シグネチャー・バンクも破綻、米銀史上3番目の規模 預金者保護へ

米ニューヨーク州規制当局、シグネチャーバンクを閉鎖
 米ニューヨーク州金融サービス局は3月12日、ニューヨークを拠点とするシグネチャーバンクを閉鎖したと発表した。ニューヨークの本店で同日撮影(2023年 ロイター//Eduardo Munoz)
[12日 ロイター] - 米ニューヨーク州金融サービス局は12日、ニューヨークを拠点とするシグネチャー・バンクを閉鎖し、米連邦預金保険公社(FDIC)を管財人に任命したと発表した。米銀の破綻としては史上3番目の規模。
先週末にはカリフォルニア州当局がシリコンバレー銀行を閉鎖し、2008年の金融危機で破綻したワシントン・ミューチュアルに次ぐ2番目の規模の米銀破綻となっていた。
米財務省と銀行規制当局は12日に共同声明を発表し、シグネチャー・バンクの全ての預金者が保護され「いかなる損失も納税者が負担することはない」とした。
ニューヨーク州当局によると、昨年末時点でシグネチャー・バンクの資産は約1103億6000万ドル、預金は885億9000万ドルだった。
同行は現時点でコメント要請に応じていない。
FDICは12日、シグネチャー・バンクの顧客が13日に資金にアクセスできるようブリッジバンク(継承銀行)を設置したと発表した。シグネチャー・バンクの預金者や借り手は自動的に継承銀行の顧客となる。継承銀行の最高経営責任者(CEO)には元フィフス・サード・バンコープCEOのグレッグ・カーマイケル氏を起用した。
シグネチャー・バンクはニューヨーク、コネチカット、カリフォルニア、ネバダ、ノースカロライナ各州にオフィスがあり、商業不動産や暗号資産(仮想通貨)バンキングなど9分野で国内事業を展開していた。
昨年9月時点で預金残高の4分の1近くを仮想通貨業界からの資金が占めていたが、同業界関連の預金を80億ドル減らす方針を12月に示していた。
ニューヨーク州のホークル知事は、米政府によるこの日の措置が「銀行システムの安定性に対する信頼を高める」ことを期待すると表明。
「これらの銀行の預金者の多くは中小企業であり、イノベーション経済をけん引する企業も含まれる。彼らの成功はニューヨーク州の堅固な経済にとって重要だ」と述べた。

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