午後3時のドルは157円後半、ドル高の調整で円買い優勢

午後3時のドルは157円半ば、日銀副総裁発言で上下1円の変動
 1月14日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からほぼ変わらずの157円半ばで取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 27日 ロイター] - 午後3時のドルは157円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤に比べて小幅にドル安/円高の水準で推移している。前日のニューヨーク時間にドルは一時158.08円付近まで上昇したが、調整で円買いが進んだ。12月の日銀の金融政策決定会合の「主な意見」が公表されたが、これまでの植田和男総裁の発言を踏襲する内容との受け止めが聞かれ、ドル/円相場の大きな変動はみられなかった。
日銀が18―19日に開いた金融政策決定会合では、基調的な物価が着実に底上げされ「利上げを判断する局面は近い」ものの、「現段階では米国経済の不確実性が一巡するのを今しばらく注視する辛抱強さも必要だ」との意見が出されていたことが明らかになった もっと見る 。
市場では「ハト派的な発言とタカ派的なコメントも確認され、必ずしもハト派一辺倒ではないようだ」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との指摘があった。一方、基本的にはこれまでの植田総裁の発言と大きく変わらない内容で、「新しい材料はなかった」(外資証券・アナリスト)として、ドル/円の反応は小幅なものにとどまった。
午前11時頃に加藤勝信財務相の円安けん制発言が伝わると、ややドル売り/円買いが優勢となり、ドルは一時157.49円付近まで下落。先週の日米の金融政策イベント後にドル高/円安基調が続いていたほか、週末を控えて調整の円買いが入ったとの見方があった。ただ、ドル/円の下値は限られ、円高一服後は底堅い動きとなった。
日米の金融政策の差から目先もドルの堅調な地合いが続くとみる意見は多く、ドルが158円台を維持する展開となれば、「160円程度まで円安が進む可能性はある。タイミングとしては日本勢が休みに入る年明けあたりに、上方向を試す展開も考えられるだろう」(浪岡氏)という。

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