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シェアサイクル「HELLO CYCLING」の黒いロックに感動していたら、カギが開かなくなった
2023年2月24日 00:00
シェアリングモビリティのなかでも、手軽に利用できるシェアサイクル。都市部では、多くの台数、拠点(ステーション)が用意されており、すっかり身近な存在になっています。
そして、近年では地方の観光地などでも手軽な移動手段として展開されています。
主要なシェアサイクルプラットフォームの一つ「HELLO CYCLING」も、地方への展開が行われているサービスの一つ。筆者がよく行く地方都市にも展開されているため、さまざまな場所で「HELLO CYCLING」のシェアサイクルを使っています。
超便利な「黒いロック」
つい先日も「HELLO CYCLING」で自転車を借りようとすると、貸出画面に「黒いロック」「白いロック」という項目が目につきました。
これは、自転車の施錠解錠に使用する端末の違いを表しています。従来のロックは「白いロック」でしたが、最近メンテナンスや新規導入されたものには新しい端末「黒いロック」が備わっています。
ミスタッチが多かった「白いロック」
従来の「白いロック」で借りる場合、アプリで予約して番号を取得し、その番号をハンドル近くに設置している端末で入力することで解錠できました。ICカードの場合、予約がなくてもカードをかざせば利用できます。
ところが、この「白いロック」、暗証番号入力やICカードの読み取りまでに「電源ボタン」と「言語選択」で2回のキー操作が必要であり、30秒程度時間がかかっていました。さらに、キーの誤反応が度々あり、ICカードをかざしているのにカードの端で入力されていて反応しないなど、ウイークポイントがありました。貸出途中で施錠した後の解錠や、返却処理する際も、30秒程度かかってしまっていたので、筆者も気になっていたところです。
なにもかもがスマートな「黒いロック」
新登場の「黒いロック」では、ユーザーが操作する部分が後輪のロック部分に集約されました(ドコモバイクシェアと同様)。また、ロック部分には、QRコードとICカード読取り部、返却ボタンとインジケーターランプのみのシンプルなものになりました。
自転車を借りるときは、アプリで予約した後、アプリから解錠ボタンを押下すると解錠されます。また、自転車のQRコードを読み取って現地で予約、解錠できます。利用途中に施錠した後の解錠は、アプリの「解錠」をタップするだけで解錠できる仕組み。ICカード利用時はもっと簡単で、ICカードをタッチするだけでカギを開けられます。
返却時は、施錠後返却ボタンを長押しするだけ。念のためアプリで返却確認をして返却できるので、なにもかもがスマートに完結します。
同業他社の「ドコモバイクシェア」でも、近年登場した白いロック(「HELLO CYCLING」と逆?)でも、暗証番号入力からQRコードの読み取り式に変更されました。「ドコモバイクシェア」では、音声ガイダンスが流れますが、「HELLO CYCLING」では、ビープ音とインジケーターランプだけなので、少々案内に欠ける部分ではあります。しかし、ユーザーが利用する場面は、貸出時や解錠時、返却時くらいですぐに状況をアプリで確認できるので、通常利用時に困ることは少ないでしょう。
スマートさに感動していると、トラブルが……
大体のシェアサイクルでは、新しいロックが備わっている自転車の方が、メンテナンスされていたり新車であることが多いということもあり、今回は新しい「黒いロック」の自転車を選択しました。
すると、黒いロックだと寄り道したり、お買い物したり、ご飯を食べたり複数回一時駐輪をしても、ICカードをかざすだけで解錠できます。これまでの白いロックにストレスを感じていた筆者は、黒いロックのスマートな動作に「なんて素敵!」と感動しつつ、調子よく観光を楽しんでいました。
ところが、海岸沿いを散歩しようと一時駐輪した際に、ちょっとしたトラブルが発生しました。簡単に言うと、解錠できなくなってしまったのです。
かざしてみると、動作音がするものの解錠せず、何かに引っかかっているのかと思い再度かざしてみたものの、「ピー」と反応している音はするものの、一向に解錠されません。アプリからも何度も解錠を試みましたが「通信エラー」という表示で解錠できません。
これまで「HELLO CYCLING」でのエラーといえば「GPSが拾えずに返却できない」ということはよくありました。上空を覆うものは何もない場所でしたが、海岸沿いということもあり「携帯の電波が入らないのかな?」と、自転車を移動させるなどして試みましたが解錠されません(そういえば、自分の手にあるスマートフォンは圏内表示でした)。
黒いロック端末には、液晶画面がないので、エラー表示や状況を確認できるものもなく、音声ガイダンスもないため、何がどう悪いのかもわからない状況に陥ってしまいました。
サポートに電話をすることに
都市部であれば、このままステーションに置いて後でメールフォームで修理対応をお願いすれば良いのですが、地方都市の観光地では、最寄りのステーションから2km近く離れた場所であり自力での搬送は困難。
これ以上の素人対応は難しいと判断し、ヘルプページの案内に従って電話をかけることにしました。
電話番号は050から始まるIP電話でしたので、通常の電話料金の範囲内です。コールセンターということで、長い待ち時間を想定していましたが、すぐにオペレーターの方につながり事情を説明しました。
すると、センターの方で端末へ再起動のコマンドを送るとのこと。筆者も自転車のそばで待っていると、インジケーターランプの色が変わったり点滅したりして、なるほど再起動が始まったことを確認しました。1分程度で再起動は完了し、オペレーターの案内の元再度ICカードをかざすと、動作音がしました。ロック部分のすべりがあまりよろしくないようで、急いでロック部のつまみを上げてみると、無事解錠することができました。
アプリ操作だけで解決できればいいけれども……
おそらくですが、最初の解錠時にうまくロックが外れなかったので、保護機能か何かが働いたのではないかなと思います。
ロック部がスムーズに動かない事象は、「HELLO CYCLING」に限らず多くの自転車で多いはず。今回は、コールセンターにつながるのが早く、すぐに対応してもらえたので事なきを得ましたが、その後も解錠する際に気を遣うことになってしまいました。
やみくもに再起動することは、端末やサービスなどに影響を与えることになるかと思いますが、ありがちなトラブルに対しては、アプリでトラブル対応できる項目が多くなってくれるといいなと思った次第です。
【お詫びと訂正】
黒いロック搭載自転車の解錠方法について、手順が一部抜けておりましたので修正しました。