中南米に100億ドルの信用枠提供へ=中国首相

[サンティアゴ(チリ) 26日 ロイター] 中国の温家宝首相は26日、中南米歴訪の最後の訪問国となるチリで、中南米のインフラプロジェクト向けに100億ドルの信用枠を提供する考えを明らかにした。一方、保護主義の台頭を防ぐため協力していくよう求めた。
温家宝首相は今回の歴訪で、メルコスル(南米諸国連合=ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)との自由貿易協定を提案。また、一連の投資協定に調印した。
温首相は、チリに本部を置く国連ラテンアメリカ経済委員会(ECLAC)で「中国政府は引き続き中南米諸国に対する経済支援を提供していく」と述べ、中国の政府系金融機関である国家開発銀行(CDB)が中南米のインフラプロジェクト向けに100億ドルの信用プログラムを実行するほか、中国、中南米、カリブ海諸国の協力向けに50億ドルの基金を創設する考えを示した。
その上で「われわれは貿易の保護主義と戦い、お互いの市場開放を拡大しなくてはならない」と述べた。
さらに、中国はチリとの2国間貿易を推進し、2015年までに貿易額を600億ドルに倍増する計画だ、と明らかにした。

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