中国系ハッカー、米財務省にサイバー攻撃 非機密文書流出の疑い

中国系ハッカー、米財務省にサイバー攻撃 非機密文書流出の疑い
中国政府が背後にいると疑われるハッカー集団が今月初め、米財務省のコンピューターに侵入し、文書を盗み出していたことが30日、ロイターが入手した議員宛ての書簡で明らかになった。2023年1月撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)
[30日 ロイター] - 中国政府が背後にいると疑われるハッカー集団が今月初め、米財務省のコンピューターに侵入し、文書を盗み出していたことが30日、ロイターが同省当局者から入手した議員宛ての書簡で明らかになった。
ハッカーは第三者のサイバーセキュリティー会社BeyondTrust(ビヨンドトラスト)に侵入し、非機密文書にアクセスしたとみられる。書簡は「重大な事案」と説明している。
書簡によると、同社が財務省職員に遠隔でテクニカルサポートを提供するために用いるクラウドベースのサービスを保護するためのキー(鍵)にハッカーがアクセスしてセキュリティーを無効化し、職員が管理する非機密文書に遠隔でアクセスできる状態だったという。
財務省はビヨンドトラストから8日に不正アクセスの通知を受けたとし、米サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)および米連邦捜査局(FBI)と協力して被害状況を確認していると明らかにした。
CISA 、FBIからコメントは得られていない。在ワシントンの中国大使館の報道官は「中国に対する米国の事実無根の中傷に断固反対する」と述べ、関与を否定した。
ビヨンドトラストの広報はロイターに対し、今月初めに同社のリモートサポート製品に関わるセキュリティー事案を確認し、対策を講じたと説明。「関係した限られた数の顧客」と法執行機関に通知し、調査に協力していると述べた。

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