モルドバが非常事態宣言、ロシア産ガス供給停止控え

モルドバが非常事態宣言、ロシア産ガス供給停止控え
モルドバ議会は12月13日、来年1月1日からロシアのガス供給停止が見込まれることを受け、今月16日から60日間、国家非常事態を宣言することを決議した。写真はモルドバの首都キシナウのガス生産施設。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Vladislav Culiomza)
[キシナウ 13日 ロイター] - モルドバ議会は13日、来年1月1日からロシアのガス供給停止が見込まれることを受け、今月16日から60日間、国家非常事態を宣言することを決議した。
レチャン首相がウクライナ国境沿いの分離独立地域「沿ドニエストル共和国」へのガス供給確保を求めたこと受け、議会(定数101)の56議員が宣言を支持した。
レチャン氏はロシアによる「ガスの脅迫」を終わらせるための投票だと述べた。政府は非常事態を宣言することで、迅速な対応やエネルギー輸出の制限が可能になる。
モルドバはウクライナ経由でロシア産天然ガスの供給を受けているが、ウクライナはロシアのガスプロム(GAZP.MM), opens new tabとの経由契約を延長しない方針で、今月末に契約が切れる。
レチャン氏はロシア産ガスは他のルートでも運べるため、経由に関する問題は「人為的」だと指摘。「(ロシアのプーチン大統領は)沿ドニエストル住民をガスも電気もない状態にし、人質にしようとしている。モルドバ情勢を不安定化させるためにやっている」と述べた。
モルドバはロシアから年間約20億立方メートルのガス供給を受けている。沿ドニエストルと中央政府は2022年以降、モルドバが受け取るロシア産ガスを全て沿ドニエストルに提供することで合意している。

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