英皇太子、ガザ戦闘停止訴え「多大な犠牲」　異例の政治的発言

［ロンドン　２０日　ロイター］ - 英国のウィリアム皇太子は２０日、パレスチナ地区ガザで「あまりにも多くの人々が殺害された」とし、戦闘を停止するよう訴えた。英王室は通常政治に口をはさまないとされており、極めてまれな発言となる。

ウィリアム皇太子は中東地域で支援活動を行う慈善団体を訪問し、昨年１０月７日に起きたイスラム組織ハマスのイスラエル奇襲以降、「中東における戦闘による悲惨な人的被害を深く懸念している」と語った。さらに「私は他の多くの人たちと同様、可能な限り早期に戦闘を終わらせることを願っている。ガザへの人道支援強化が切実に必要とされている。支援が行われ、人質が解放されることが不可欠だ」と述べた。

「時として、甚大な人の苦しみに直面して初めて恒久的な平和の重要性を痛感させられる」という考えも示した。

ウィリアム皇太子は来週、シナゴーグ（ユダヤ教礼拝施設）を訪問し、反ユダヤ主義と戦う若者と交流する予定。チャールズ国王ががん治療で公務を控えていため、ウィリアム皇太子が当面、主要公務の一部を担うことが予想されている。