DATAで見るケータイ業界

国内キャリアの設備投資は2022年度に2.5兆円を維持、機器投資は2022年度に約4000億円へ微減

 MCAは、国内主要キャリア各社の設備投資に関する調査を実施し、その結果を調査レポート「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場 2023年版」に取りまとめた。

 そこで同レポートから、主要キャリアの設備投資やキャリア向けネットワーク機器市場の状況を取り上げたい。

楽天モバイルの投資抑制が国内キャリア投資額に影響

 2022年度の国内市場におけるキャリアグループの合計設備投資額は前年度比1.6%減となる2兆5450億円になった。

 2022年度はソフトバンク(SB)を除き、他のキャリアグループが微減となっており、特にKDDIは同7.2%減の約500億円減となっている。SBと楽天モバイルが2023年度以降の投資抑制を発表しており、今後、国内キャリア投資推移は2022年度を境に縮小していくものとみられる。それに伴い、2026年度は国内キャリアグループの合計投資額は2兆1075億円と予測した。

移動系キャリアが牽引する国内ネットワーク機器投資

 国内キャリア各社における2022年度のネットワーク機器投資は3997億円と推定した。主な内訳はKDDIが973億円、ソフトバンクが660億円、NTTドコモは645億円、楽天モバイルは455億円と携帯電話事業を行う4社が全体の68.4%となる2733億円を投下し、移動系キャリアが国内ネットワーク機器投資を牽引している点に変化はない。

 また、NTTグループにおけるネットワーク機器投資は全体の41.1%となる1641億円を占め、前年度から3ポイントの拡大になっている。

2023年度の国内ネットワーク機器市場は約3700億円へ縮小見込み

 2022年度のキャリア向け国内ネットワーク機器市場は3997億円になった。主な内訳として、伝送装置が1473億円、携帯電話基地局は1024億円、ルーターが700億円、スイッチは520億円、PON/MCが280億円である。PON/MCは大幅拡大、伝送装置とルータが微増、スイッチは横ばい、基地局が大幅縮小となり、伝送装置の高水準な推移は続いている。

 国内キャリア向けネットワーク機器市場自体は、5G向け投資の影響から2022年度まで4000億円規模で推移。5G向け投資の落ち着く2023年度以降は3700億円規模に縮小するものと予測した。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/