ベネズエラのチャベス大統領がんで死去、後任は副大統領が有力

ベネズエラのチャベス大統領、がんで死去
3月5日、南米ベネズエラのウゴ・チャベス大統領(写真)が死去した。マドゥロ副大統領がテレビ放映で明らかにした。写真はカラカスで昨年2月撮影(2013年 ロイター/Jorge Silva)
[カラカス 5日 ロイター] 南米ベネズエラのウゴ・チャベス大統領(58)が死去した。大統領はがんで2年間にわたり闘病中だった。マドゥロ副大統領がテレビ放映で明らかにした。
副大統領は他の閣僚らとともに演説に臨み、声を詰まらせながら「深い悲しみで胸が痛む」と語った。
大統領は、2011年半ばに骨盤付近にがんが見つかり、これまでキューバで4度にわたり手術を受けた。最後の手術が行われた昨年12月11日以降、公の場に姿を見せていなかった。
チャベス氏は1999年に大統領に就任、在任期間は14年に及んだ。昨年10月の大統領選挙で野党の統一候補だったカプリレス氏を破って4選を果たしたばかりだった。
ハウア外相によると、大統領の職務は暫定的にマドゥロ副大統領(50)が引き継ぎ、30日以内に大統領選挙が実施される。選挙はマドゥロ副大統領と中道派野党の指導者で州知事のカプリレス氏の争いとなる見通し。最近の世論調査では、マドゥロ氏が大きくリードしている。
チャベス大統領が生前に自身の後継者に指名したマドゥロ氏は労働者階級からの支持が厚く、大統領死去の悲しみに暮れる国民からさらに支持を集める可能性がある。
マドゥロ副大統領はチャベス氏の遺志を引き継ぐと表明。「われわれはすべての同胞に対し、平和の保証を呼び掛ける。彼の民間および軍の同胞であるわれわれは、ウゴ・チャベスの残したものを引き継ぐ」と語った。
一方、大統領の死去が左派連合の内部抗争の引き金となる可能性もある。左派連合を構成するのは極左の知識人から軍人、実業家までさまざまだ。ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を持つほか、債券の取引量も多く、投資家は同国の政情不安の兆しに非常に敏感になるとみられる。
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