タンカー運賃急騰、対ロ制裁強化で中国とインドがチャーター

[シンガポール 14日 ロイター] - 業界関係者によると、米政府が対ロシア制裁を強化したことを受けて 大型原油タンカー(VLCC)の運賃が急上昇している。中国とインドがロシア以外の産油国から原油を調達するため、タンカーのチャーターを急いでいることが背景だ。
安価なロシア産原油を輸入していた中国とインドの石油精製企業は、米国の対ロシア制裁を受けて燃料の代替サプライヤーを模索。 もっと見る
米国の制裁対象には、ロシア産石油を輸送した183隻の船舶も含まれており、こうした船舶の多くは西側諸国の制裁の回避に利用された「影の船団」に属している。 もっと見る
業界関係者によると、中国石油化工(シノペック)(600028.SS), opens new tabのトレーディング部門である中国国際石油化工聯合(ユニペック)が複数のVLCCを先週末にチャーターしたことを受けて、主要航路のVLCC運賃は急上昇。中東─中国間の1日当たり運賃は先週末から39%上昇し3万7800ドルと、昨年10月以降で最高となった。
S&Pグローバル・コモディティー・インサイツのデータによると、ロシア太平洋岸のコズミノ港から中国北部へESPOブレンド原油を輸送するアフラマックス級タンカーの運賃も13日に2倍以上に跳ね上がり、350万ドルとなった。
アナリストによると、今後、ロシア産やイラン産の原油を輸送する制裁対象外のタンカーをチャーターする動きが広がり、タンカーの不足が悪化する恐れがある。
データ分析大手ケプラーのアナリストは「今後数カ月にわたり、新しい船舶が影の船団に組み込まれ、制裁対象外の船舶市場で供給が逼迫する見通しだ」と述べた。

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