仏格付け見通し「ネガティブ」に引き下げ、財政赤字懸念=ムーディーズ

[パリ 25日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは25日、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。財政赤字の抑制を巡る不確実性が高まっていることが背景。
格付けは「Aa2」(ダブルAに相当)に据え置いた。
ムーディーズは、フランスの財政は予想を超えて悪化しているとし、同程度の格付けを持つ他の国と対照的だと指摘した。
フランスの債務支払い能力が同じ格付け水準の国に比べて悪化していることにも懸念を示し、不安定な政治情勢が、政府機関が持続的に赤字を減らす能力にリスクをもたらしているとした。
ただ、格付け据え置きの決定は、フランスの大規模で多様化した経済を反映しているとした。
フランスの公的機関には対応力があり、これまでの政権は経済改革に前向きな姿勢を示してきたと述べた。
フランスのアルマン財務相は声明で、財政再建に向け政府として行動を取ると表明。訪問先のワシントンで開いた記者会見では、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を現在の6.1%から2025年に5%に減らすことが財政における最優先事項だと述べた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab