります。
シガーソケットから電源を取るなら、車内に電源ケーブルを引き回すだけなので簡単です。見栄えを気にしなければ誰でも設置できます。しかし、 ヒューズから電源を取るような場合は、カー用品店に依頼したほうがいいでしょう。ドライブレコーダーは頻繁に脱着する製品ではないので、きれいに設置してもらったほうが快適かつ安心です。
LED信号機が点灯していない状態を連続で撮影してしまうためです。
LED信号機は、目に見えない速さで点滅を繰り返しています。電力の周波数が50Hzの東日本では毎秒50回や100回、60Hzの西日本では60回や120回点滅しています。つまり、1秒の半分は点灯していません。ドライブレコーダーのフレームレートは、毎秒30コマのものが一般的です。西日本で撮影をすると、信号が点灯していない瞬間に撮影してしまうことになり、信号が点灯していなかったり、違う色で映ったりすることがあります。また、フレームレートが25コマや50コマの場合は東日本で同じ現象が起こりえます。
役に立つこともあります。
映像が残っているので、信号が「赤だった」「青だった」などの水掛け論の問題を解決できます。一部の保険会社では、ドライブレコーダーを搭載している場合、保険料を割り引いてくれるところもあります。なお、警察や裁判などに証拠として提出できますが、最終的に認められるかどうかは裁判官の判断によります。
画角(視野角)
カメラが撮影できる範囲を角度で表したもので、数値が大きいほど広範囲を撮影できます。
最低照度
夜間など暗い場所で、撮影に最低限必要な明るさを表す数値です。数値が低いほど、カメラの感度が高いといえます。
ダブルカードスロット
録画データはmicroSDカードに記録されます。ダブルカードスロットを搭載していれば、いつも利用しているmicroSDカードはそのままに、家で録画映像を見るために別のmicroSDカードにコピーして持ち出すことができます。
地上デジタル電波の干渉対策
ドライブレコーダーのノイズが地上デジタル放送の受信やカーナビに影響を与えることがあります。大半の製品でノイズ対策が施されていますが、しっかり確認しましょう。
HDR
ハイダイナミックレンジの略です。明るさを自動調整し、1枚の映像の中で黒い部分と白い部分をより鮮明に映し出す技術です。
フレームレート
1秒間に何コマの映像を記録するかを表す単位(fps)です。たとえば1秒間に30コマ表示する際は、フレームレート30fpsと表示します。25fpsや30fpsの場合はLED信号を撮影できないことがあるので、現在は27.5fpsなど、少しずらしたフレームレートで記録する製品が増えています。
録音機能
映像だけでなく音も記録できる機能です。通常はON/OFFで設定します。