関西電、高浜原発1・2号機の40年超運転延長へ点検実施

関西電、高浜原発1・2号機の40年超運転延長へ点検実施
 11月26日、関西電力は、運転開始から40年前後の高浜原発1、2号機(福井県)について、運転延長に必要な「特別点検」を実施すると正式に発表した。大阪で19日撮影(2014年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 26日 ロイター] - 関西電力<9503.T>は26日、運転開始から40年前後の高浜原発1、2号機(福井県)について、運転延長に必要な「特別点検」を実施すると正式に発表した。12月上旬から点検に着手する。点検結果を踏まえて40年超の運転延長申請を原子力規制委員会に申請するかどうかを判断するという。
原子炉等規制法では、原発の運転期間を原則40年に制限しながらも、原子力規制委の認可を条件に20年を上限に1回だけ運転延長が認められている。
このルールの運用として、規制委は運転開始から40年前後の原発を40年を超えて運転させる場合は、来年4月から7月までに規制委に延長申請するよう求めている。対象は国内に7基あり、高浜1、2号も該当する。
申請する場合は、事業者が原子炉の劣化状況などを調べる特別点検を事前に行う必要がある。関電東京支社の担当者によると、高浜1、2号の特別点検には数カ月間を要するという。
10月に辞任した小渕優子前経済産業相が、対象7基を廃炉にするか運転延長を申請するかについて経営判断するよう電力業界に要請。高浜1、2号の特別点検実施は、関西電として同2基を引き続き活用したいという意向を示したものだ。
関電の場合、美浜原発1、2号(福井県)も廃炉か延長かの判断を迫られている対象だが、関電は同2基の判断について「検討中」(東京支社担当者)と説明し、態度を示していない。
実際に高浜1、2号を稼働させるには、運転延長の認可とは別に、昨年7月に施行された新規制基準に適合しているかどうかの審査に合格する必要がある。
古い原発は、比較的新しい原子炉に比べ新規制基準への適合が難しいとみられ、高浜1、2号が再稼働できるかどうかは現段階では不透明といえそうだ。

浜田健太郎

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