パナソニックが東京汐留ビルを約500億円で売却、手元資金の確保で

パナソニック、東京汐留ビルを約500億円で売却
3月5日、パナソニックは東京支社として保有している自社ビル「東京汐留ビル」を約507億円で売却したことを明らかに。写真は同社のロゴ。昨年11月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 5日 ロイター] パナソニック<6752.T>は5日、東京都港区の東京支社として保有している自社ビル「東京汐留ビル」を約507億円で売却したことを明らかにした。今期の財務改善計画の一環で、資産売却によって手元資金の確保を急ぐ。
同日付で、パナソニックが日本ビルファンド投資法人<8951.T>と三井住友ファイナンス&リースの2社と同ビルの売却契約を締結。売却は12日に完了する予定。売却後は、日本ビルファンドが10%、三井住友ファイナンス&リースが90%の信託受益権を保有する。
同ビルは地上24階建て、地下4階、延べ床面積は4万7308平方メートル。2003年1月に旧パナソニック電工の東京本社として建設。パナソニック電工を吸収合併したパナソニックは昨年9月、グループの東京支社の機能を同ビルに集約していた。現在、約2000人が働いているが、売却後も10年間の賃貸契約を結んで利用を続ける。
パナソニックは2013年3月期に7650億円の最終赤字を計上する見込み。同ビル売却で約500億円の現金を確保するが、売却益は非公表で、連結業績予想への大きな影響はないという。
パナソニックは財務が悪化しており、借金から手元資金を差し引いた「ネット負債」は昨年12月末で9757億円に達した。今年3月末までに7700億円に圧縮する計画。このため、今期中に、資産売却、投資抑制、在庫削減で2000億円(うち株や不動産など資産売却で1300億円)の資金をねん出する対策を打ち出している。
東京汐留ビルの売却はこの一環。昨年末までに、東京都港区の地下鉄・御成門駅前にある旧東京支社の「東京パナソニックビル」の2号館と3号館の計2棟も合計100億円弱で売却したことがわかっている。
(ロイターニュース 村井令二:編集 内田慎一)
*内容を追加して再送します。

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