中国人民銀、「適切な時期に」金利引き下げへ 政策調整強化

中国の越境金融サービス促進、人民元国際化に寄与=人民銀行
中国人民銀行(中央銀行)の陸磊・副総裁は23日、世界的な貿易摩擦が激化する中、越境金融サービスを促進する中国の計画が人民元の国際化に寄与するとの認識を示した。北京の人民銀本部、2022年撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang/File Photo)
[北京 3日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員会は12月27日に開いた四半期会合で、「適切な時期に」銀行の預金準備率と金利を引き下げる方針を示した。
3日公表された声明によると、同委員会は金融政策の調整を強化し、より前向きで的を絞った効果的なアプローチを採用することを提案した。
これに先立ち、人民銀は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、2025年の「適切な時期」に金利を現在の1.5%から引き下げる可能性が高いとコメントしていた。
これは、より市場主導型の金利カーブを形成させるという人民銀の方針に沿ったもの。アナリストらは、人民銀が今年、金融政策の動きに信用需要がより敏感に反応するよう、さらなる変更を加えると予想している。
中国の主要金利は7日物リバースレポ金利で、昨年9月下旬に1.7%から1.5%に引き下げられた。
FTによると、人民銀は金利改革に着手するにあたり、「金利調整の役割」を優先し、融資拡大のための「量的目標」から軸足を移す考えも示した。
金融緩和観測を背景に中国の10年債利回りと30年債利回りは3日、ともに過去最低を付けた。
人民銀は声明で「金融政策ツールを充実、改善させ、国債の売買を実施し、長期利回りの変化に注意を払う」と表明。また、金融政策の伝達メカニズムを円滑化し、資金利用の効率を高めることも約束した。
トランプ氏が米大統領に復帰し、中国が米国との貿易摩擦の激化に備える中、人民銀は外国為替市場の期待を安定させ、元を適度に安定的に維持する方針を示した。
中国は12月に開いた中央経済工作会議で、景気底上げに向けて財政出動を拡大するとともに、金融緩和を行う方針を決定。「適切な時期」の利下げと銀行預金準備率引き下げの方針を決めた。
中国政府の顧問らは、政府が今年の成長目標を5%程度に据え置くことを推奨しているが、落ち込んでいる内需を後押しするため、より強力な財政刺激策の実施も求めている。

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