ロシア人実業家が英国で不審死、当局の横領疑惑めぐり情報提供

[ウェイブリッジ(英国)/ロンドン 28日 ロイター] ロシアの当局者などが関与したとされる事件でスイス当局に情報を提供していたロシア出身の実業家の男性が、英国の自宅近くで不審死していたことが分かった。
死亡したのは3年前に英国に亡命したAlexander Perepilichny氏(44)で、サリー州の高級住宅地セント・ジョージズ・ヒルの住民によると、今月10日に自宅近くで倒れて死亡しているのが見つかった。警察当局は死因は不明だとし、現在さらなる検査が行われていると明らかにした。英メディアは、死亡前に健康上の問題はなかったと報じている。
同氏は、資金洗浄に関与したとされるロシア当局者についての証拠などをスイス当局に提供していたほか、2009年に反汚職の弁護士セルゲイ・マグニツキー氏が死亡した事件についても証拠を提供していたという。
マグニツキー氏は2008年に脱税と詐欺の疑いで拘束されたが、同僚らは警察が容疑をねつ造したとしている。ロシアの人権理事会は、撲殺された可能性があるとの見方を示した。同氏の死亡に関連して不審死を遂げたのは、これで4人目。
マグニツキー氏は生前、ロシア政府当局者らが2億3000万ドル(約190億円)の横領に関わっていたと告発していたが、同氏のかつての雇用主、ウィリアム・ブロウダー氏は、Perepilichny氏が2010年、この横領事件にかかわる証拠を提供すると連絡してきたとコメント。銀行文書などの提供を受けたと明かした。

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