英国で猛暑による死亡者増、2050年までに年7000人に膨らむ恐れ

英国でも猛暑による死亡者が増加、2050年までに3倍の年間7000人へ
 7月26日、英国で猛暑による死亡者数が増加している。同国の超党派議員で構成する環境監査委員会は、2050年代までに3倍超の年間7000人に膨らむ恐れがあるとの報告書をまとめた。写真はバッキンガム宮殿前にある干上がった噴水、7月24日撮影。(2018年 ロイター/Hannah McKay)
[ロンドン 26日 ロイター] - 英国で猛暑による死亡者数が増加している。同国の超党派議員で構成する環境監査委員会は26日、2050年までに3倍超の年間7000人に膨らむ恐れがあるとの報告書をまとめ、政府に高齢者らの健康を守るための対策を求めた。
英気象庁によると、イングランド南部や東部では今週、気温が摂氏32―34度に上昇する見込み。
2003年8月には、欧州全体で約500年ぶりの猛暑を記録。2万人以上が死亡し、このうちフランスでは1万5000人、英国で2193人が亡くなった。
英国の過去最高気温は38.5度。2006年7月にも同程度の猛暑を経験したほか、2013年7月、15年7月、16年7―9月、17年6月、18年4月および6―7月にも例年にない気温上昇がみられた。気象庁によると、似たような気候は2040年代まで1年おきに到来する恐れがある。
環境監査委員会は、政府が熱波による危険に対処して来なかったと批判。責任者であるメアリー・クレイ氏は「熱波に対する警告はバーベキューをする際の警告として歓迎されているが、実際には健康や生産性を脅かすものだ」と述べ、「政府は拡大中のリスクから高齢者を守る戦略を進めるべきだ」と呼び掛けた。
*見出しを修正しました。

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