2月米耐久財受注減少、ドル高や原油安の影響長引く

2月米耐久財受注減少、ドル高や原油安の影響長引く
 3月24日、2月の米耐久財受注が2.8%減った。写真はニューヨークの店頭に並ぶ洗濯機や乾燥機。2010年7月撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日公表した2月の耐久財受注は前月比2.8%減だった。ドル高や原油安の製造業への影響が長引いているもようだ。市場予想は2.9%減だった。
前月の数字は当初発表の4.9%増から4.2%増へ下方修正された。
耐久財はトースターから航空機まで、3年以上継続して使用可能なモノを指す。
民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は1.8%減だった。市場予想は0.1%減だった。1月は当初発表の3.4%増から3.1%増へ下方修正された。
最近の経済指標は、製造業の落ち込みが終わりに近づいていることを示唆していたが、この日の耐久財受注はこうした傾向と矛盾する。最近のいくつかの統計は、複数の地域で3月の製造業の生産活動が加速していることを示しており、製造業全体としても昨年9月以来初めて拡大に転じると期待されている。
製造業は米経済の約12%を占める。ドル高や世界的な需要の弱含みに加え、原油安で油田サービスのシュルンベルジェや資源開発サービス大手ハリバートンなどの石油関連企業が投資を削減していることが逆風となっている。
また、企業は積み上がった在庫を解消するため新規の発注を控えており、これも製造業の重しとなっている。
ただ、米国の主要な貿易相手国の通貨に対するドルの値上がりは、今年に入って和らいでいる。原油の値下がりも緩やかになってきた。
耐久財受注の内訳は、民間航空機が27.1%減。輸送機器全体は6.2%の落ち込みだった。
米航空機大手ボーイングのウェブサイトによると、同社の2月の航空機の受注は2件と、前月の68件から大幅に減った。
1次金属や組立金属製品、機械、電算機・電子製品、電機・家電も減少した。一方で自動車は1.2%増だった。
国内総生産(GDP)算出に用いられるコア資本財の出荷は1.1%減った。前月は1.3%減だった。2月の落ち込みを受け、エコノミストらは第1・四半期のGDP予想を引き下げる可能性がある。現在の予想は年率で約2%増となっている。昨年第4・四半期は1.0%増だった。
受注残高は0.4%減。前月は横ばいだった。
在庫は0.3%減。ここ8カ月のうち7カ月マイナスとなっている。

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