サントリーが食品部門を来夏にも上場へ、4000―5000億円調達

サントリーが食品部門を来夏にも上場へ、4000―5000億円調達
12月12日、サントリーホールディングスが食品部門の株式公開を計画していることが明らかになった。2009年9月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 12日 ロイター] サントリーホールディングス(大阪市北区)が、食品・飲料を手がける子会社サントリー食品インターナショナルの株式公開(IPO)を計画していることが12日、明らかになった。
複数の関係筋によると、上場時期は2013年夏ごろで、調達額は4000億―5000億円を目指す。親会社で持ち株会社のサントリー本体の株式は非公開のままで創業家の影響力を残す一方、主要部門(子会社)の株式公開で資金調達を柔軟に行える体制を整える。
市況が回復していれば、調達額は予定を上回る可能性がある。株式の募集は国内外の投資家を対象に行われるグローバルオファリングになる予定で、複数の日系、外資系の証券会社を主幹事に内定した。
サントリー食品インターナショナルは、国内外の食品・飲料部門を担う中核子会社。2020年に売上高2兆円を目指す中期計画を打ち出しており、海外事業展開を加速させている。2011年には、傘下に「サントリー食品アジア」を設立し、東南アジアを中心としたM&A(合併・買収)事業を移管。買収を加速させる体制を整えている。
2011年12月期の売上高は9705億円。2009年にフランスの大手飲料メーカー「オランジーナ・シュウェップス」を3000億円超で買収したほか、2011年にはインドネシアにガルーダフードグループとの合弁会社「サントリー・ガルーダ・ビバレッジ」を設立し、東南アジアでのビジネス基盤としている。
ロイターの調べによると、サントリーが2000年以降、海外で行ったM&Aの総額は約4500億円。
サントリーの広報担当者は「報道された内容について、具体的に決定した事実はない」とコメントした。
一方、日本企業のIPOをめぐっては、件数は回復傾向にあるものの、金額は今年9月に再上場し約6700億円を調達した日本航空<9201.T>を除くと、依然低水準にある。トムソン・ロイターによると、2012年1月─11月末までの日本企業のIPOは金額ベースで約9000億円。サントリーの食品・飲料部門がIPOすれば、JAL以来の大型上場になる可能性がある。
(ロイターニュース 清水律子、江本恵美、編集:佐々木美和)
*内容を追加します。

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