韓国、尹大統領に出国禁止措置

[ソウル ９日 ロイター] - 韓国は尹錫悦大統領の出国を禁止した。法務省当局者が９日、国会の委員会で明らかにした。

地元メディアによると、尹氏は先週の戒厳令宣布を巡り刑事捜査の対象になっている。 もっと見る

政府高官の不正を捜査する高位公職者犯罪捜査処のオ・ドンウン処長は９日、国会の委員会の聴聞会で、尹氏に対しどのような措置を講じたのかとの質問に対し、出国禁止命令を出したと発言。法務省当局者も同委員会で出国禁止命令が執行されたことを明らかにした。

高位公職者犯罪捜査処は２０２１年に発足。大統領やその家族を含む政府高官を捜査する。大統領を起訴する権限はないが、問題を検察に付託することが法律で義務付けられている。

与党「国民の力」が設立した「戒厳令後の政治安定化と（尹氏の）秩序ある早期辞任」などを扱うタスクフォースのトップは、「いかなる制限もなく」大統領の早期辞任のため、あらゆる選択肢とタイミングを検討すると述べた。

国民の力の韓東勲代表は８日、韓悳洙首相との共同記者会見で、大統領は早期辞任するまでの間、外交やその他の国政に関わることはないと表明。首相が政務を管理すると述べた。

野党はこの提案を違憲として大統領の弾劾を要求。今月１４日に新たな弾劾訴追案を提出する計画だ。

韓国国防省は９日、尹大統領が依然として最高司令官であり、米国との同盟に混乱はないと表明した。

オースティン米国防長官は計画していた韓国訪問を中止。ブリンケン米国務長官は民主的なプロセスが行われると期待していると述べた。 もっと見る

韓国の趙兌烈外相は外務省関係者に「パートナーの信頼を回復し、韓国に対する国際社会の期待に再び応えるために、絶え間ない努力をしなければならない」と述べた。